「DM(ダイレクトメール)を送りたいけれど、宛名面の書き方には何か決まりがあるのだろうか?」
「DMの宛名面の規定を間違えて、うまく送れなかったらどうしよう…..。他の郵便物と比べて、宛名面の書き方が難しそうで不安だな」
あなたはいま、このように悩んでいませんか?
DMの宛名面は他の郵便物と違って印字されている情報が多いため、初めて見た方にとっては複雑に映り不安に感じることでしょう。
しかし、下記のルールをしっかり守って記載さえすれば、誰にでも正確にDM宛名面の作成ができます。
【すべての広告郵便物に共通するルール】
- 「料金別納」もしくは「料金後納」マークの表示をする
- 上記マークの表示位置を守る(ハガキの向きにより表示位置は変更あり)
- 宛名スペースを確保する(はがきDMと大判・A4DMとでは、確保すべきスペースサイズは異なる)
【はがきDMは下記のルールも守る】
- 「郵便はがき」や「POSTCARD」という文字を入れる
- 郵便番号の枠の色に気をつける
- 広告スペースは全体の2分の1に収める
- 用紙の色味に注意する
上記のルールが欠けてしまうと、せっかく気持ちを込めて作成したDMでも、顧客の手元に届かなくなってしまいます。
費用や時間をかけて作ったのに、これでは水の泡ですよね。
そこで今回の記事では、DM宛名面の守るべきルールとデザイン仕様について、図を交えてくわしく解説していきます。
大切なDMを無駄にせず、顧客にしっかりと届けるために、DMの宛名面についてこの機会に理解を深めておきましょう!
1. DMで守るべき宛名面のルール
冒頭でもお伝えしたように、DMの宛名面を作成する際には、必ず押さえておくべきいくつかのルールがあります。
こちらのルールは、DMを大量送付する業者に向けて、郵便局が定めた重要なルールとなります。さっそくひとつずつ見ていきましょう。
1-1. 【ルール1】 「料金別納」もしくは「料金後納」の表示をする
DMの発送には、料金の割引が適用される「広告郵便物」を利用するケースがほとんどです。「広告郵便物」とは、下記の条件を満たした郵便物に適用されます。
- 差出人の「商品の広告」「役務の広告」「営業活動に関する広告」が目的であること
- 同一の内容のもので大量に作成された印刷物であること
(日本郵便公式サイト「広告郵便物」より引用)
「広告郵便物」として郵便局から承認されると、下図のように「料金別納」もしくは「料金後納」の表示をする必要があります。
一度承認を受けると、8%~44%の料金割引が適用されるため、DMを大量発送する方であれば、ぜひ積極的に活用したいところです。事前の承認などについては、日本郵便公式サイト内の「広告郵便物 ご利用の条件」でご確認ください。
1-2. 【ルール2】 「料金別納」「料金後納」マークの表示位置を守る(はがきの向きにより表示位置に変更あり)
広告郵便物では、「料金別納」「料金後納」マークの表示位置を、きちんと守ることが重要です。マークの表示位置は下図のように、郵便物の縦・横の向きによって表示位置が変わります。ぜひ注意しておきましょう。
- 縦向きの場合→宛名面の左上部分にマークを表示
- 横向きの場合→宛名面の右上部分にマークを表示
1-3. 【ルール3】 「料金別納」・「料金後納」のデザインルールを守る
「料金別納」「料金後納」マークを作成する際は、郵便局で定めた詳細な規定にのっとって、間違えのないように作らなければなりません。
「料金別納」「料金後納」のマークは、円形もしくは四角形で表示するように定められています。
二つのマークに定められている詳しい作成ルールは、下記でご確認ください。
【料金別納および料金後納の利用ルール一覧】
料金別納 | 料金後納 |
---|---|
円形の表示は直径2cm〜3cmに収める | |
四角形の表示は縦・横それぞれ2cm〜3cmに収める | |
差出事業所名の下に2本線がある場合は、1mm〜2mmまでの間隔にする | |
差出人の業務を示す広告の掲載サイズは、表示の下部2分の1以内に収める | |
郵便物・荷物の外部に差出人の氏名や住所などを明瞭に記載している場合は、差出事業所名を省略できる | |
表示上部の「差出事業所名」は、郵便物を依頼する郵便局名を表示する |
こちらの表の内容を実際のマークに反映すると、このようなものが出来上がります。
【料金別納のマーク】
【料金後納のマーク】
ちなみに、現在インターネット上では「料金別納(もしくは料金後納)マーク ダウンロード」等で検索すると、無料でマークをダウンロードできるサイトも複数あります。
ご自分で作成する時間がない方は、ぜひマークの無料ダウンロードに頼ってみるのもおすすめです。
アパレルDMデザインについて知りたい方におすすめ
1-4. 【ルール4】 宛名スペース範囲のルールを守る
はがきDMや大判・A4DMの宛名面は、決められたサイズの宛名スペースを確保しなければなりません。また、宛名スペース以外の場所は、広告に使用することができます。
それぞれのケースについて確認していきましょう。
はがきDMの場合
はがきDMで宛名スペースを確保する場合は、次のサイズに気を付けましょう。
- 縦長のデザインの場合→「料金後納」「料金別納」マークから下方に4.5cm以上確保します。
- 横長のデザインの場合→「POSTCARD」の文字から下方に4.5cm以上確保します。
また、宛名面の下部2分の1は、広告に使用することができます。
大判・A4DMの場合
大判・A4DMで宛名スペースを確保する場合は、それぞれ以下のサイズを守りましょう。
- 縦長のデザインの場合→宛名面のスペースを上辺から6cm以上確保します。
- 横長のデザインの場合→右上辺から横1.5cm、縦6cm以上確保しましょう。
宛名スペース以外の場所は、広告として使用できます。
スペースの大きさを守りならがら、ぜひ広告スペースを積極的に活用していきましょう。
1-5. 【補足】ハガキDMの場合は「料金別納」・「料金後納」に広告を記載できる
はがきDMの「料金別納」「料金後納」のマークには、差出人の業務を表す広告等を入れることができます。
上記のマークに広告を入れる際は、マークの下部2分の1以内のスペースに表示することが決められています。
一方、大判・A4DMは「料金別納」「料金後納」のマークに、広告を入れることができません。くれぐれも注意しましょう。
【料金別納のマーク 広告等を掲載する場合】
【料金後納のマーク 広告等を掲載する場合】
一方、大判・A4DMは「料金別納」「料金後納」のマークに、広告を入れることができません。くれぐれも注意しましょう。
2. はがきDMに共通するルール
前章ではすべての「広告郵便物」に共通するルールをお伝えしましたが、はがきDMに関してはこれまでのルールに加えて、さらに以下3つのルールを守らなければなりません。
ひとつずつくわしく見ていきましょう。
2-1.「郵便はがき」もしくは「POSTCARD」という文字を入れる
宛名面には必ず、「郵便はがき」もしくは「POSTCARD」という文字を入れましょう。
上記の文字は、宛名面の上部分か、左側の中央部分に印字するようにします。
なぜ宛名面にこのような表示が必要なのかというと、個人がデザイン・作成したはがきDMは郵便局で販売している通常のはがきとは異なり、「私製はがき扱い」になるからです。
「私製はがき」を使用する場合は、宛名面に「郵便はがき」もしくは「POSTCARD」という文字を入れないと、はがき(第二種郵便物)ではなく、手紙(第一種郵便物)として取り扱われてしまいます。
そのため、余分なコストが発生する場合があるので注意が必要です。
(※ちなみに、大判・A4サイズのDMは定形外郵便のサイズなので、「郵便はがき」や「POSTCARD」などの記載は不要です。)
2-2. 郵便番号の枠の色に気をつける
DMなどの私製はがきを作成する場合は、郵便番号の枠の色に気を配らなくてはなりません。
DMのデザインに合わせて多彩な色を使いたいところですが、日本郵政によると、「朱色」か「金赤色」と決められています。黒や青色系のインクが混入していないことも条件です。
これは、郵便番号を自動で読み取る機械が、インクの色によって誤って認識してしまうのを防ぐためです。
きちんと顧客の元へ届くようにするためにも、郵便番号の枠の色には注意を払いましょう。
2-3. 用紙の色味に注意する
宛名面の色味は、白か淡い色にするように決められています。
これは、宛名として書かれた住所などの文字情報を正しく読み取れるようにするためです。宛名面に広告デザインを施す場合は、全体の2分の1にのみ多彩な色味を使い、宛名欄は白色か淡い色にしましょう。
どうしても宛名面を濃い色味にしたい場合は、住所を記入する範囲のみ白くしたり、別途ラベルに印刷したものを貼り付けるなどの工夫が必要になります。
3. はがきサイズDMの特徴
ここでは、はがきサイズのDMの特徴を押さえ、くわしいメリットとデメリットを確認していきましょう。
3-1. はがきサイズDMのメリット
はがきサイズのDMに見られるメリットは、以下の通りです。
- 手軽に手に取ってもらえる
- 発送時のコストを抑えられる
- デザインを前面にアピールできる
さっそくひとつずつ解説していきましょう。
手軽に手に取ってもらえる
DMのもっとも大きなメリットのひとつとして、顧客のポストに個別投函されることで、一度は手に取ってもらえる点があります。
顧客にとってDMの内容がそこまで気になるものでなかったとしても、自分宛に送られてきた郵便物というのは、どんなものでも特別なものに感じます。そのため、ひとまず開封しようという意識が働くのです。
特に、はがきサイズの場合は手に取りやすく、気軽に開封したり内容を閲覧したりしやすいものです。
反対に、同じDMでもパソコンやスマホ向けに配信されたメールマガジンのタイプだと、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、件名だけ見て開封されない場合が考えられます。
その点、ポスト投函される紙のDMというのは、顧客の手元に確実に届く分、大きな利点があると言えるでしょう。
発送時のコストを抑えられる
はがきサイズのDMにすれば、発送時にかかる送料をなるべく抑えることが可能です。
デザインや印刷などのコストを含めない場合、はがきサイズのDM1通を送るためには、日本郵便の場合、63円がかかります。
しかしうれしいことに、一度に大量発送する場合は割引が適用されるため、コストを抑えることが可能です。
そこで、はがきサイズ・A4サイズなど定形外郵便物の基本割引率を、以下の表にまとめました。下の表を見るとわかるように、多くのDMを出すほど、1枚あたりの料金が手頃になります。大量のDMを発送する予定のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
発送時のコストを抑えられる
はがきサイズのDMにすれば、発送時にかかる送料をなるべく抑えることが可能です。
デザインや印刷などのコストを含めない場合、はがきサイズのDM1通を送るためには、日本郵便の場合、63円がかかります。
しかしうれしいことに、一度に大量発送する場合は割引が適用されるため、コストを抑えることが可能です。
そこで、はがきサイズ・A4サイズなど定形外郵便物の基本割引率を、以下の表にまとめました。下の表を見るとわかるように、多くのDMを出すほど、1枚あたりの料金が手頃になります。大量のDMを発送する予定のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
差出枚数 | 割引率 | |
---|---|---|
定形郵便物・定形外郵便物 | はがき | |
2,000通 | 12% | 8% |
3,000通 | 15% | 11% |
5,000通 | 18% | 14% |
7,500通 | 19% | 15% |
10,000通 | 21% | 17% |
出典:日本郵便・広告郵便物
デザインを前面にアピールできる
DMはがきの裏面(広告面)だけではなく、表面(宛名面)にも指定の範囲内でデザインを施すことができます。DMを手に取った顧客が宛名面を確認する際に、デザインを通じて大まかな内容を伝えることができるため、顧客の興味を引くきっかけを作ることができます。
【宛名面の下2分の1に広告掲載をした例】
3-2. はがきサイズDMのデメリット
はがきサイズのダイレクトメールを選ぶデメリットも少なからず存在します。
- A4サイズに比べて情報量が制限される
- Eメールよりコストがかかる
一体どのような点がデメリットとなるのか、ひとつずつ解説していきましょう。
A4サイズに比べて情報量が制限される
はがきサイズのDMは、大きめサイズの郵便物と比べると、一度に掲載できる情報量に制限があります。また、見た目のインパクトの大きさについても、サイズの大きいDMのほうが強いといえるでしょう。
Eメールよりコストがかかる
DMは、はがきのデザインや印刷費用、発送料金などがかかり、1通あたりのコスト面ではEメールよりも割高になりがちです。それに比べ、Eメールでメールマガジンなどを発行する場合は、一度に数万通以上の送信が可能であり、1通あたりのコストも非常に低く抑えることができます。
こうしてみると、DMはその作成に手間と時間、費用がかかってしまう点がデメリットだといえるでしょう。
4. 大判・A4サイズ(定形外郵便物)DMの特徴
はがきDMと同じぐらい選ばれているのが、大判・A4サイズなど定形外郵便物に区分されるDMです。
こちらのDMははがきサイズのDMに比べて、サイズが大きいため、顧客が手にした際に非常に大きなインパクトを与えることができます。
ここでは、大判・A4サイズDMのメリットとデメリットについて、くわしく見ていきましょう。
4-1. 大判・A4サイズDMのメリット
このサイズのDMを選ぶメリットは、大きく以下の2点に分類されます。
- はがきサイズよりも多くの情報を載せられる
- 手にした際のインパクトが強い
以下、くわしく解説していきます。
はがきサイズよりも多くの情報を載せられる
大判・A4サイズDMははがきDMと比べて面積が広い分、より多くの情報を記載できます。前述した宛名面の広告スペースをより広く活用できるため、顧客が手に取って読んでみたいと思ってくれるような、高いデザイン性を持つDMに仕上げることができます。
両面印刷したA3サイズの用紙を折りたたみ、圧着させた圧着DMの場合は、開封することでより多くの情報を顧客に伝えられます。
手にした際のインパクトが強い
大判・A4サイズのDMはポストに投函された時から、はがきサイズよりも目立つ状態にあります。その分手に取ってもらいやすく、宛名面に目を通してもらえる確率も高くなるでしょう。そのなかでも、デザインに凝ったり、優れた訴求ができているDMの場合は、開封率が大幅に高まることが期待できます。
4-2. 大判・A4サイズDMのデメリット
こちらのDMを送る際のデメリットは、たった1点です。
- はがきサイズよりもコストがかかる
サイズが大きい分、さまざまなコストが上乗せされてしまうのが難点ですが、いったいどれぐらいのコスト差が出るのでしょうか?
はがきサイズよりもコストがかかる
大判・A4サイズのDMは、はがきサイズと比べて印刷料金や配送料金など、さまざまな面でコストがかかります。
たとえばA4サイズは、297㎜×210㎜なので定形外郵便物となります。
このサイズですと、DMの重さが50g以下の場合は1通あたり120円が必要です。はがきサイズの場合は63円であった点を踏まえると、コスト面が高くなっていることがわかりますね。
※くわしくは、日本郵便公式サイト「定形郵便物・定形外郵便物のサイズ・重さについて」をご確認ください。
定形外郵便物として送る場合、A4サイズでも重量によって料金が変わってくる場合があります。たとえば、150gまでの料金は以下の通りです。
重量 | 料金 |
---|---|
50g以内 | 120円 |
100g以内 | 140円 |
150g以内 | 210円 |
ダイレクトメールのメリットについて知りたい方におすすめ
5.まとめ
今回は、DM宛名面の作成方法についてご紹介しました。
宛名面の表記に誤りがあると、顧客の元へ送付できないばかりか、印刷代や郵送費、DM送付の用意にかかった時間など、多くのものを無駄にしてしまいます。そうならないためにも、今回の記事を参考にして、理解を深めてみてくださいね。
今回お伝えしたことを改めておさらいすると、DM宛名面の書き方ルールとして以下の注意点を押さえました。
【すべての広告郵便物に共通するルール】
- 「料金別納」もしくは「料金後納」マークの表示をする
- 上記マークの表示位置を守る(ハガキの向きにより表示位置は変更あり)
- 宛名スペースを確保する(はがきDMと大判・A4DMとでは、確保すべきスペースサイズは異なる)
【はがきDMは下記のルールも守る】
- 「郵便はがき」や「POSTCARD」という文字を入れる
- 郵便番号の枠の色に気をつける
- 広告スペースは全体の2分の1に収める
- 用紙の色味に注意する
さらに、はがきDMや大判・A4DMについてのメリット・デメリットについても言及しました。
本記事があなたの正確な宛名面の作成に、少しでもお役に立てれば幸いです。