「ポスティングをしたいけど、チラシが読まれやすい曜日ってあるのかな」
「自分の業種だと、どの曜日にポスティングするのがもっとも効果的なんだろう」
ポスティングをするにあたり、より多くの反響を得るためにはどの曜日にすればいいのか、迷うところですね。実際のところ、ポスティングは業界団体でも正確な数や曜日ごとの傾向を把握できていないのが現状です。
なぜなら、ポスティングは業者を通さず個人で行うケースも多いからです。ポスティングとよく比較されるものとして「新聞折込」が挙げられます。新聞折込には、業界団体による、正確な配布枚数や曜日ごとの業種傾向のデータがあります。
両者ともに、ターゲットに自社の情報を届けたいという目的は同じなので、新聞折込のデータを紐解くことで、ポスティングを何曜日にすればいいのかが見えてきます。この記事では、新聞折込のデータに基づいて、ポスティングにおいて効果的な曜日を検証していきます。
また、サービス業、教育(教養)関連、金融(保険)関連、不動産、メーカーという業種別にポスティングが行われている曜日の傾向と理由をわかりやすく解説します。読んで頂ければ、あなたの業種でポスティングが行われやすい曜日が把握できます。
さらに、ポスティングの曜日で反響を狙う3つの戦略をお伝えします。
- 業種別配布曜日の傾向に合わせてポスティングする
- 配布枚数が少ない曜日にポスティングする
- 同業種の配布枚数が少ない曜日にポスティングする
これらを知ることで、あなたがポスティングを行うのに最適な曜日が選べるようになります!
この記事を、ポスティングによるお店やサービスの集客アップに大いに役立てて頂けたらと思います。
1. ポスティングは土曜日を選んでおけば間違いない
冒頭でポスティングに適した曜日は把握できないと書きましたが、一般的にベストだと言われている曜日はあります。ズバリ、それは「土曜日」です。
理由は、仕事のある忙しい平日よりも余裕があり、しかも、翌日が休みである土曜日は、人々がチラシを手に取って見てくれる確率が高いからです。このことは、新聞折込の業界団体である新聞折込の業界団体である日本新聞折込広告業協会のデータでも検証されています。
首都圏における1年間の全配布枚数の曜日別構成比を表した以下のグラフを見てください。
ご覧のように、土曜日がもっとも多いことがわかります。NHKが5年ごとに行っている「国民生活時間調査」でも、平日や日曜日よりも土曜日の新聞購読率が高いというデータがあるため、土曜日の新聞折込は読まれる可能性が高いのです。
では、あなたも土曜日にポスティングをすれば効果があるのかというと、それは一概に当てはまるものではありません。なぜなら、業種ごとで実際の配布枚数が異なるからです。
次のグラフで業種ごとの実際の配布枚数の割合を見ると、全体数字のうち半数以上を「流通業」が占めていることがわかります。
つまり、もっとも配布枚数の多い流通業の曜日傾向が、全体の配布曜日に反映しているのです。実際には業種ごとの配布傾向は異なり、それぞれに効果的な曜日があるのです。各業種の曜日傾向について、次の章で詳しくお伝えしていきましょう。
<参考>
首都圏折込広告出稿データ1月
首都圏折込広告出稿データ7月
全国版折込広告出稿統計データ2018年年間
NHK放送文化研究所|2015年国民生活時間調査報告書
2. 【業種別】ポスティングに効果的な曜日傾向
通説ではポスティングに適した曜日は土曜日と言われていますが、実際には業種ごとに効果的な曜日は違ってきます。
2章では、業種別のポスティングに効果的な曜日傾向について解説していきます。まず最初に次のグラフをご覧ください。業種ごとに見た場合の配布曜日の構成比です。
業種により配布曜日の傾向に違いがあることがわかります。
次の項から、あなたの業種で実際に効果のある配布曜日について、以下の順で詳しく解説していきましょう。
1.流通業
2.サービス業
3.教育・教養
4.金融・保険
5.不動産業
6.メーカー
7.その他
業種別の傾向をよく見て、ご自身の関わる業種は何曜日に配布が多いのかしっかり確認しておきましょう。
2-1. 流通業|金曜日と土曜日でほぼ半数
流通業の配布曜日のグラフ特徴は以下の通りです。
■金曜日と土曜日の割合が47.3%と半数近くを占める
■平日にも小さなヤマが火曜日と水曜日にある
ショッピングセンターなどが週末のレジャー買いを促したり、スーパーが週末の買い物で不足したものの買い足しを促すため、このようなグラフの形になります。
なお、流通業の内訳は次の通りです。
2-2. サービス業|金曜と土曜をピークにしつつ緩やかな分布
サービス業の配布曜日のグラフ特徴は以下の通りです。
■比較的まんべんなく分散している
■金曜日と土曜日が多い
■火曜日と水曜日の配布が少ない
サービス業は、基本的にいつでもお客様の需要タイミングによって利用できる体制をとっているため、チラシの配布も特に曜日を問いません。
時間のある週末に読んでもらいたいと思う一方、流通業のチラシのヤマがある火曜日と水曜日は、多数のチラシにまぎれるのを避けるため、配布が少ない傾向があります。
なお、サービス業の内訳は以下の通りです。
2-3. 教育・教養|月曜日をピークに週初めの3日間で配布
教育・教養関連業の配布曜日のグラフ特徴は以下の通りです。
■月曜日〜水曜日で全体の半数以上、66.9%を占める
■金曜日と土曜日が極端に少ない
レジャー気分の盛り上がる週末を避け、地に足をつけて何かを始めたい気持ちにタイムリーに語りかけるため、基本的に週初めの配布が多くなっています。
なお、教育・教養関連業の内訳は以下の通りです。
2-4. 金融・保険|火曜日〜木曜日にかけての平日3日間がヤマ
金融・保険業の配布曜日のグラフの特徴は以下の通りです。
■火曜日がもっとも多い
■火曜日〜木曜日の平日三日間で7割近くを占める
金融・保険の商品の性質から、週末のレジャー気分が落ち着いて堅実的な気分になるタイミングを取る傾向が見られます。また一方で、土曜日に少しボリュームが増えているのは、週末開催のイベントへの集客を目的にしたものが増えるためと言えます。
なお、金融・保険業の内訳は以下の通りです。
2-5. 不動産業|金曜日と土曜日の集中配布
不動産業の配布曜日のグラフの特徴は以下の通りです。
■圧倒的に土曜日配布
■金曜日と土曜日の二日間だけで8割を超える
時間のある週末に現地に足を運ばせるため、土曜日の朝刊には不動産業のチラシが多くなります。
また、週末に契約成立した案件の事務処理や定休日の関係で平日には問い合わせ対応がしにくいため、平日にはあまり配布しません。
なお、不動産業の内訳は以下の通りです。
2-6. メーカー|月曜日〜木曜日にまんべんなく配布
メーカーの配布曜日のグラフの特徴は以下の通りです。
■月曜日〜木曜日の配布がほとんど
■金曜日と土曜日の割合が極端に少ない
ほとんどのメーカーが土日に休日設定していることが多く、問い合わせ対応のために配布は木曜日までに済ませてしまいます。
なお、メーカーの内訳は以下の通りです。
2-7. その他|圧倒的に日曜日に配布
その他業種の配布曜日のグラフの特徴は以下の通りです。
■圧倒的に日曜日に配布
■平日配布は少ない
求人や広報誌など、時間のある時にじっくり読んで検討してもらうため、ボリュームの多い内容を日曜日に配布する傾向があります。
なお、その他業種の内訳は以下の通りです。
3. 選べる!ポスティングの曜日で反響を狙う3つの戦略
業種別の配布傾向がわかったところで、あなた自身が何曜日にポスティングを行えばいいか、戦略的な選び方をご紹介しましょう。
【戦略①】業種別配布曜日の傾向に合わせてポスティングする
【戦略②】総配布枚数が少ない曜日にポスティングする
【戦略③】同業種の配布枚数が少ない曜日にポスティングする
それぞれの戦略について詳しく解説していきましょう。
3-1. 【戦略①】業種別配布曜日の傾向に合わせてポスティングする
ポスティングをしたことがない、またはポスティングをしたことがあっても曜日を意識したことがないという場合は、2章でご紹介した、業種ごとの配布傾向に合わせるのがいちばんです。新聞折込の傾向データは偶然のものではなく、各業種の各企業が、長年に渡り試行錯誤をした結果の表れ。
つまり、一定の効果が出ることが証明されているものなのです。あなたのお店やサービスが、曜日によって特定のイベントなどを設けていないのであれば、この傾向にしたがって、もっとも効果のある曜日にポスティングをするのがいいでしょう。
3-2. 【戦略②】総配布枚数が少ない曜日にポスティングする
自分のチラシを目立たせたい、数多くのチラシに埋もれさせたくない場合は、総配布枚数が少ない曜日を狙うという方法があります。
具体的には、月曜日と木曜日。
月曜日:平日の問い合わせや集客を希望する際におすすめ。
木曜日:週末に向けた集客を希望する際におすすめ。
どちらの曜日とも、総配布枚数が少ないため、在宅時間の長い主婦や、曜日による行動パターンの変化が少ない高齢者にじっくりと読んでもらえる可能性が高まります。
あなたのお店やサービスの定休日が上記曜日かその翌日に設定されていなければ、大勢との戦いを避けるため、こんな曜日の選び方も有効です。
3-3. 【戦略③】同業種の配布枚数が少ない曜日にポスティングする
自分のチラシを目立たせるための戦略として、同業種の配布枚数が少ない曜日を狙うという方法もあります。
もしも地域に強力な競合他社がいる場合、業種傾向にしたがって同じ曜日にポスティングをすると、チラシの見た目(紙面の大きさ、デザイン、特典など)によっては、負けてしまうことがあるかもしれません。
強力な競合がいなかったとしても、チラシそのものに魅力がないと、同業種のチラシばかり何枚も入っている中の一枚として埋もれてしまい、読んでもらえる可能性が下がることも。
競合が何曜日に新聞折込をしているかをリサーチし、その曜日を避けることで、もしもチラシの見た目が競合ほどのインパクトを与えられないものであったとしても、並べて比較されることは回避できます。
4. ポスティングだからこそできる!「時間帯」を選んでさらに効果アップ
さらなる反響を目指すため、新聞折込ではできない「時間帯」を選んでポスティングする技をお伝えします。
新聞折込は、朝・夕刊の決められた配達時間に新聞とともに届けられます。
しかしポスティングは、いつでも自由に届けられるのが特徴です。ポスティングの特徴を生かして「時間帯」を配布プランに盛り込みましょう。競合他社を含めた雑多なチラシに埋もれることなく、ターゲットにあなたのチラシを単体で見てもらう可能性がぐっと高まります。
時間帯の選び方は、原則として3つあります。
【原則①】新聞折込の配布時間を避ける
【原則②】既存客の利用時間を狙う
【原則③】ターゲットの帰宅時間を狙う
ひとつずつ解説していきます。時間帯をプランに盛り込むことで、ターゲットにあなたのチラシを単体で見てもらう可能性がぐっと高まります。よく読んで、しっかり把握しておきましょう。
4-1. 【原則①】新聞折込の配布時間を避ける
朝刊は通常、2~6時に配達されます。実際には朝刊の配達時間帯にポスティングを行うことはまずないと思われますので、注意したいのは夕刊の配達時間帯。
新聞とともにたくさんの折込チラシが投函されてからでは、あなたのチラシがほかの多数のチラシに埋もれてしまいます。
JOBACEという新聞配達員の総合募集サイトの集計によると、夕刊の配達時間は13時半~16時半で以下のように分布しています。
早いところではお昼過ぎに配達が始まり、午後4時までには7割が新聞配達を完了していることがわかります。あなたのチラシを新聞折込に埋もれさせないためには、遅くとも13時前までにポスティングするのが有効でしょう。
4-2. 【原則②】既存客の利用時間を狙う
あなたのお店やサービスのお客様や問い合わせがもっとも多い時間帯を選びます。お店に足を運んでくれる、電話をかけてくれるということは、その時間がお客様にとっての自由時間だということ。
言い換えれば、チラシを読む時間があるということです。特にロイヤルユーザーがいる場合、そのお客様が足を運んでくれる時間を狙ってポスティングをすれば、ロイヤルユーザーと同じような属性を持った新規顧客をつかめる割合が高くなります。
4-3. 【原則③】ターゲットの帰宅時間を狙う
ターゲットの一般的な行動パターンを考慮してポスティングすることで、自分のチラシだけを手に取らせる方法です。
具体的には以下の通りです。
主婦:幼稚園登園からの帰宅時、午前中の買い物からの帰宅時
高齢者:病院やクリニックの午前診療からの帰宅時
どちらもピンポイントな時間帯ではありますが、あなたのチラシ一枚だけを手に取ってもらえる可能性が非常に高い方法です。
上述したタイミングのほかにも、お客様から地域情報(幼稚園や学校のスケジュール・行事、各町内会のイベント、自治体の催しなど)を常にヒアリングしておくことで、ポスティングの曜日・時間帯を選ぶヒントが見えてくるでしょう。
いかがでしょうか。ポスティング会社に依頼する場合は、曜日や配布時間帯の指定ができるかをまずは相談してみましょう。自身でポスティングを考えている方は、ぜひ上記の原則に基づいて、効果的なポスティング時間にチラシを届けてください!
まとめ
ポスティングは、地域集客にとても有効な手段のひとつです。曜日や時間帯に小さな工夫を加えることで、その効果はぐっと高まります。
この記事ではポスティングの効果をさらに高めるための工夫として、
■新聞折込データで見る業種別配布曜日の傾向
■戦略的なポスティング曜日の選び方
■ポスティングだからこそできる配布時間の選び方
についてご紹介しました。
ポスティングの実施日は新聞折込の業種別配布曜日に合わせるのがもっとも効果的ではありますが、チラシそのものの訴求力の強さや競合の動きによっては、以下のような戦略も考えられます。
- 業種別配布曜日の傾向に合わせてポスティングする
- 総配布枚数が少ない曜日にポスティングする
- 同業種の配布枚数が少ない曜日にポスティングする
記事を参考に、あなたのお店やサービスに最適な曜日を選んでポスティングを成功させて頂けたらと思います。