マスク配布でも話題の「全戸配布」とは?方法や向いている業種を解説

大型マンションの郵便受け

「チラシを配ろうと思うが、全戸配布って何だろう?」

「全戸配布と他の配布方法はどう違うの?」

チラシや広報物を配布しようとして、そんな疑問を持った人も多いのではないでしょうか。

「全戸配布」とは、チラシを配布したいエリアのすべてのポストに配布するポスティングの方法です。最近では、新型コロナウイルス対策のため、政府から全国の家庭にマスクを配布する際にこの「全戸配布」という方法が利用され、注目が集まっています。

「100%配布」とも言われていますが、実際は「チラシお断わり」の家があったり、過疎地域で配布するのが難しかったりして、100%を実現するのはなかなか難しいようです。

エリア内の配布できるポスト全部に投函する「軒並み配布」の場合は、70〜80%のカバー率だとされているので、残りの20〜30%に配ることが全戸配布のポイントだと言えます。

そんな全戸配布について、この記事ではまず、

  • 全戸配布の意味
  • 全戸配布をする方法
  • 全戸配布以外の配布方法の種類と特徴

をわかりやすく説明します。また、

  • 全戸配布のメリット・デメリット

もあげますので、利用するか迷っている人は参考にしてください。さらに、

  • 全戸配布が向いている業種・向かない業種
  • 全戸配布の費用目安

についても解説します。最後まで読めば、全戸配布について基本的なことはすべて理解できるでしょう。

1. 全戸配布とは?

郵便受けから手紙を取り出す女性

そもそも「全戸配布」とは、正しくはどういう意味でしょうか?どのように配布するのでしょうか?まずは「全戸配布」の意味ややり方についてあらためて確認しておきましょう。

1-1. 全戸配布は該当エリアのすべての世帯に配布すること

「全戸配布」とは「ぜんこはいふ」と読み、文字通り「すべてのポストに配布すること」です。ポスティングなどでチラシや広報物を配布する際、まず「配布エリア(=配布物を配りたい地域)」を決定しますが、そのエリア内すべての住宅、事業所のポストに投函する配布方法を「全戸配布」と呼びます。

ポスティングでは、「配布エリア内にある世帯のうちどれくらいの世帯に配布できるか」という割合を「カバー率」と呼んでいます。

一般的にポスティング業者が配布する際には、ポストに「チラシお断わり」と書かれている家には配布できなかったり、「部外者立ち入り禁止」のマンションではポストまでたどり着けなかったりして、カバー率は最大でも平均70〜80%程度と言われています。

が、全戸配布の場合は、「カバー率100%」を目指して配布するのが特徴です。

1-2. チラシ配布の種類

実はポスティングには、全戸配布以外にもいくつかの方法があります。以下の表を見てください。

【チラシ配布の種類と特徴】

種類

配布のしかた

特徴

向いているケース

配布先に

よる分類

全戸配布

配布エリア内のすべてのポストに配布する

  • カバー率は原則的には100%
  • コストは高め

◾️全世帯が必要とする情報を配布する場合

◾️個人をターゲットとした広告の場合

  • 自治体
  • 飲食の宅配サービス
  • クリーニング
  • 水道工
  • 便利屋  など

軒並み配布

配布エリア内で配布可能なすべてのポストに配布する

  • チラシお断り、敷地内立ち入り禁止などの場所には配布しないので、カバー率は約70〜80%
  • コストはもっとも安い

◾️早くたくさん配布したい場合

◾️コストパフォーマンスを重視する場合

  • スーパーマーケット
  • 求人広告  など

選別配布

ファミリー向け、富裕層向け、女性向けなどターゲットを絞り、該当する層が多いエリアを選定して配布する

  • ターゲットや地域によってカバー率はまちまち
  • コストは高め

◾️女性向け、富裕層向けなどターゲットが絞られている広告の場合

  • 高級マンション
  • 自動車  など

配布手段に

よる分類

単配

1種類のチラシだけを配布する

  • コストは併配より高め

◾同業他社のチラシと一緒に配られたくない場合

併配

複数のチラシを同時に配布する

  • コストは単配より安い

◾️とにかくコストを抑えたい場合

では、それぞれについてくわしく説明していきましょう。

配布先による分

チラシの配布先をどう選定するかによって、配布方法は以下の3つに分類することができます。

◎全戸配布

配布エリア内のすべての世帯のポストに投函する方法です。「チラシお断わり」の家や「敷地内立ち入り禁止」のマンションなどは、通常のポスティングでは配布を断念しますが、管理人に許可を取るなどして可能な限り投函し、カバー率100%を目指します。

企業や店舗のチラシだけでなく、自治体の広報誌など公的な書面の配布にも利用されています。

◎軒並み配布

配布エリア内で、配布可能な世帯のポストにはすべて投函する方法です。

「チラシお断わり」の家や「立ち入り禁止」のマンションは、クレームのもとになるため除外して配布します。そのためカバー率は、平均で70〜80%程度にとどまると言われています。ポスティング業者によっては、この配布方法を「全戸配布」と呼んでいる場合もありますが、厳密には二者は異なるものです。

3つの配布方法の中ではもっとも手間や準備が必要ないため、コストを低く抑えることができるのが特徴です。

◎選別配布(セグメント配布)

配布するターゲットをあらかじめ設定して、それに該当する世帯を選んで配布する方法です。

例えば、

  • 高級車や家事代行サービスなど、富裕層をターゲットにした商材の広告なので、高級住宅街とタワーマンションに絞って配布する
  • 老人ホームなど高齢者向けの広告は、新築戸建や若いファミリー向けの賃貸マンション、アパートを除いて、高齢住民が多いエリアに配る

などのケースが考えられます。ポスティング業者の中には、独自に各エリアの商圏情報を集めて分析しているものも多く、住民の性別、年齢、世帯構成、年収帯などによって配布エリアを選別することができるというメリットがあります。

ただ、そのぶんコストは軒並み配布よりも高くなってしまうのがネックです。

《配布手段による分類》

◎単配

一度に1種類のチラシだけを配布する方法です。

ポスティング業者などに依頼すると、同じ時期に配布を希望している企業や店舗が複数重なる場合も多いものです。そんなとき、他社のチラシと一緒に配るのではなく、「自社のチラシ1種類だけを配るように」と指定して配布してもらうのです。

これはポストの中で他のチラシに紛れてしまうことなく、受け取った人には自社のチラシ1枚だけに注目して欲しい、と希望する場合に選ばれる手法です。

が、実際には同日に別のポスティング業者が複数のチラシを投函し、「結局たくさんのチラシに埋もれてしまった」という残念な結果に終わることも多いようです。

◎併配

一度に複数のチラシを配布する方法です。数社分をまとめて配ることで、配布員の労力は単配より格段に節約できるため、配布コストが低く抑えられます。

その中でも、

  • 飲食店Aのチラシとマッサージ店Bのチラシ、リサイクル業者Cのチラシ……など、異業種のみを同時に配布する場合
  • 宅配ピザDのメニューと宅配ピザEのメニュー、不動産Fの広告と不動産Gの広告……というように、同業種のものも同時に配布する場合

があります。ライバルと競合したくない場合は、「同業種併配は行いません」とうたっているポスティング業者を選ぶといいでしょう。

ポスティングをする際には以上の違いを踏まえた上で、配布物の特性や配布ターゲット、予算などの条件も加味して最適な方法を選択してください。

1-3. 全戸配布をする方法

では、実際に全戸配布をしたい場合、どんな方法があるでしょうか?政府がマスクを配布するために利用したのは、郵便局の全戸配布サービス「タウンプラス」でした。それ以外にも、「ポスティング業者に依頼すればいいのでは?」と考える人も多いでしょう。

郵便局の全戸配布サービス以外に実際には大きく分けて以下の2つの方法があります。

【全戸配布の方法】

種類

配布のしかた

メリット

デメリット

自分で配布

配布したい人が自分で配ってまわる

◯思い立ったらいつでもすぐ配布できる

◯配布コストがかからない

✖️時間と労力がかかる

✖️手際よく配布できない

✖️商圏情報がないので、反響率を上げるのが難しい

ポスティング業者

ポスティング業者に依頼して配布してもらう

◯商圏情報を持っているので、反響率の高いポスティングができる

◯専門の配布スタッフが効率よく配布してくれる

✖️「全戸配布」ができず「軒並み配布」になってしまう業者が多い

✖️コストが高い

✖️質の悪い業者だと不正をされるケースがある

✖️過疎地域などでは、ポスティング業者がいない

では、それぞれ説明していきましょう。

自分で配布する

もっとも簡単な方法は、「配布したい」と希望している人が自ら配布することです。

例えば個人商店のチラシなどは、お店の暇な時間帯や開店前・閉店後などを利用して、店主やスタッフ自身がご近所に配ってまわることができます。

この方法は、

◯思い立ったらいつでもすぐ配布できる
◯配布コストがかからない

という利点がある一方で、

✖️本来の業務以外に労力を割かなければいけない
✖️配布のプロではないので、手際よく配布することができない
✖️ターゲット層がどのエリアに多いかなど商圏情報がないので、反響率を上げるのが難しい

などのマイナス面もあるため、「最初は自分で配ってみたけれど、やはり専門業者に頼むことにした」という経営者も多いようです。

ポスティング業者に依頼する

チラシや広報物などを配布したい場合、もっともポピュラーな方法は、専門のポスティング業者に依頼することでしょう。ポスティング業者には、全国をカバーする大規模な企業から、地元密着型の個人経営まで、多種多様なものがあります。

配布の反響率を高めるため、商圏情報を収集・分析して最適な配布エリアや配布方法を提案してくれる業者や、配布結果について詳細な報告書を出してくれる業者、配布スタッフにGPSを持たせてきちんと配布されるよう管理している業者など、特徴もさまざまです。

これらのポスティング業者を利用するメリットとしては、

◯配布エリアの商圏情報を持っているので、反響率の高いポスティングができる
◯専門の配布スタッフが効率よく配布してくれる

などが挙げられますが、一方で、

✖️「全戸配布」とうたっていても、実際には「チラシお断わり」「敷地内立ち入り禁止」のポストには配布できず「軒並み配布」になってしまう業者が多い
✖️「軒並み配布」は1部あたり3〜8円と安価だが、本当の「全戸配布」を依頼するとコストが高くなる
✖️質の悪い業者や配布スタッフだと、全部配布せずにごまかすなど不正をされるケースがある
✖️過疎地域などでは、そもそも配布を請け負うポスティング業者がいない

といったデメリットや注意点もあるので、業者選びには注意が必要です。

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そんな風に迷っている方は、ぜひ株式会社DEALの全戸配布サービスをご検討ください!

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実際に配布が困難な高級マンションにも配布できた実績が多数あり

手続きの簡潔さ

簡単な申し込みのみ

依頼から配布までの日数

最短翌日から配布可能

配布費用

数十円

※特に都会や住宅密集地ではよりお得

例えば過去には、以下のような配布実績があり、多くの事業者様・団体様にご利用いただいています。

【DEALの実績】

◾️2020.5.31 香川県全戸に情報誌を40万枚配布(毎月配布)
◾️2020.5.31 香川県民共済の保険加入チラシを累計30万枚配布
◾️2020.3.31 公共工事の告知チラシを(影響範囲特定後)日本全国内に累計4000万枚配布
◾️2020.3.31 関西地区に加入促進チラシを50万枚配布(四半期に1回)
◾️2020.3.31 日本全国に宛名なしDMを累計530万枚配布
◾️2015.12.31 千葉県、埼玉県の過疎地区に加入促進チラシを累計10万枚配布

【DEALの強み】

1)キャラバン・プロ部隊(軽自動車配達)による全戸配達

約3,500名のプロの配達員が、主に軽自動車を使って、たとえ離島の1軒屋であってもかならず全戸配布いたします。

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2)ポストインデリバリーサービス(Post In Delivery Service =P.I.D)

タウンプラスにはサイズや重量に規定がありますが、DEALはどんなものでも各戸のポストに確実に配布します。

3)公共サービスには不可能な独自のサービス

タウンプラスなどの公共サービスにはない、DEAL独自のサービスを実現しています。

◎ 確実なエヴィデンス報告(全配達員のGPS携帯)

  → 配達員すべてがGPSを携帯しており、「◯月◯日◯時ごろにどのエリアに配布したか」をご依頼者様に正確にご報告することが可能です。

◎ 配達交渉

  → 「チラシお断り」のマンションであっても、配達員が配布できるよう交渉します。

◎ 1軒単位の配達除外リスト対応

  → もし「この家だけには配布しないでほしい」というご希望があれば、1軒単位で配布から除外します。

4)スピーディなクレーム対応

「1時間以内に担当者から連絡しろ‼︎」といった急なクレームにも迅速に対応します。100%確実な全戸配布をご希望なら、ぜひ株式会社DEALをご利用ください!

2. ポスティングの種類による反響率の違い

ビラまきのイラスト

全戸配布の意味と特徴についてはよく理解してもらえたかと思います。となると、次に知りたいのは「全戸配布は、他の配布方法と比べて効果は高いのか、低いのか」という点ですよね。

ポスティングの効果は、「反響率」という指標で測ることができます。これは、「配ったチラシに対して、問い合わせや来店、購買などの何らかのリアクションがあった割合」を指します。

例えば、チラシを1000枚配布した場合、リアクションが3件あれば反響率は0.3%、10件なら1.0%というわけです。この反響率は、配布方法によってももちろん差が生じますが、他にも広告主の業種、チラシの内容、配布地域の特性などさまざまな要素に影響されます。

そのためか、残念ながら「全戸配布の反響率は平均で◯◯%」と算出した客観的なデータは見つけることができませんでした。

ただ、

  • ポスティング全体の反響率:0.01〜数%程度
  • 軒並み配布の反響率:平均0.1〜0.3%程度

と言われていますので、これを基準にして他の配布方法の反響率を相対的に比較することは可能です。そこでまずは配布方法ごとに反響率にどんな傾向があるか、表で比較してみましたので確認してみてください。

【ポスティングの種類と反響率】

種類

反響率

配布先に

よる分類

選別配布

高い

低い

  • ターゲットを絞って配布するので、全戸配布や軒並み配布よりも反響率は高め
  • 具体的な割合はケースによってまちまち

全戸配布

  • すべてのポストに配布されるため、ターゲットを絞って配布する選別配布などよりは反響率は低い傾向
  • おおむね軒並み配布の1.5倍程度の反響率

軒並み配布

  • チラシのターゲットではない世帯にも配布されるため反響率は低め
  • 平均0.1〜0.3%程度

配布手段に

よる分類

単配

あまり

変わらず

  • 単配にすれば注目されやすそうだが、別業者が配布したチラシに紛れてしまう可能性も高いので、反響率は併配とさほど変わらない

併配

では、それぞれについてくわしく説明していきましょう。

2-1. 全戸配布・軒並み配布・選別配布

全戸配布、軒並み配布、選別配布の3つの方法の中で、もっとも反響率が期待できるのはやはり選別配布です。というより、ターゲットを絞ることで反響率を上げるのが選別配布の目的ですから、それは当然と言えるでしょう。

軒並み配布の平均的な反響率は0.1〜0.3%と言われていますが、選別配布は業者によっては「最高8%」「12%」などの実績をうたっているケースもあります。

もちろんそれは、チラシの内容がよく、ターゲットや配布エリアの選定、配布タイミングなどが最適だった場合だということは承知しておいてください。

また、全戸配布の反響率は、軒並み配布の1.5倍程度と言われています。その理由、一因としては、

◎過疎地域など通常はチラシが配布されない世帯にまで配布されるので、注目されやすくなる

ことなどが予想されます。

ただ、全戸配布は軒並み配布よりもコストが高く、配布エリアによっては3倍ほどになるとも言われるので、自分の地域での配布料金を調べた上で反響率と見合うかどうかをよく検討する必要があるでしょう。

もしくは、自治体の広報誌などのように、「反響率を考慮する必要はなく、とにかくすべての世帯に配布する必要がある」という場合には、コストがかかっても全戸配布を選択すべきだと言えます。

2-2. 単配と併配

次に、単配と併配では反響率はどう違うのでしょうか?予想としては、単配のほうが反響が高そうですよね。

他社のチラシと一緒に数枚まとめて配布される併配に比べて、自社のチラシ1枚だけを配布してもらうのですから、注目度は数倍高まると期待できるからです。が、ポスティング業者からは、「単配と併配の反響率に差はない」という意外な声が上がっています。

というのも、自社のチラシを単配しても、他のポスティング業者も多数のチラシを配布しているので、結局複数枚の中に紛れてしまうからです。

例えば、あなたのお店のチラシをポスティング業者A社に単配してもらうよう依頼したとします。が、そのエリアには他にもポスティング業者はB社、C社など数社あり、多くのポスティング依頼を受けているはずです。

あなたが配布を希望した日に、運よく他社のポスティングがなければ、そのエリアのポストにはあなたのお店のチラシ1枚だけが投函されるので注目を集めることができるでしょう。

ですが実際は、B社やC社も同日に複数枚のチラシをポスティングする可能性が高いのです。特にチラシの配布には、業種ごとに「この曜日が効果的」という傾向があることが知られています。

例えば、

  • スーパーのチラシは、セールが行われる週末に向けた金曜・土曜日
  • 塾など教育関連のチラシは、レジャー気分が抜けて気持ちが切り替わる月曜〜水曜日

などで、これらの曜日には同業他社のチラシも集中するのです。ですからより効果的な曜日にポスティングしようと考えるなら、単配の依頼をしても他社チラシに紛れてしまう=併配と同じ状況になってしまい、反響率に差は生じないというわけです。

ちなみに業種別に何曜日のポスティングが効果的なのかについては、別記事ポスティングするならこの曜日!業種別傾向と最適な曜日を選ぶ方法でくわしく解説されていますので、興味があれば参照してみてください。

3. 全戸配布のメリット

明るい背景にメリットという単語

ここまで、全戸配布の特徴をさまざまな視点から解説してきました。では実際に全戸配布を検討する際に、知っておくべきことは何でしょうか?それはメリットとデメリットです。

そこでまずこの章では、全戸配布ならではのメリットとして、以下の2つをあげました。

【全戸配布のメリット】

◎通常はポスティングされない世帯にも配布される
◎口コミで話題になりやすい

それぞれについてくわしく説明していきましょう。

3-1. 通常はポスティングされない世帯にも配布される

全戸配布の最大の利点は、通常はポスティングされない地域や世帯にも配布物を届けられるということです。

例えば、過疎地域で1軒1軒の家が離れている場合や山の中の1軒家などは、配布する手間と時間がかかるため、通常のポスティングでは配布対象から外されてしまいがちです。が、全戸配布であればそんな世帯も漏らさず配布してもらえるのです。

今まで同業他社のチラシが一度も配布されたことがない家に、あなたの会社のチラシが唯一届けば、興味を持ってもらえる可能性はぐんとアップするでしょう。

また、自治体の広報誌など、「かならずすべての世帯に届けなければならないもの」の場合は、配布漏れをなくすためには全戸配布しか選択肢はありません。実際に、タウンプラスなどを利用して全戸配布している自治体もあります。

3-2. 口コミで話題になりやすい

すべての世帯に配布されることで、地域住民の間で話題にのぼりやすくなるのもメリットです。

「新しくできた◯◯のお店のチラシ見た?」

「見た見た、他のお店より安そうだったわ」

「△△さんが行ったらしくて、安いわりによかったと言ってたわよ」

「じゃあ一度様子を見に行ってみない?」

など、周辺地域で口コミが広がって、より宣伝効果を高めてくれます。「ポスティングされたチラシは、内容を見ずに捨ててしまう」という人でも、口コミやウワサから興味を持つ可能性があります。そのためにも、最多数の人の目に触れる全戸配布は効果があると言えるでしょう。

4. 全戸配布のデメリット

コルクボードの背景にデメリットという単語

以上のようなメリットはある反面、もちろんデメリットもあります。

ここでは以下の3つのデメリットを挙げてみました。

【全戸配布のデメリット】

✖️コストが高い
✖️広告の場合ターゲット以外へも配布されてしまう
✖️クレームにつながりやすい

どういったリスクがあるのか、それぞれ解説していきましょう。

4-1. コストが高い

全戸配布では、通常はポスティング対象から外されてしまうような世帯にもすべてポスティングします。

1軒1軒の間が離れている過疎地域や、山奥の1軒家にも漏らさず配布したり、「関係者以外立ち入り禁止」の掲示があるマンションでは管理人さんに許可をもらって投函したりと、時間と手間をかけて実施するため、どうしてもコストが高くなってしまうのが難点です。

地域によっては、全戸配布の料金は軒並み配布の3倍にもなるケースがあるようです。軒並み配布の料金は1部あたり3〜8円程度ですから、その3倍=9〜24円のエリアもあるというわけですね。

利用を検討する際には、まずポスティング業者に「この地域でこの業種のチラシの場合、全戸配布の反響率はどれくらいか」を確認して、費用対効果を考える必要があるでしょう。

4-2. 広告の場合ターゲット以外へも配布されてしまう

自治体の広報誌などはすべての世帯が必要とするものですが、広告の場合は、その商品やサービスを必要としない人たちも一定数いるものです。そのため広告チラシを全戸配布すると、ターゲットから外れた人にもチラシが届いてしまうというデメリットもあります。

例えば、タワーマンション分譲のチラシを配布する場合、そのターゲットは主に富裕層です。あるいは女性向けのエステやネイルサロンの広告は、男性のひとり暮らし世帯などには必要ありませんよね。

こういった特定のターゲットにしかニーズがない配布物は、コストをかけて全戸配布しても多くの世帯ではムダなものとなってしまうのです。

反対に、クリーニング店や飲食店の宅配など、どんな世帯でも利用されるサービスや商品の場合なら、全戸配布の効果が期待できるでしょう。まずはターゲットが広いか狭いかをよく考えることが重要なのです。

4-3. クレームにつながりやすい

軒並み配布では、「チラシお断り」「敷地内立ち入り禁止」といった掲示のある住宅やマンション、ビルには配布しないという業者が多いでしょう。それはいらぬクレームを避けるためです。

ですが本当の「全戸配布」では、基本的にすべてのポストに投函を目指します。もちろん、住人や管理人さんなどに許可がもらえればそれに越したことはありません。

が、管理人さんが許可しても住人の中には不快に思う人がいたりすれば、クレームにつながるリスクは軒並み配布や選別配布よりも高まってしまいます。

自治体の広報誌などであれば、配布されてもクレームをつける人は少ないでしょうが、広告チラシの全戸配布の場合は、ある程度のクレームは覚悟しておく必要があるでしょう。

5. 全戸配布が向いている業種・向かない業種

マルバツ問題

では、これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、全戸配布が向いている業種にはどんなものがあるでしょうか?反対に、向かない業種とは何でしょうか?

それぞれ具体例を表にしましたので、以下を見てください。

【全戸配布が向いている業種・向かない業種】

向いている業種

向かない業種

◎自治体
◎飲食の宅配サービス
◎クリーニング
◎水道工事や便利屋

✖️美容関連
✖️学習塾や習い事など
✖️不動産
✖️B to B向けサービス

なぜそう言えるのか、くわしく解説しましょう。

5-1. 全戸配布が向いている業種

そもそも全戸配布に向いている配布物とはどんなものでしょうか?

それは、

  • 全世帯が必要とする情報である
  • 企業や団体向けではなく、個人をターゲットとしている

という条件を満たすものです。企業や団体向けの商品やサービスの情報は、一般家庭には必要ありませんよね。個人向けで、どんな人にも必要な情報が記載された配布物こそが、全戸配布向けなのです。

それを踏まえると、全戸配布にもっとも向いているのは、業種ではありませんが、

◎自治体

だと言えます。自治体には、広報誌など、住民全員に配布しなければならないものがいろいろとあります。

その場合、「基本的には新聞折込で配布し、新聞を購読していない層向けには役所の窓口など公共施設に据え置きして自由に持っていってもらう」といった方式をとっている自治体も多いのですが、それでは住民に100%行き渡らせることはできませんよね。

そこで、シルバー人材センターに依頼したりして、全戸配布している自治体があるのです。

一方、民間企業の場合はどうでしょうか?全世帯に必要な個人向けサービス・商品という視点から、以下のような業種が向いていると言えるでしょう。

◎飲食の宅配サービス

 →ピザ、宅配寿司などのメニューチラシは、多くの人が利用する可能性があるので全戸配布に向いています。

◎クリーニング

 →衣服のクリーニングもほとんどの人が利用するサービスです。

◎水道工事や便利屋

 →水回りのトラブルなど、急に困ったことが起きた場合に助けてくれるサービスは、誰もが知っておきたい必要な情報でしょう。

5-2. 全戸配布が向かない業種

逆に全戸配布が向いていないのは、

  • 特定のターゲット層にしか必要とされない
  • 商品やサービスが高額である

ようなケースです。

具体的には以下のような業種が当てはまるでしょう。

✖️美容関連

 →エステやネイルなどのサロンの広告は、主に美容に関心が高い女性向けで、ターゲットが非常に狭い業種だと言えるでしょう。

✖️学習塾や習い事など

 →子どものいるファミリー層以外には必要ない情報です。

✖️不動産

 →不動産は、物件ごとにターゲット層が異なります。

  高級住宅やタワーマンションであれば富裕層、新築戸建は賃貸住まいのファミリーなどがターゲットなので、選別配布向きです。

✖️B to B向けサービス

 →個人でなく企業や団体向けのサービスや商品のチラシは、個人宅が多くを占める全戸配布には向きません。

     「事業所指定配布(=個人宅ではなく事業所限定で配布する)」などの選別配布サービスを行なっているポスティング業者に依頼するとよいでしょう。

6. 全戸配布の費用目安

画用紙に書いたコストの文字

ここまでの話を踏まえて、「うちのお店(または会社)は、全戸配布に向いているみたいだから利用してみたい」と考えている人もいるでしょう。そんな人のために、最後に全戸配布の費用についても説明しておきましょう。

ポスティング費用は、業者や配布エリアによって大きく異なるので、一概にいくらと断言することはできません。が、以下にだいたいの目安を示しておきますので、実際に配布したり、業者から見積もりをとったりする際には参考にしてください。

6-1. 自分で配布する場合

まず、自分で空き時間に配布する場合は、必要なコストはチラシの印刷代程度で、配布費用はかかりませんよね。ただ、ポスティングのためにお店のスタッフの時間を特別に割くのであれば、その時給分、または手間分を配布コストに換算して考える必要があるでしょう。

一般的にポスティングの配布コストは、

  • 時給の場合:800〜1,300円程度
  • 歩合制の場合:1部あたり0.5〜7円程度

と大きく幅があります。近隣のエリアで「ポスティング アルバイト」などと検索すれば、地元の相場がわかるはずです。

また、ポスティングだけしてもらうためにアルバイトやパートを雇う場合も、その相場を基準に報酬を決めればいいでしょう。

6-2. ポスティング業者に依頼する場合

実は、ポスティング業者の中には

  • 「軒並み配布」は行なっているが、「全戸配布」は行なっていない
  • 「全戸配布」とうたっているが、それは実は「軒並み配布」でカバー率は70〜80%である

というところも多くあります。

また、本来の全戸配布を行なっている業者でも、その多くは配布できるエリアを「東京23区内のみ」「◯◯県△△市・◇◇市・☆☆市」など狭い範囲に絞っていて、各社ごと、地域ごとに費用は異なります。

そこでこの項では、いくつかの業者の費用例を紹介しますので、参考にしてください。

【全戸配布の費用例】

※いずれも配布エリアが限定されている業者です。

業者

配布地域

配布費用

A社

東京23区

〜B5・A4:6.0円

B4:8.0円

〜B3:9.0円

B社

東京23区の一部

A4:4.5円

B4:5.0円

A3:5.5円

B3:6.5円

C社

大阪府内

B5:4.5〜7.0円

A4:4.5〜8.5円

B4:5.0〜9.0円

A3・B3:5.5〜9.5円

※基本料金=軒並み配布に、全戸配布オプション(+2.0円)を追加した料金

D社

大阪市内

B6・A5:3.0円

B5:3.3〜3.8円

A4:3.5〜4.0円

B4:4.4〜4.8円

A3:4.6〜5.0円

B3:5.8〜6.0円

ハガキ:3.0円

封書:3.5〜4.0円

※基本料金=軒並み配布に、全戸配布オプション(+1.0円)を追加した料金

こうして見ると、「全戸配布もそんなに高くないな」と感じるかもしれません。が、表の「配布地域」を見てみてください。いずれもごくごく狭いエリアですよね。

自分の希望する配布エリアで、この程度の価格で全戸配布をしてくれるポスティング業者が見つかればラッキーですが、見つからない地域の方が多いでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?全戸配布とは何か、その全体像が見えたかと思います。

ここでもう一度、記事の内容をおさらいしてみましょう。

◾️全戸配布とは「該当エリアのすべての世帯に配布すること」
◾️全戸配布をする方法は、

  • 自分で配布する
  • ポスティング業者に依頼する 等….

◾️全戸配布のメリットは、

◯通常はポスティングされない世帯にも配布される
◯口コミで話題になりやすい

◾️全戸配布のデメリット

✖️コストが高い
✖️広告の場合ターゲット以外へも配布されてしまう
✖️クレームにつながりやすい

以上を踏まえた上で、株式会社DEALの全戸配布サービスもぜひご検討ください。よりお得な料金で100%全戸配布を目指します。あなたが満足いく全戸配布ポスティングをできるよう、ご協力します!

DEALは、全戸配布スペシャリストです。
告知チラシ、広報誌など全世帯に配布したいものがある方は、お気軽にご相談ください。
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お気軽にご相談ください。