「折込チラシで集客をしようと考えている。その折込チラシの効果がどのくらいあるか正しく測定したいがどうすれば良いのだろうか」と思っていませんか?
折込チラシの利用に宣伝費を費やしても、効果を正確に把握することができなければ、費用対効果を検証することもできません。この意味でも効果の測定は、折込チラシを利用する上で欠かせません。
そこでこの記事では、折込チラシの効果を正しく測定するうえで基本となる2つのステップを解説します。
この2つのステップを実践すれば、誰でも簡単に、折込チラシの正確な効果測定を行うことができます。
さらに今回は、2つの基本的なステップを踏まえた上で、より実践的な折込チラシの効果測定を行うための4つのコツを紹介します。
これを踏まえて効果測定を行えば、チラシの効果を明確にするだけでなく、売り上げや集客のアップに繋がる、より効果的な折込チラシの利用を実現することができます。
これから折込チラシの利用を考えている方に、この記事がお役に立てれば幸いです。
目次
1. 正しい効果測定を行うための2つのステップ
折込チラシの正しい効果測定を行ううえで、まず重要なのは正しい「反響数」を把握することです。
「反響数」とは、折込チラシに対して、具体的に反響があった件数のことです。この件数を正しくカウントし、チラシの反響数を正確に集計することが第1のステップです。
第2のステップでは反響数の数値を元に「反響率」を算出します。
「反響率」とは、配布した折込チラシの枚数に対して、反響があった件数を比率として示した数値です。この反響率を把握することによって、そのチラシの効果を初めて具体的な数値として可視化できるようになります。
「反響数」と「反響率」は折込チラシの効果測定を行う上で基本となる、最も重要な数値です。
この2つの数値を求めることによって、チラシの効果を正しく計測することができます。では2つの基本ステップを順に説明します。
1-1. 【第1ステップ】「反響数」を把握する仕組みを作る
「反響数」を把握するためには、折込チラシの反響を計測するための仕組みを、配布するチラシにあらかじめ組み込んでおく必要があります。
「反響数」は配布した特定のチラシによって直接反響のあった具体的な新規顧客や、問い合わせ件数によってカウントされます。
そのため、来店や問い合わせが、そのチラシを見たことによるものであるということを確実に把握しなくてはいけません。
チラシからの反響数を正しく測定するためには、主に以下に示す4つの方法があります。
- チラシにクーポンを組み込む
- QRコードを利用する
- 専用フリーダイヤルを印刷する
- アンケートを利用する
商品やサービスによって、またターゲットとする客層の違いによって、適切な方法を選ぶ必要があります。
それではそれぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
1-1-1. チラシにクーポンを組み込む
反響数を把握するための最も簡単でポピュラーな方法は、チラシにクーポンを組み込むことです。
折込チラシの一部にクーポンを印刷しておけば、お客様は商品の購入やサービスを利用するために、そのクーポンを持って来店することになります。その際、回収したクーポンは全てチラシの反響を直接示すものとなります。
この意味でクーポンの回収は、チラシの反響数を把握する上で、もっとも確実で精度の高い方法の一つと言えます。
例えば美容室の宣伝に新聞折込チラシを利用する場合、配布するチラシの端に、あらかじめ下のような10%オフのクーポンを印刷しておきます。このクーポンを持参して来店される方の人数が、配布したチラシの反響数を示す数値です。クーポンを利用したお客様が10名いれば、反響数は10件ということになります。
1-1-2. QRコードを利用する
折込チラシにQRコードを印刷する方法も、チラシの効果測定を行う上で一般的です。
例えば印刷するQRコードにそのチラシだけのURLを組み込み込んでおきます。配布した後でそのURLへのアクセス数を調べれば、それがチラシの反響数を示す数値になります。
QRコードは、紙の折込チラシから自社のウェブサイトへ誘導する上で大変便利なツールです。
自社サイトのリンクを組み込んだQRコードをチラシに印刷すれば、商品やサービスの紹介だけでなく、会員登録の勧誘や地図の表示など、さまざまな情報を伝えることができます。
このような利用と併せて、リンクへのアクセス数を計測することで、チラシからの反響数を計測する手段としても利用することができます。
QRコードは、インターネット上で利用できるQRコード作成ツールを使えば、無料で簡単に作成することができるため、コストもかかりません。
一方で、スマートフォンをあまり利用しない高齢者などには不向きな方法であるため、チラシに掲載する商品やサービスによって、使い分ける必要があるでしょう。
1-1-3. 専用フリーダイヤルを印刷する
電話での問い合わせや予約を見込む場合は、専用のフリーダイヤルを利用するのも有効です。
あらかじめフリーダイヤルを取得し、商品やサービスの問い合わせ先や購入窓口として、その番号を折込チラシに印刷しておきます。
このような準備をすることで、チラシを配布したあと、フリーダイヤルにかかってくる電話は全てチラシの反響としてカウントすることができます。
フリーダイヤルは電話料金はかからないため、ユーザーにとっても負担の少ない計測方法といえるでしょう。
幅広い層に有効な方法であり、特にターゲットが高齢者の場合は有効な方法と言えます。
1-1-4. アンケートを利用する
来店時や商品購入時にアンケートを実施し、反響数を確認する方法もあります。
アンケートは購入者の登録や、申し込みフォームへの入力などが必要なサービスの場合、実施しやすい方法と言えます。
例えばアンケートの中に、購入や来店のきっかけについて確認する項目を作り、選択肢の中に「チラシを見て」などと記載しておけば、チラシを見た方はチェックを入れてくれます。これを集計して反響数を把握します。
アンケートはチラシの効果測定だけでなく、さまざまな顧客情報を得ることができるため、顧客分析を行う上でもたいへん有効な手段と言えます。
一方でクーポンやQRコードのように、チラシに直接組み込む方法ではなく、反響数のカウントも顧客の返答に頼ることになるため、効果測定としては他の方法に比べて正確さに欠けるという問題もあります。
1-2. 【第2ステップ】「反響率」を計算する
ここからは折込チラシの「反響率」を算出するための手順を見ていきましょう。
「反響率」は以下の計算式で導き出すことができます。
反響数 ÷ 配布したチラシの枚数 × 100 = 反響率(%)
例えばチラシに印刷したクーポンを店舗で提示した件数が10件あり、配布したチラシの枚数が10000枚であれば、計算は以下のようになります。
10 ÷ 10000×100=0.1(%)
この場合、反響率は0.1%です。計算式はとても単純ですが、この計算は折込チラシの効果を測定する上で、欠かせません。
第1のステップで計測した「反響数」は、あくまでも顧客からのレスポンスの件数にすぎません。
同じ反響数でも、配布したチラシの枚数によって、チラシの実質的な効果は大きく変わってきます。
例えば反響数が同じ10件であったとしても、配布したチラシの枚数が50000枚配布した場合、反響率は以下のようになります。
10 ÷ 50000×100=0.02(%)
同じ反響数でも、配布チラシが10000枚の場合と、50000枚の場合とでは、反響率では5倍の差となって表れます。
配布する枚数に関わらず、チラシの効果を客観的な数値として可視化する「反響率」は、チラシの効果を直接に示す数値として利用されています。
【折込チラシの適正な反響率とは】
折込チラシの反響率は、どのくらいの数値が適正と言えるのでしょうか。
新聞折込チラシの場合、反響率は一般的には0.01%〜0.3%と言われています。
例えば10000枚のチラシを配り、30件の反響数があれば、反響率は0.3%となり、そのチラシは十分に成功したと言えます。
しかしこの数値は目安に過ぎないということについては、覚えておく必要があります。実際の反響率はサービスや商品よって大きく異なります。
例えばスーパーの広告など、金額が安く日常的に通う店舗などのチラシの反響率は、住宅リフォームや不動産のような高額な商品に比べて高くなります。
また、反響数を集計する方法によっても数値は変わります。
来店によって獲得するクーポンでは、アクセス数だけを把握するORコードに比べ、反響率の数値は下がる傾向にあります。
折込チラシの効果を測る反響率は、扱う商品やサービス、また測定方法によっても違います。測定結果に対して、状況に応じた総合的な判断が必要となることを覚えておきましょう。
折込チラシの効果について知りたい方はこちら
2. より良い効果測定を行うための4つのコツ
これまで説明した2つの基本的ステップを踏まえ、より実践的にチラシの効果測定を行うためのコツを説明します。
折込チラシの効果測定とは、単に配布したチラシの総数に対する反響率を算出して終わるものではありません。
反響率の計算を基本に手元にあるデータを分析することによって、より精密なチラシの効果測定が可能となります。
例えばエリアごとのチラシの枚数、また配布時期など、反響率を計算する上で分母となる数値を別々に設定すれば、条件の違う複数の反響率を算出することができます。
そしてその数値を比較することによって、これまで把握できていなかったチラシの効果や顧客の動向も明らかになってくるでしょう。
2-1. 配布地域・配布日時を必ず記録する
多角的な効果測定を行う上でまず大切なことは、実施した折込チラシの情報を正確に把握することです。
配布したチラシ枚数の他、配布地域、配布日時などの情報は必ず記録しておきましょう。
配布地域については、配布した番地まで正確に把握しておくことをおすすめします。配布地域のデータはは詳細な反響率を算出する上で非常に重要になります。
配布日時については、配布した曜日も重要です。折込チラシは配布した曜日によってその効果は変わってきます。
また配布したチラシの実物や実データを保存しておくこともおすすめします。チラシに組み込んだ仕組みやチラシのデザインによる反響率の違いを確認する上でも大切です。
もちろんチラシごとに支払った経費を把握しておくことも、チラシの費用対効果を考える上で外せません。
いずれの情報も詳細な効果測定を行う上で大切なデータです。
長期的な効果測定を行う上でも重要になりますので、必ずデータを保存し、いつでも比較できる状態としておくことをおすすめします。
2-2. 配布時期による反響率の違いを比較する
新聞折込チラシは配布する時期も大変重要です。
配布する季節や曜日によって、反響率は大きく変わってきます。このため、折込チラシの効果測定においては、長期的な反響率の把握と比較が、たいへん重要になります。
特にスーパーやホームセンターのように継続的に折込チラシを配布する場合、配布するチラシの日付けや曜日は欠かさず記録しておきましょう。
データをもとに、月ごと、また四半期ごとの反響率や、チラシを配付した曜日ごとの反響率を算出してみましょう。
長期間の効果測定によって、どのような時期にどのような折込チラシが効果的なのかを、反響率の違いよって、数値として把握することができるようになり、より効果的に折込チラシを利用できるようになります。
2-3. 地域ごとの反響率を算出する
地域ごとの反響率を算出することができれば、そのデータはチラシの効果測定だけでなく、顧客の傾向を把握するデータとしても利用することもできるようになります。
例えば、予算に合わせて反響率が低い地域の配布を見合わせたり、反響率の高い地域に隣接した地域にチラシを配布していなエリアがあれば、次回のチラシで配布を検討するなど、チラシの効果を上げるための対策を立てることもできます。
配布する地域によって、そこに住む人々には特徴があります。
例えば戸建住宅が多い地域には、高齢者が多く住む傾向がありますし、反対に集合住宅が多い地域であれば、比較的若い世帯が多く住んでいます。さらに駅に近い地域であれば、単身世帯が増えることになります。
地域の特徴と、算出した地域ごとの反響率を重ね合わせることによって、これまで把握していなかった購入者やユーザーの特徴を発見することもできるでしょう。
【地域ごとの反響数を把握するための仕組みを作る】
地域ごとの反響率を算出するためには、チラシを配布する前に、それぞれの地域ごとに反響数をカウントするための仕組みを作っておく必要があります。
例えば以下のような方法を用います。
- 配布する地域ごとに違うクーポンコードを割り振る。
- 配布する地域ごとにURLの違うQRコードを印刷する。
- アンケートにお住いの地域を確認する項目を作る。
このような方法によって、反響数を地域ごとに分けて集計し、地域ごとの反響率を算出します。
2-4. チラシの費用対効果を測定する
実質的な売り上げの伸びをチラシ配布前と比較し、チラシ配布にかかる費用に見合う効果があったのかを検討することも大切です。
配布する地域によって異なりますが、1枚のチラシを配布するのにかかるコストはおよそ3〜9円です。その他にチラシの制作や印刷にもコストがかかります。
もちろん費用対効果に対して反響率は目安でしかありません。
扱う商品やサービスの金額、客単価によって採算を取るために必要な反響率の数値は変わってきます。新聞折込チラシは信用度が高いことから、会社や店舗のブランディングや認知度を高めるために利用するというケースもあります。
折込チラシに対する目的を明確にした上で、費用に対して適切な宣伝ができているかを検討することが重要です。
まとめ
折込チラシを正しく効果測定するための2つの基本ステップをご紹介しました。
<第1のステップ>
折込チラシにあらかじめクーポンやQRコードなどの仕組みを組み込むことで、チラシからの反響数を集計します。
<第2のステップ>
反響数と配布した折込チラシの枚数から、折込チラシの反響率を算出します。反響率はチラシの効果測定を行う上で基本となる重要な数値です。
この2つのステップを基本として、地域ごとの反響率や、時期、曜日ごとの反響率を算出し、その差を検証することで、より効果的な折込チラシの配布を行うことができるようになります。
多角的な折込チラシの効果測定は、チラシの効果を把握するだけでなく、顧客動向の把握や、これまで気がつかなかった顧客のニーズを掘り起こすきっかけにも繋がります。