各家庭に設置されたポストへとチラシなどの投函を行うポスティング。多くの人にチラシを手に取ってもらえるため、高い宣伝効果が期待できる手法です。
店舗の新規開店セールやイベントの告知、地域の広報紙の配布など、幅広い用途に活用できます。しかし、ポスティングはメリットばかりではありません。
当然、デメリットが存在します。「さっそくチラシを作成して、ポスティングの依頼をしてみよう」とお考えになり、実際に行動に移す前に、ポスティングのデメリットとなる部分を把握し、その対処法や 解決方法を知っておくことで、より効果的な運用が可能になるのです。
今回の記事では、以下の内容について解説。
- ポスティングのデメリット5選
- ポスティングのデメリットの解消法
- ポスティングには多くのメリットがある
ポスティングのデメリット・メリットとなる部分を把握しましょう。
1. ポスティングのデメリット5選
ポスティングを行う上で、デメリットとなる点を5つ紹介します。
- 1日の配布枚数に限りがある
- 配布状況を把握しにくい
- 同業他社のチラシと混合する場合がある
- 配布時に天候の影響を受けやすい
- クレームの原因になる可能性がある
広範囲の各家庭へ個別に配布できるというポスティングのメリットは、このようなデメリットと隣り合わせなのです。
1-1. 1日の配布枚数に限りがある
ポスティングは専門の配布スタッフの手により、車やバイク、徒歩などで各家庭のポストへと投函されます。一枚一枚手作業で行われるため、1日に配布できる枚数には限りがあるのです。
これは、人口の多い都心部の場合と、地方都市とでも異なります。一度に多くの配布を実現しやすい都心部と比べて、各家庭間の感覚が広く、移動に車やバイクを利用する場合、一度に多くの枚数を配布するのには限界が生じてしまうのです。
1-2. 配布状況を把握しにくい
DM(ダイレクトメール)とは異なり、ターゲットとなるユーザーに対し、チラシが確実に配布されているかを確認しづらいのも、ポスティングのデメリットといえます。
自分たちの手でポスティングを実施しない場合、多くは専門の会社に配布を依頼しますが、確実に配られているかを把握するのは困難といえます。
ポスティングを依頼する会社によっては、実際に配布を行わなかったり、配布担当のスタッフが予定数を投函しなかったりというトラブルが発生することも、可能性として考えられるのです。
1-3. 同業他社のチラシと混合する場合がある
ポスティングを依頼した会社によっては、同じ日に他社のチラシと一緒に投函を実施する場合があります。
自社のチラシ一枚だけ投函されるよりもインパクトが落ちてしまうことは避けられません。また、同業他社と同じ日にチラシが投函された場合、ユーザーへの訴求を分散させる結果にもなってしまいます。これでは、ユーザーの目に止まりやすいポスティングのメリットを活かせません。
1-4. 配布時に天候の影響を受けやすい
ポスティングは手作業でポスト投函を行うため、天候の影響を受けやすい点がデメリットといえます。
雨天の場合はチラシの投函時に濡れてしまう場合があり、受け取ったユーザーに悪い印象を与えてしまう恐れがあるからです。また、天候の優れない日はポスティング作業が行われない場合もあります。セールやイベントなど、事前の告知が必要な場合は予定の期間内にポスティングが実施できない可能性もあるのです。
1-5. クレームの原因になる可能性がある
ポスティングは多くの家庭に投函されるため、必然的にクレームの原因になる可能性があります。
「興味のないチラシが投函されていた」、「ポストへチラシが無造作に入れられていた」など、どのようなきっかけでクレームになるかはわかりません。
ポスティングは立地条件から年齢層などある程度のターゲット層を絞り込めるものの、多くの家庭のポストに投函するため、予想外のトラブルが発生する可能性はゼロにはできないのです。場合によっては、ユーザーから直接クレームをもらう場合も考えられます。
2. ポスティングのデメリットの解消法
「やっぱりポスティングを依頼するのはやめようかな……」とお考えの場合は、デメリットに対する対処法を合わせて確認することで、トラブルを回避して高い販促効果を発揮できる点を把握しておくのがおすすめです。
- 目的に即した適切な配布方法を選ぶ
- 配布後の報告がもらえる会社に依頼する
- 一度の配布で自社・自店舗のみのチラシを依頼する
- 雨の日の配布をしない会社を選ぶ
- クレーム対応してくれる会社を選ぶ
上記の5つのポイントを踏まえて、ポスティングのデメリットを解消していきましょう。
2-1. 目的に即した適切な配布方法を選ぶ
ポスティングを効果的に実施するためには、目的に合わせた適切な配布方法を選択することが大切です。以下に、状況別に適切なポスティング方法を記載します。
・地域全体に訴求する場合
地元密着型の事業を展開している場合、地域全体にくまなくチラシを配布できるポスティングが効果的です。
・ターゲットを絞ったチラシ
若年層向けのサービスを展開している場合、地域性などからターゲットを絞り込んだポスティングが効果的です。折込チラシの場合、若年層の家庭では新聞を契約していない場合が多く、チラシを届けることが難しいからです。
・公共の配布物
電気やガス、広報紙など、公共の配布物は、地域の全世帯に配布できるポスティングの利用が効果的といえます。各家庭のポストに直接投函できるポスティングの長所を活かし、展開する事業の性質に合わせた配布を実施する会社に依頼するのがおすすめです。
2-2. 配布後の報告がもらえる会社に依頼する
ポスティングのデメリットとして、実際に配布されたかを確認しづらい点を挙げましたが、依頼する会社によっては配布後の報告を受けられます。
ポスティング会社によっては、配達員の一人ひとりにGPS端末を携帯させ、何日の何時頃に指定の地域でチラシの投函を行なったかを把握しています。また、ポスティングの実施内容を報告書として書面で提出してもらえる場合もあり、確実に配布が行われたことを確認できるのです。
このように、ポスティングの実態をきちんと把握している会社に依頼することで、配布状況を確認しづらいというデメリットを払拭可能です。
2-3. 一度の配布で自社・自店舗のみのチラシを依頼する
ポスティングの依頼は、一度に一社分のチラシのみを配布する会社へ依頼するのがポイントです。それにより、同じ日に同業他社のチラシと混在してしまうデメリットを避けられます。
依頼時の費用が割高になる場合がありますが、単独での配布に対応している会社に依頼することで、より高い効果を発揮できるといえます。
2-4. 雨の日の配布をしない会社を選ぶ
ポスティングが天候の影響を受けやすいのは前述の通りですが、雨の日の配布を行わない会社へ依頼することで、このデメリットを回避できます。
依頼時には、悪天候時の配布を禁止し、気象情報を予測して予備日を多めにとるなどリスクマネジメントを行なっている会社かどうかを確認しましょう。しかし、季節によっては雨が続く場合があるため、きちんと対策をした上でポスティングを実施できるかも要チェックです。
- チラシをビニールに包み、濡れないようにする。
- ポストの容量が多い場合は投函を控える。
など、雨天時の細かいルールが定められていることが重要です。
2-5. クレーム対応してくれる会社を選ぶ
投函したチラシがトラブルの元となり、直接クレームが入る可能性はゼロではありません。
そのため、ユーザーからのクレームに対し、きちんと対処してくれる会社を選ぶことで、ポスティングのデメリットを回避できます。
- 配布禁止のマンションなどに投函しない。
- 夜間の投函を避け昼間に限定して行う。
- 過去にクレームが入った家庭への投函を避ける。
など、クレーム回避のためのマニュアルが存在している会社ならば安心です。また、実際にクレームが発生した場合も、依頼主である自社や自店舗ではなく、ポスティング会社側で対応してもらえることも重要。
自身でポスティングをしていないので状況がわからず、一方的にクレームを受けるわけですから、対処することは困難といえます。そのため、あらゆる状況に柔軟に対応でき、ユーザーからの悪い印象を払拭してくれるよう、事前に確認しておきましょう。
3. ポスティングには多くのメリットがある
ポスティングにおけるデメリットの多くには、対処法が存在することがわかりました。むしろ、メリット面にこそ目を向けるべきでしょう。ポスティングを行うメリットには、以下の5つがあります。
- DMや折込チラシと比較しても安価に実施できる
- チラシを一度は手に取ってもらいやすい
- 新聞をとっていない家庭にも届けられる
- ターゲットを絞った配布が可能
- チラシ以外の配布にも対応
順番に確認していきましょう。
3-1. DMや折込チラシと比較しても安価に実施できる
ポスティングのメリットは、ダイレクトメールや新聞の折込チラシと比較して、依頼時の費用を抑えられる点です。
チラシの作成費用と分けて考える場合、ポスティングは比較的安価に配布できる手段といえます。以下は、ポスティングとダイレクトメール、新聞の折込チラシの費用を比較したものです。
・ポスティングの費用の相場
首都圏エリアの場合:チラシ1枚5〜9円ほど
(配布物のサイズや配布地域、配布枚数、配布の方法、配布する期間、ターゲットの選定などにより費用は変化)
・ダイレクトメールの費用の相場
ハガキサイズ発送1万通の場合:1通当たり約55円〜
封書発送1万通の場合:1通当たり約65円〜
(ダイレクトメールのサイズや枚数により費用は変化)
・新聞の折込チラシ
首都圏エリアの場合:チラシ1枚3〜5円ほど
(チラシのサイズや配布地域、配布の枚数、配布する期間などによって費用は変化)
配布の枚数や地域など条件によりますが、新聞の折込チラシとほぼ同等の費用です。後述しますが、ポスティングの場合は、「チラシを一度果てに取ってもらいやすい」「新聞をとっていない家庭にも配布できる」というメリットがあります。
3-2. チラシを一度は手に取ってもらいやすい
ポスティングされたチラシはポストから回収する際に、必ず一度はユーザーの手に取ってもらえるという特性を持ちます。自社・自店舗のチラシが単独で投函されていた場合、目に入った際のインパクトは必然的に大きくなるのです。
また、ポスティングのチラシはセールやイベントなど日時が決まっている内容への迅速な訴求だけではなく、長期間にわたって効果が続く場合があります。
季節の影響を受けない商品やサービスを紹介したチラシの場合、「後から役にたつかもしれない」と、保管される可能性があります。テレビCMやWEB上の広告は即効性は高いものの、「早く忘れられてしまいやすい」「タイミングが会わなければ見逃されてしまう」などのデメリットがあります。
3-3. 新聞をとっていない家庭にも届けられる
近年はインターネットの普及により、手軽に情報を入手できるようになりました。核家族化が進み、若年層で構成された家庭では新聞を取っていないというケースが増えています。そのため、新聞の折込チラシでは訴求できないターゲット層に対し、ポスティングによるアピールが可能です。
新聞を取っている家庭の住人は高齢の場合が多く、若者向けの商品・サービスの場合は、ポスティングを行うほうが効果的に訴求できるでしょう。ポスティング会社によっては振興住宅地やマンションなど、比較的若い世代が住んでいる可能性が高いエリアを絞り込めるため、ターゲットを絞ったチラシの投函が可能です。
3-4. ターゲットを絞った配布が可能
ポスティングの際に設定できるターゲット層は、年齢だけではありません。地域性からユーザー層を選定し、目的に合わせたポスティングを実施できます。例えば、車の販売を行う会社のチラシの場合、交通網が発達している都心部よりも、郊外に住むユーザーへ届けたほうが、反響が大きいでしょう。
住宅の販売の場合も、家族連れが多く住む地域よりも単身者が多い地域にポスティングしたほうが、興味を持ってらもいやすくなるのです。
ターゲットを絞ったポスティングは費用が高くなる場合が多くありますが、広範囲へ無作為に配布するよりも効果的な場合が多々あります。
3-5. チラシ以外の配布にも対応
ポスティングで配布できるものはチラシだけに限りません。カタログなどの小冊子や試供品など、ポスト投函できるサイズならば配布が可能です。
チラシよりも多い情報量、実際に使ってもらうことで将来的なユーザー候補になってもらえるなど、チラシよりもコストはかかりますが、効果的な販促方法となります。また、新聞の折込チラシでは実現できないサイズであっても、ダイレクトメールより安価に配布できる点がメリットといえます。
ポスティングのメリットについては、「ポスティングのメリットとデメリット|利用すべき人を徹底解説!」の記事にて詳しく解説しています。
まとめ
ポスティングのデメリットは以下の通りでした。
- 1日の配布枚数に限りがある
- 配布状況を把握しにくい
- 同業他社のチラシと混合する場合がある
- 配布時に天候の影響を受けやすい
- クレームの原因になる可能性がある
しかし、デメリット面は信頼のできる会社への依頼で解消できることもお分りいただけたと思います。下記のようなメリット面が多くある点も、合わせて把握することで、ポスティングを実施する際の検討材 料にしてみてください。
- DMや折込チラシと比較しても安価に実施できる
- チラシを一度は手に取ってもらいやすい
- 新聞をとっていない家庭にも届けられる
- ターゲットを絞った配布が可能
- チラシ以外の配布にも対応
ポスティングには、費用面やターゲットの選定など、ダイレクトメールや折込チラシにはない強みがあります。これらのメリットを活かし、自社・自店舗の販促を効果的に実施していきましょう。