「手書きチラシって、何を書けばいいのだろう」
「どこから書き始めたらいいのかわからない」
あなたはいま、そんな風に思っているのではないでしょうか。
この記事では、「伝わる手書きチラシ」を書くために必要なすべてを、具体的な事例や実演を交えながら詳しく解説していきます。
①パッと目を引く/つい読み込んでしまう手書きチラシの事例を紹介
魅力的な事例をたくさん見ることで、あなたがこれから作る手書きチラシの具体的なイメージがまとまることでしょう。
②事例を元に書くべき要素やレイアウトを徹底研究
手書きチラシの要素とレイアウトの基本や効果を事例ごとに解説していきますので、効果のある手書きチラシのノウハウがわかります。
③「伝わる手書きチラシ」を作る工程を3ステップで実演
もっとも伝わる型を用いて、手書きチラシを作成する過程をそれぞれの段階で注意すべきポイントを押さえながら、実際に見ていきます。
また、手書きチラシの注目度を高めるデコレーションアイディアや印刷費についてもお伝えしていますので、どうぞ参考になさってください。
この記事を最後まで読めば、あなたの商品やサービスについて、お客様にじっくりと読んでもらえる「伝わる手書きチラシ」が作れるようになります。
ぜひ、あなたの集客や販促にお役立てください!
1. 目立つ!参考にしたい!手書きチラシのデザイン13選
イラスト部分が多くてパッと目に飛び込んでくるもの…
文字量は多いものの手が込んでいるため、つい読み込んでしまうもの…
それぞれに魅力のある手書きチラシをご紹介します。
中にはすべてが手書きではないものもありますが、まずは全体のデザインのいいところを取り入れるため、いくつか見ていきましょう。
1-1. パッと目を引くタイプ
ハロウィンらしい賑やかでポップな手書きチラシ。
テーマに合わせて色味を絞り込み、大きな主役級のイラストがいくつか描かれているため、全体として「パッと目を引く」力強いチラシです。
絵に自信のある方は、こんな主役級のイラストを描くだけでもぐっと吸引力が高まります。
読みやすさと可愛らしさを両立した文字装飾についても、ぜひお手本にしたいチラシです。
それぞれは小さなイラストですが、全体的な分量が多いため、全体としては「パッと目を引く」作りです。
テーマである「蚤の市」らしく、さまざまな生活道具とその使い手と思われる年季の入ったカップルがへたうまなタッチで描かれていて、「ふつう」の人による「ふつう」の暮らしへの愛がうかがえる、好感度の高いチラシ。
絵にそこまで自信がないという方でも、丁寧に描くことで温かみが伝わり、かえって好印象を与えられるという良い例です。
本文部分は手書きではありませんが、分量が多くないので、読みやすい丁寧な字であればここも手書きで問題はありません。
簡略化されたイラストと限られた色味で、線がはっきりしているためシンプルながら力強さがあります。本文で伝えるべき情報がもともと多くないため、共催者の団体名まで細〜中字の手書きで書ききっています。
イラストだけでなく、文字部分も含めてすべての要素が肩の力の抜けた同じタッチで描かれているため、全体としてまとまりのある、思わず手に取りたくなるチラシです。
やわらかなタッチの線で着物美人を描いてアイキャッチにした、シンプルなチラシ。
キャッチコピーや本文など、文章要素はもう少し練ることができそうではありますが、墨一色をピンクの紙に印刷している点も、数あるチラシの中で目立たせる効果を高めています。
文字も個性のあるやわらかい印象のもので、イラストに描かれた着物美人のなよやかさを強調し、和装の世界観を作り上げています。
こちらも墨一色で紙の色が白でないもの。音楽イベントのチラシで、それぞれの文字の大きさのメリハリと、アイキャッチとなるイラストの大きさバランスを参考にしたいです。
手書きではつい「書き慣れた文字の大きさ」で書いてしまいがちですが、見せたい情報は思い切って大きくし、必要情報は箇条書きで読みやすさを優先するなどの配慮をするだけでも、すっきりしつつパッと見のインパクトを与えられます。
イラストひとつで潔い存在感のあるチラシ。
ターゲットなどもう少し練ることができそうではありますが、イラストも文字も筆タッチで描かれていて、堂々とした力強さを感じます。
筆文字はこのように無骨な和の男前イメージを表現するため、キャッチコピーに大きく使うだけでもインパクトがあります。
もちろん、習字のお手本のような流麗な文字である必要はありません。
すべての手書きチラシに共通して言えることですが、「これはへたうま文字だ!!」と堂々と個性を主張することが大切です。
とはいえ、可読性にどうしても心配がある場合は、第三者に見てもらい客観的な判断をしてもらいましょう。
1-2. つい読み込んでしまうタイプ
こちらはチラシではなく新聞広告ですが、手書きの力をストレートに活用したシンプルな作り。
よく見ると紙の四隅に影ができていて、時間経過で色あせたような演出がされているものの、内容そのものはとてもシンプルです。イラストも必要最低限の線だけで丁寧に描かれています。
余白が多く、一文の横幅が短いことも読み手のハードルを下げさせていて、「これくらいならちょっと読んでみようかな」と思わせます。
手書きであまりに列や行が長すぎると読みにくさが倍増するため、参考にしたいものです。
こちらは顧客や来店者向けのニュースレターと思われます。店で扱っているもの、商材への深い愛情が感じられます。
だれかの手で丁寧に扱われてきた道具たちを、その暮らし・温もりごと伝えようとしていて、ひとつひとつ丁寧に描かれたイラストと文章を、見る側もひとつひとつ丁寧に読みたくなります。
このニュースレター用のキャラクターと思われるクマの独り言も楽しい、とっておきたくなるチラシです。
描き込まれた絵の吸引力がものすごいオールカラー手書き。絵が描ける方はぜひその画力を生かして挑戦してみてください。
イラストすべてが力強いアイキャッチとなっているため目に止まります。
それぞれの推しメニューへのコメントや店舗情報、他のメニューなども丁寧に手書きされていて、時間をかけてでもすべて読み込みたくなる、捨てるのも惜しい完成度の高いチラシです。
こちらは「パッと目を引く」と「読み込んでしまう」の両方を備えたとても秀逸なチラシです。
文字数が少ないので、パッと見た瞬間に文章の意味が入ってきて、一文ごとに納得や共感をしながら次の文章も読み進み、結局最後まで読み切ってしまう…という仕組みがしっかりとできています。
「お土産」をもらう側とあげる側の個人的な感想がメインとなっているので、まさに手書きで書くのにぴったりな内容であることも重要です。
手書きチラシは読み手に「敷居を下げさせる」という性質を持っていますが、このチラシは「難しくなさそう」「時間がかからなそう」と、まさに一目で読み手のハードルを下げさせています。
説得型のチラシを初めて作る方は、ぜひお手本にしたい一枚です。
手書きでない文章も程よくあるのですが、地図を含めて手書きの分量が多いため、全体として「手書き」の印象を残します。
何かを制作するワークショップの案内は、自分で「手を動かして作る」ことから手書きとの相性が良いものです。
グリーンと黒という珍しい色の組み合わせも目を引きます。日本茶の清々しさをうまく表現したトーンのグリーンを使用していたり、枠線が太い線と細い線を合わせた手書きだったり、とてもバランス感覚に優れた方の手によるものなのでしょう。すっきりとしたセンスの良い仕上がりになっています。
ある程度の文字量があるのですが、タイトルをつけて情報を小分けするなど、読みやすくする工夫がされているためすっきりしています。
すべて手書きの中に切り抜いた写真を使うことで、そこに「良い異質さ」を生み出し、自然と目が行くようになっています。写真の切り抜きも、おそらくはハサミを使い実際的に手で行っているのでしょう。
カフェやレストランの手書きメニューにも見られますが、食べ物と手書きチラシはともに「人が手作りしている」ことから、とても親和性があります。
飲食に続いて手書きチラシと親和性の高いのが、エステや各種治療院など「相手に手で触れる」業種です。
こちらはまつげエクステの施術者による自己紹介チラシ。
はっきりとした区切りをつける線などはありませんが、大きなイラストが3ヶ所に描かれていて、その周りでそれぞれのイラストに関連するような文章が書かれています。
リボンなどの囲み装飾を使って目線を誘導させ、自己紹介するにあたっての必要な要素をふんだんに盛り込んでいます。装飾や強調線を減らせば、さらにすっきり読みやすくなるでしょう。
2. 手書きチラシに書くべき要素とレイアウト例
手書きでもそうでなくても、新規集客や販促のためのチラシには以下の5つの要素が必要です。
■キャッチコピー
共感や気づきを与え、興味を引きます。
■商品・サービス情報
商品やサービスがどんなものか、どのようにできたか、使ってほしい理由などを伝えます。
■メリット
商品やサービスの効果を伝えます。
■ベネフィット
その効果によるうれしいことを伝えます。
■詳細情報・問合せ先
読みやすく、正確に、間違いなく。
これらの要素をすべて文字だけで組むこともできますし、イラストや写真を使ってより目を引くものにすることもできます。
1章でご紹介した具体的なデザインを元に、実際にそれぞれの手書きチラシのレイアウト要素を書き出し、意図や仕組みを解説していきましょう。
なお、レイアウト要素内の黄色がけ部分は、すべてイラストや写真などのビジュアル要素を表しています。
2-1. ハロウィンのスイーツプレゼント案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
キャッチコピーのほとんどが一般名詞ですが、そのすぐ下にメリットを大きめの文字で書くことで、セットで目に入るようになっています。
ここでは「HALLOWEEN」というのが「(主に子どもが)お菓子をもらえるイベント」と認知されていることを前提とし、一般名詞をキャッチコピーにしているようです。
「HALLOWEEN」の文字と「ケーキ」「プリン」「サービス」という、パッと見て意味のわかる簡単な文字が一気に視界に入ってくることで、期待を高め、次に読み進める工夫がされています。
いくつもの主役級のイラストが大きく書かれた、賑やかなチラシです。
2-2. 蚤の市イベントの案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
細かいイラストで文字要素を囲んでいる形です。
イベントの内容そのものが、大きくて派手な主役がいるわけではない、日常という身の丈の暮らしをテーマにしていることが伺えます。
会場の地図など詳細情報がないので、おそらくは両面チラシの表面なのでしょう。
出店者の紹介や開催時間、雨天の場合や問い合わせ先などの必要情報は、裏面にあると思われます。
イベント名で大体の内容は想起できますが、イベント情報とイベント名がほとんど重複しているため、より多くの集客を狙うのであればキャッチコピーがひとつあると、さらに強力なチラシになりそうです。
2-3. 縁日の案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
上半分がほぼイラスト要素で占められています。
しかし文字もすべてイラストと同じタッチの手書きなので、実際よりもイラストのボリュームを多く感じます。
イラストのボリュームが多いというのは、それだけ相手が「読むのに抵抗を感じない」ということ。実際のボリュームよりもイラストが多く感じさせられると、それだけ「読んでもいいかな」と思わせることができます。
全体をゆらゆらと揺れる赤い線で囲んでいるのも、手書き感を高めています。この後にも同様の例がたくさん出てきますが、手書きで枠線を引くだけでも、ぐっと全体に手書き感が強調されます。
2-4. 着付け教室の案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
中央にイラストを配置し、すっきりと必要情報をシンプルに書いています。
初めて手書きチラシを書く人も、気負いなく取り掛かることのできるレイアウトです。
問い合わせ先の電話番号や開催場所などの情報がないので、おそらくはこちらも両面チラシの表面なのでしょう。
片面だけで済ませる場合は、開催場所の地図とともに、教室名と問い合わせ先を下部に配置すると、すっきりと落ち着いたレイアウトになります。
受講生の声などを入れるとより説得型のチラシにはなりますが、今回はこの潔いシンプルさが内容に合っていて好ましい印象を与えます。
2-5. 音楽イベントの案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
キャッチコピーの代わりにイベント名が大きく掲げられており、会場についても文字要素だけで済ませているため、そのイベント名や出演者名だけで何事かを理解できる、内輪向けのチラシと言えるでしょう。
大きく配されたコックさんのイラストに、紙色もこんがりとしたきつね色を選んでいるため、知らない人が見たら食べ物系のイベントと思いますが、とにかく目立ちます。
絵のレイアウトの大胆さ、力の抜け加減のほか、出演者名の手書きフォントの豊富さなどを参考にしたいです。
2-6. 甘酒の商品案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
キャッチコピーとイラストを大きく配し、商品のおすすめポイントなどはすべて吹き出しにして商品を囲んでいます。吹き出しは手書きチラシにおいてとても相性のいいツールで、商品に対する書き手の個人的な感想や推しポイントなどを伝える際に使えます。
手書きチラシでは、PCで制作したものよりも「チラシの向こうに人がいる」ことがまず伝えられるので、この吹き出しの演出はとても有効です。
2-7. 万年筆の広告
【レイアウト要素】
【実際の画像】
余白がとても大きく取られ、最初から「読ませる」ことを目的としたものです。
一文の横幅を短くまとめ、段落も区切ることで、「長文を読まされる」感覚をなくしています。
新聞広告なので、実際の文字の大きさはとても大きなものだと思われますが、ターゲットに合わせてこうした文字の大きさにも配慮したいものです。
小さな手書き文字で書かれた長い文章は、威圧感と面倒くささを感じさせるため、できるだけ一文を短く、端的に表現することも念頭に置いておきましょう。
2-8. 骨董品店のニュースレター
【レイアウト要素】
【実際の画像】
ニュースレターのロゴや小見出しがとても効いています。
小さく丁寧に彩色された道具のイラストがいくつも散りばめられていますが、よく見ると道具の半分くらいの数でこの店オリジナルの「キャラクター」が登場し、それぞれの場所で好きなことをつぶやいています。
本文だけでなく、こうした吹き出しに書かれた小さな文字情報も、商品について伝えるのに非常に有効です。
継続的にチラシを作成する場合、自分や商品の気持ちを代弁するこんなキャラクターを作ると、情報の幅が広がるだけでなく、ネタも湧いてくるのでぜひ取り入れたいものです。
2-9. 焼き鳥店の案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
キャッチコピーがありません。
しかし描き込まれた絵の吸引力が高いため、とにかく目を引きます。
推しメニューのそばに書かれた手書きのコメントも、ひとつひとつじっくりと目を通してしまいます。
手書きながら直線がきっちりとまっすぐ引かれているものが多いため、イラストが多くてもごちゃついた印象を与えないのも好印象です。
2-10. 和菓子店のお土産の案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
チラシ作りのお手本のような流れのレイアウト要素です。
- キャッチコピーで気づきを与える
- 商品情報の反対要素で共感させる
- 箇条書きで商品のメリットを伝えて
- さらにその商品を使用した際のベネフィットを伝える
- 流れの外で「お客様の声」を盛り込み、ベネフィットを別の角度からも伝えています。
チラシ作りそのものが初めてという方は、ぜひお手本にして欲しいレイアウト要素です。
意外とイラストの分量は少なく、文字そのものがビジュアル要素となっていることがわかります。
2-11. 日本茶喫茶のワークショップ案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
伝えるべき情報が複数ある(イベント開催情報と、その中で行われるワークショップ情報)場合、書き出す前に要素分解すると、順番や配置場所が整理されるでしょう。
イラスト要素は意外と少ないことが分かりますが、手書きした太い線と細い線の組み合わせによる枠線と、大きく書かれた手書き文字のおかげで、全体が手書きされているような印象を与えつつ、読みやすさを備えています。
2-12. みそ工房の商品案内
【レイアウト要素】
【実際の画像】
情報を小分けにし、小見出しをつけて読みやすくしています。食べ物の場合は特に、「おいしそうに描く」ことに自信がなければ、写真を使うのも手です。
人物も、無理して似顔絵を描く必要はありません。
本文として書かれた真ん中の3つのパートは、文章量が異なるもののパッと見の大きさを揃えています。
「どこにどれくらいのボリュームで何を書くか」を決め、写真やイラストについてもあらかじめ位置と大きさを決め、文字要素をすべて書き終えてから、見やすさを保ちつつ強調のために色付けをしているという丁寧な制作過程が伺えます。
2-13. まつげエクステの施術者の自己紹介
【レイアウト要素】
【実際の画像】
自己紹介要素として、経歴だけでなく近況を盛り込んでいることで好感度をあげています。
手書きチラシは「人となり」を伝えるのに適しているため、ぜひ自己紹介やスタッフ紹介でマネしたい形です。
強調線や装飾などは、最初のうちはできるだけポイントや色味を絞って行うと、すっきりとして見やすくなるでしょう。
3. 失敗しない!手書きチラシの作り方3ステップ
作りたい手書きチラシのイメージが固まり、伝えたいことを整理したら、実際に手を動かして書いてみましょう。
先の章でもお伝えしましたが、手書きチラシに盛り込むべき基本の要素は以下の5つです。
■キャッチコピー
共感や気づきを与え、興味を引きます。
■商品・サービス情報
商品やサービスがどんなものか、どのようにできたか、使ってほしい理由などを伝えます。
■メリット
商品やサービスの効果を伝えます。
■ベネフィット
その効果によるうれしいことを伝えます。
■詳細情報・問合せ先
読みやすく、正確に、間違いなく。
手書きチラシでは、これらの要素にさらに「人間味」を伝えることを意識しながら作ると良いでしょう。
それでは、さっそく手書きチラシの作成手順を3ステップでお伝えしていきます!
ここでは「新規開業した歯科医の集客チラシ」を仮に設定し、実際の制作過程を見ていきましょう。
用意するもの:
コピー用紙2〜3枚
シャーペン
消しゴム
書きやすいペン(太字・中字・細字、筆ペンなど複数種類あると便利)
修正ペン
彩色する場合はカラーペンや色鉛筆など
今回は、先ほど紹介したこちらの「説得型チラシのお手本のような」和菓子店のお土産の案内を参考にベースを作ります。
3-1. 書く内容とだいたいの位置を決める
前出した和菓子店のレイアウト要素を参考に、まずは手書きチラシに必要な要素を盛り込んだ「型」を決めます。
型を決めておくと、今後また手書きチラシを作成する際に作りやすく、枚数を重ねるごとに読み手のとっても「あ、いつものだ」と親しみが湧き、認識しやすくなります。
この流れに則って、「新規開業した歯科医の集客チラシ」で伝えたいことを、各枠組みの中に箇条書きします。
鉛筆書きしていますが、ここはペン書きでもかまいません。
それぞれの項目で必要なこと、伝えたいことを漏れなく書き込みます。
この上に白紙を乗せて、透かしながら実際のチラシを制作していきます。
3-2. 下から順番に文字要素を書く
(ペン書きしていますが、慣れないうちは鉛筆書きで仮作成し、ペンで清書しても良いでしょう。)
手書きチラシを制作する際は、下から書いていきます。
店舗情報など、より正確さを求められるものには、相応のスペースを取る必要があるからです。
上から順に書いていったら店舗情報を書く場所がなくなった…!となってしまうと、手書きの場合修正に非常に手間がかかります。
最下部の「その他詳細情報」と「店舗情報」は、何よりも見やすさが必要なので、手書きではありますが定規を使って枠線を引いています。
ほかの要素については、枠線などはこの段階では引きません。
3ステップの最後の段階で、全体のバランスを見ながら枠線や吹き出し、飾りなどをつけます。
手書きチラシでも、大切なのはあくまでも「書かれている内容」なので、先に枠組みを作ってからその中に文章を書き込む手順では、余白が足りず、伝えたいことが書ききれなくなる場合があるからです。
後から装飾することを想定し、充分に余白を取りながら書き進めていきましょう。
ここでは、メリットとベネフィットがそれぞれ3つずつあったので、より見やすくするためにそれぞれを3つのスペースに分けて内容を書いています。
文字要素と必要なイラスト要素だけを書きあげたものがこちらです。
3-3. 強調したいところを装飾する
必要な要素がすべて書けたら、強調したいところを装飾したり、色付けしたりします。
第一章でもお伝えしましたが、手書きで外枠をぐるっと囲むだけでも手書き感が増し、注目度が高まります。
少し凝りたい場合は、以下のように黒板やノートなど、何かに「見立てて」チラシのフレームを作ってしまうのも、楽しい仕上がりになるでしょう。
周年記念や新装開店など、お祝い気分を演出したい場合はガーラントなどで装飾すると盛り上がります。
また、タイトルや小見出しに装飾をすると、目を引いたり目線を誘導したりすることができます。
和風な見出しにしたい場合は、次のような例を参考にするといいでしょう。
吹き出しの形も、内容によってより雰囲気の出るものがあるので、使い分けなどしても良いでしょう。
これらを参考に、装飾をしたものがこちらです。
これは黒の一色刷りをイメージしているため、彩色はしていません。
強調箇所に赤の下線を引いたものがこちら。
たったこれだけの色味でも、だいぶ印象が強くなります。
フルカラー印刷を前提としてイラストなどにも色付けすると、こうなります。
だいぶ賑やかになりました。
これで、世界にただひとつの手書きチラシの完成です!
【覚えておきたい!印刷費の基本】
使う色の数によって、印刷費は変わってきます。
コンビニや自宅プリンターで少数枚だけ出力をする場合は関係ありませんが、ポスティングなどである程度の枚数を印刷する場合は、印刷会社に依頼した方がいいでしょう。
発注時に思いがけない出費を生まないよう、色数と印刷費の関係についてお伝えしておきましょう。
印刷は通常、以下の4色すべて、またはそのうちのいくつかを混ぜ合わせることですべての色を表現しています。
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
使う色味が多ければ、印刷は「フルカラー印刷」となるため、それだけ金額がかかります。
印刷費を抑えたい場合は、通常「1色刷り」を指定します。
黒ペンで書いたチラシをそのままブラックで印刷することはもとより、別の色(シアンやマゼンタ)などに変換して出力することもできます。
ただし、注意したいのは上記4色のどれかの色以外で1色刷りをする場合。
例えば紺色ペンだけで書いたチラシをそのままの色味で印刷するには、シアンとマゼンタを混ぜて紺色を作るため、実際には2色の色を使っていることになり、1色刷りよりも費用がかさむのです。
なお、黒ペンに赤の強調線を入れたものは、マゼンタとブラックの2色刷りでできます。
まとめ
チラシを手書きしたい!という方のために、参考にしたい手書きチラシの実例を、解説付きでご紹介しました。
ここで挙げた例以外にも、ご自身が「ステキだな」と思える手書きチラシを集めてみましょう。
チラシ以外にも、店頭のPOPやカフェの看板など、参考になる例はたくさんあります。
伝わる手書きチラシへの近道は、とにかく「まずは書いてみること」!
読み手の顔をイメージして、あなた自身の言葉で、商品やサービスについて想いを込めて書いてください。
あなたの書いた手書きチラシがたくさんの人の目に止まり、商品やサービスの良さが心に届くことを願っています。