GISポスティングとは?費用対効果が高い理由と利用すべき人や会社

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GISポスティングとは、GISシステムを利用してターゲットの多いエリアを抽出し、効率的にポスティングする配布方法のことです。

ローラー配布のような一定の地域全ての世帯に配布する方法とは異なり、例えば「戸建の4人家族が多いエリアを中心に」「20代から30代の独身女性が多いエリアを中心に」のようにターゲットを絞った配布が可能です。

そのため、費用対効果が高い、反響が多いといったメリットがあり、試してみたいポスティング方法として注目されています。

ただ、まだ新しい配布方法であるため、「GISポスティングは具体的に何ができるの?」「自分はGISポスティングをやるべきなの?」といった疑問を感じる人もいるでしょう。

そこで、本記事では、

  • GISポスティングの特徴と強み
  • GISポスティングでできること
  • どのような人や会社がGISポスティングに向いているのか

について徹底的に解説していきます。

本記事を読み終えたあとは、GISポスティングについて深く理解し「自分はGISポスティングを使うべきかそうでないか?」の判断までできるようになるでしょう。

1. GISポスティングとは?根拠にもとづいた新しいポスティング方法

GISのアイコン

1-1. GISとは

まず最初に、「GIS」について簡単に説明します。

GISとは、Geographic Information System の略称。日本語では「地理情報システム」と訳されています。

このシステムは、様々な地理空間情報(国土地理院の地理情報の他、国勢調査による人口や世帯数、年齢分布、その他のビッグデータ)を元に、必要な情報だけをわかりやすくコンピューターの描く地図上に目に見える形で表現できます。このシステムを使っている例としては、カーナビゲーションが最もわかりやすいでしょう。

カーナビゲーションは、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム。現在位置を認識するシステム)とGISの地図情報を組み合わせることで、利用者にとって、より便利に情報提供ができるようになっています。

例えば「駐車場がどこにあるか知りたい」場合、カーナビゲーションの検索機能で「駐車場」を選ぶと、今走っている場所の近くにある駐車場がナビゲーション画面に、一目で分かるように表示されます。これ以外にも、GISの技術は様々な分野、業界、研究等に利用され、私たちの社会生活に広く役立っています。

「地理空間情報活用基本法(平成19年法律第63号)第2条において、「地理空間情報の地理的な把握又は分析を可能とするため、電磁的方式により記録された地理空間情報を電子計算機を使用して電子地図上で一体的に処理する情報システム」と定義されています。」

<引用元・参考>国土交通省:「GISとは」
http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk1_000041.html

1-2. GISポスティングとは

この「GIS」の技術を使ったポスティングが「GISポスティング」です。

チラシを配布したいのはどんな相手か、あらかじめ条件を設定し、その条件に合う人が多くいるエリアをGISで検索・抽出します。そうやって絞り込んだエリアへ集中的・重点的にポスティングを行います。

例えば「60歳以上の人」「子供のいる世帯」「分譲マンション」「●●駅から徒歩▲分圏内」……など、自身の商品を配布したい対象に合わせた条件でのエリア検索が可能です。従来のポスティングとは異なる「根拠」にもとづいた合理的なポスティング方法と言えます。

<GISで抽出できるデータ例>

GISで抽出できる具体的データは下記のようなものです。

ポスティング会社では上記のようなデータ以外にも、独自のデータを持っている場合もあります。依頼する前にポスティング会社に確認してみましょう。

2. GISポスティングを活用する3つのメリット

両手の中に地球

この章では「GISポスティング」が「従来のポスティング」と違う特徴(優れている点)を具体的に説明します。一言でいうならば「GISポスティング」が「従来のポスティング」よりも優れているのは

①根拠にもとづく「ターゲットの確実性」の高さ
②「コストパフォーマンス」の高さ
③「レスポンス」の高さ

と言えます。従来のポスティングの弱点をカバーできるのがGISポスティングの強みです。

2-1. 根拠にもとづく「ターゲットの確実性」の高さ

「GISポスティング」は配布エリア選択の「根拠」「理由」がはっきりしています。従来のポスティングは「根拠」がはっきりしませんでした。

例えば、従来のポスティングの基本となる手法「軒並み配布(ローラー配布)」は、企業や店舗を中心に「半径●km圏内」とエリアを指定し、その指定されたエリアへ文字通り「軒並み」配布していくやり方です。

「何故そのエリアに集中して配布するのか?」という理由は漠然としていました。そのため、全くニーズとかけ離れた相手にポスティングしている場合もあり得ます。その場合、当然、レスポンスは期待できません。

また、チラシを見てもらえたのかどうかは、レスポンスでしか判断できません。そのため「そのエリアが本当にニーズのある人が多く住んでいる地域なのかどうか」根拠がなく、断定ができません。

その点、地理情報を元に配布エリアを選択する「GISポスティング」は「何故配布エリアをそこにしたのか」という「根拠」がはっきりしています。
例えば、

  • 20代〜30代の若い世代がターゲットなら……「20代〜30代が多く住んでいるエリアを抽出する」
  • すでに企業に顧客の個人情報があるなら……「既存顧客が集中して住んでいるエリアをカバーする」
  • 複数のターゲットや顧客データがあるなら…「それぞれのデータが地図上で重なるエリアを導き出す」

このように、データに裏打ちされた確実性の高い「根拠」にもとづいて配布エリアを選択できるのが、「GISポスティング」の優れた、大きな利点です。

2-2. 「コストパフォーマンス」の高さ

「GISポスティング」は、国勢調査という最も信頼できるビッグデータを元に得られた根拠にもとづき、ターゲットが最も多い地域に集中して配布するため、配布の手間やチラシの「無駄」がありません

地理データや商圏データにもとづき、顧客の属性に合わせて配布エリアを絞り込むことで、ターゲットに効率的にアプローチすることが可能です。顧客がいない可能性の高いエリアには配布しないため、無駄な人件費がかかりません。

「選別配布」のようにポスティングスタッフに大きな手間や負担がかかることもなく、時間もかからず、人件費自体が大きく増えることもありません。
また、従来のポスティングは、根拠にもとづかない、経験や慣習にしたがって一定のエリアに配布していました。そのため、ターゲットがいない地域に配布していることもあり、せっかく配布した手間やチラシが無駄になっていることもありました。

「GISポスティング」では配布エリアの世帯数・人口・商店や企業の数までデータから確実に把握できます。そのため配布のために用意するチラシ枚数も無駄に印刷する必要がありません。

もちろん、通常のポスティングサービス(軒並み配布)と比較すると、費用は多少割高になります。しかし配布エリア分析を行いターゲットへ集中的に配布するため、レスポンスが上昇、相対的にコストパフォーマンスは良くなります。

このように、効率性の高さから得られる「コストパフォーマンス」の高さは、「GISポスティング」が従来のポスティングより大きく優れている点と言えます。

2-3. 「レスポンス」の高さ

データにもとづき、ターゲットが多く住んでいるエリアへの集中配布ができるため、従来のポスティングよりも高いレスポンスが期待できます

例えば「選別配布」は、ポスティングスタッフが目視でニーズ対象者を選びチラシを配布する方法です。「植栽メンテナンス・庭木剪定の広告」ならば庭付きの戸建て住宅がメインターゲットとなるでしょう。これは比較的簡単に選別が可能です。

しかし「エステティックサロンの広告」の場合、選別は難しくなります。ターゲットを選別するキーワードは「富裕層」「女性」などが考えられます。「富裕層」は高級分譲マンション等を選べば良いのでスタッフの視認である程度可能でしょう。しかし「女性」が住んでいるかどうかは、スタッフの目視だけではほとんど判断も、確認もできません。

エステティックサロンの価格帯や顧客層によっては、さらに世代も考えなければなりません。これも人力での視認はほぼ不可能でしょう。このように、適していない業種で「選別配布」を行うと、効率がかえって悪くなり、高い費用がかかる割にレスポンスが期待できないことになります。

実際に、ポスティング実績(結果)が出ているため、「GISポスティング」は最近注目を集め、多くのポスティング会社が導入していると言えます。

3.「GISポスティング」でできる2つのこと

数人で手を合わせている

GISは、地理情報を利用して必要な情報を抽出・集計します。これにより「地域の特性」を簡単に見つけることができます。「GISポスティング」はこのGISの技術を最大限に利用して、新たなニーズを見つけることや、長期的なポスティングの戦略を練ることが可能です。その例をいくつかご紹介します。

3-1. 商圏作成:ビッグデータから新たな商圏を作成する

地図上の特定のエリア内の統計データを集計し分析します。
例えば、自社・店舗のある地域などの囲まれた範囲で、その中に「どのくらい、何処に、顧客がいるか」を見つけ出すことが可能です。

逆に、これまでポスティングをしていた自社・店舗を中心としたエリアを指定することもできます。指定したエリアにある建物の種類、世帯の種類、性別や年収層などを分析することで、もしかしたら今まで見当違いの所にポスティングしていた…ということが判明するかもしれません。

3-2. データインポート:独自のデータを取り込み新たな戦略構築が可能

すでに店舗や企業が持っている独自の顧客データや登録会員データがあるなら、それを地図情報に取り込むことができます。また自社・店舗と競合店の位置情報、および顧客の分布を地図上に可視化することで、新たな商圏を開拓したり、戦略を練ることも可能です。

4. 「GISポスティング」が向いている人や会社

たくさんのワーカーたち

4-1. ターゲットが明確であればGISポスティングが効果的

「GISポスティング」はここまで見てきたとおり、地理情報・商圏情報など様々なデータを元に「チラシの情報を必要としている相手へ確実にポスティングする」すなわち、ターゲットを絞り込むポスティング方法です。

そのため、ターゲットが明確であれば、基本的にどんな業種もGISポスティングは効果的です。ターゲットが多いエリアのみに絞って配布することで費用対効果がアップし、効率的に結果を享受できるからです。

例えば下記のような業種には、GISポスティングが向いていると言えます。

GISポスティングが向いている職場

逆に、ターゲットがはっきりしていない場合には、GISポスティングは向いていません。その場合には広くポスティングを行って反響を分析し、ターゲットを明確にしていくという手順を踏んだ方が良いからです。

4-2. 「GISポスティング」が向いている代表的業種

ターゲットがはっきりしていればどんな業種でもGISポスティングは効果的ではありますが、特にGISポスティングに向いている3つの業種を紹介します。

実際のGISポスティングの活用例を確認することで、自分がGISポスティングを依頼すべきかどうかの判断がしやすくなります。ぜひチェックしてみてくださいね。

不動産会社(戸建・分譲マンション)

不動産はその商品(物件)により、購入層が性別・年代・家族構成などに大きく分かれるため、GISポスティングに向いています。

例えば「首都圏に通勤圏内の都市郊外」「4LDK以上の分譲戸建」「6000万円前後」の物件を求めるのは、子供がいるファミリー世帯がほとんどです。この商品のチラシを単身者や20代の学生が多く住む地域に配布したところで、見てももらえない可能性の方が高いと言えます。

逆に、不動産のこの特徴は「GISポスティング」の特性を最大限に活かせます。先ほどの商品ならば「ファミリー世帯が多い」「30代〜40代が多い」「高所得者層が多い」などの情報でGISを検索し、条件に合う世帯が多く住む地域を簡単に抽出できます。ターゲットの多い地域に集中してポスティングすることで、旬な物件情報を最適な購入層に届けられるため、レスポンスも期待できます。

不動産のポスティングについて知りたい方はこちら

不動産のポスティングは効果的!その5つの理由とより効果を出すコツ

フォトスタジオ(写真館)

ユーザーが「成人する20歳(特に女性)」「子供がいる夫婦」「孫がいる(ある程度裕福な)高齢者」など限定的なフォトスタジオは、GISポスティングに向いています。フォトスタジオ(写真館)の撮影は、家族関連、特に子供のものが多くなります。

例えば子供が生まれると、お宮参りから始まって、七五三、入園、入学、成人式など、一人の子供が成人するまでの人生の節目に、多くは家族一緒に写真を撮ります。そのため、ターゲットは「子供のいる家族」「成人式に着物を着て撮影する女性」などになります。

これらのイベントは季節的なものが多く、また何度も利用するものではないので、以前から時期を合わせたポスティングには一定の効果がありました。

これに加え、GISポスティングでは時期以外に、国勢調査データから不動産や推計年収、世帯構成など複数のデータを集計・分析して「ファミリー層」「若い女性」「孫のいる高齢者」などにターゲットを絞り込み、確実に顧客層を取り込むことが可能です。

ターゲットが限定されればされるほど、GISポスティングは威力を発揮します。そのため、フォトスタジオのサービスを周知する宣伝広報にはGISポスティングが向いていると言えます。

学習塾・習い事教室

学習塾や習い事教室も、その特性上、利用者が限定されます。

例えば、学習塾のニーズは子供のいる世帯に限られます。
さらに、塾にはそれぞれ特性があります。補習塾や高校受験ならば子供のいる地域どこでも一定のニーズはありますが、小学校受験や中学受験は、主に富裕層がターゲットになるため、さらに地域を絞り込む必要があります。

一方、大人のための習い事教室ならば、複数のニーズやユーザーが考えられます。
例えば、

①「会社帰りに通いたい会社員」「時間がある程度自由になりお金を自分に使える単身者や若い世代」がターゲットになる場合
②「暇な時間を習い事で充実させたいシニア層」「子育て中にできなかった趣味を改めて習いたい主婦層」がターゲットになる場合

これらの場合はそれぞれ、

  • 習い事教室の立地
  • 通っている生徒の傾向
  • 教室の開かれる時間帯

などに合わせた絞り込みが必要になるでしょう。
「GISポスティング」ならば、商品の特徴ごとにターゲットを絞り込み、ニーズがあるエリアへ集中的にチラシを配布することが可能です。

学習塾のポスティングについて詳しく知りたい人は下記の記事もチェック!

塾のポスティングは効果大!成功事例と反響率を高める3つの戦略

まとめ

「GISポスティング」について、その特性や従来のポスティングより優れている点をお伝えしてきました。

「GISポスティング」は、地理情報を最大限に活用し、ニーズのある相手のいるエリアへピンポイントでポスティングする、新しい手法です。従来のポスティングのような根拠の漠然とした手法ではないため、レスポンスの高さやコストパフォーマンスの高さが期待できます。

この記事が「GISポスティング」利用の参考になれば幸いです。

DEALは、全戸配布スペシャリストです。
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