「転入者に町内会へ加入してもらいたいけど、勧誘してもいい顔をしてもらえない…。どうすれば興味を持ってくれるのだろう?」
「自社の保障サービスへの加入者が中々増えない…。契約者を増やすための何か良い方法はないだろうか?」
自治会・町内会といった地域密着型コミュニティ、保険や県民共済などの保障サービスなど、人によっては日常生活の中で特に重要視していないことに興味を持ってもらい、加入者数を増やしていくのは簡単なことではありませんよね。
コミュニティやサービスに興味を持ってもらい、加入してもらうには「加入促進」の方法でターゲットにアプローチをするのがおすすめです。
加入促進というのは、ターゲットに事業・活動内容に興味を持たせて加入するのを後押しすること。
ターゲットの心を動かす必要のある加入促進は、一見難しそうに感じますが、次の7つのポイントを踏まえて進めていくと、加入者が増える可能性があります。
- 定期的に未加入者へ訪問する
- 世帯に合った方法で勧誘する
- 事業・活動内容を見える化して不安解消に努める
- 地域住民と交流を持てるイベントを開催する
- 加入者しかもらえない特典を用意する
- 加入者の負担を軽減する対策を講じる
- 加入促進を集中的に行う組織を立ち上げる
この7つのポイントは、実際に加入促進に成功した自治会・町内会が行った施策でもあり、一般的な加入促進にも応用できるものです。
本記事では、この成功事例から学ぶ加入促進のポイント7つと、コミュニティ・サービス別に特化した加入促進のポイントを解説します。
「ターゲットにアプローチしても加入者が増えない…」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
1. 加入促進の流れ
まず、加入促進の流れを説明します。
加入促進の流れを理解した上で成功するためのポイントを踏まえた施策を取れば、加入促進を効果的に進められます。
加入促進は、ターゲットごとに流れが変わるので、1つずつ見ていきましょう。
- 新築集合住宅の入居者へのアプローチ
- 既存住宅や新築・中古戸建て入居者へのアプローチ
- 転入して数年経つ未加入者へのアプローチ
1-1. 新築集合住宅の入居者へのアプローチ
新築マンションや数戸まとめて建てられる一軒家の集合住宅の入居者へは、次のステップで加入促進をしていきます。
- 開発業者とアポイントの交渉をする
- 開発業者と人間関係を構築できたら資料を渡す
1つずつ説明します。
開発業者とアポイントの交渉をする
まず、新規集合住宅の開発業者に、アポイントの交渉をしましょう。開発業者にアポイントの交渉をするのは、入居者に対するコミュニティやサービスの案内や加入の取りまとめの協力をお願いするためです。
開発業者が協力してくれれば、入居者宅を個別に訪問して、コミュニティやサービスへの加入を勧誘する手間を省けます。
開発業者は、建設場所に設置されている看板や開発業者の説明会、行政から届いた開発情報の連絡などで分かります。
開発業者情報を得られなかった場合は、1-2. 既存住宅や新築・中古戸建て入居者へのアプローチを参考にして、アポイントの交渉をしましょう。
開発業者に案内や加入の取りまとめを交渉する
開発業者とのアポイントに成功したら、入居者に対するコミュニティやサービスの案内や加入の取りまとめを交渉しましょう。
交渉するときにポイントとなるのが「開発業者と人間関係を築いたら、協力をお願いすること」です。
開発業者と人間関係を築くことで信頼性も生まれ、転入者へ加入の案内と取りまとめを快く引き受けてもらえる可能性が高まります。
コミュニティやサービスの案内や加入の取りまとめは、コミュニティの活動内容やサービスの事業内容が分かる資料(パンフレットやチラシなど)を渡して交渉するのがおすすめです。また、交渉するときは、コミュニティやサービスの必要性と加入すると得られるメリットも説明しましょう。
1-2. 既存住宅や新築・中古戸建て入居者へのアプローチ
既存住宅や新築・中古戸建て(1軒)入居者へのアプローチは、入居後、なるべく早い段階行いましょう。
ここで説明する加入促進の流れは、新築集合住宅の開発業者に働きかけても加入促進がうまくいかなかったときにも有効です。
加入促進の流れは、入居者の住居形態によって異なります。
賃貸・分譲マンションの入居者 | 新築・中古戸建ての入居者 | |
---|---|---|
ステップ① | 家主や管理会社とアポイントの交渉をする | 個別にアポイントの交渉をする |
ステップ② | 担当者に、入居者に対するコミュニティーやサービスの案内や加入の取りまとめを交渉する | コミュニティーやサービスの案内や加入の勧誘をする |
賃貸・分譲マンションの場合は、まず家主や管理会社とアポイントの交渉をします。
アポイントが取れたら、その後の流れは1-1. 新築集合住宅の入居者へのアプローチのステップ②開発業者に案内や加入の取りまとめを交渉すると同じです。
新築・中古戸建ての場合は、個別にアポイントの交渉をします。
アポイントが取れたら、コミュニティーやサービスの案内、加入の勧誘を進めていきます。
1-3. 転入して数年経つ未加入者へのアプローチ
転居して数年経つ未加入者へは、次の2つの方法で加入促進をします。
- 加入しない理由をヒアリングする
- イベント参加を呼び掛ける
1つずつ説明しましょう。
加入しない理由をヒアリングする
まず、コミュニティーやサービスに加入しない理由をヒアリングしましょう。
加入しない理由をヒアリングすることで、未加入者がコミュニティーやサービスに対して抱いている不安や疑問を知ることができます。
その不安や疑問を解消するコミュニティーやサービスのメリットを説明すれば、未加入者が加入へ前向きになってくれる可能性が高まります。
未加入の理由 | 加入へのアプローチ例 |
---|---|
転勤するから長く住まないのだけど… |
【自治会・町内会の場合】 短い間かもしれないですが、地域のことがわかるコミュニティーに加入してもらう方が安心して生活できます。 【県民共済の場合】 転居先の県民共済に管理を移せますので、保障を引き継ぐことができます。 |
コミュニティーに入らなくても困らない。特に情報は必要ありません。 |
コミュニティーには、生活に役立つ情報がたくさんあります。大切な情報を逃さないためにも、ぜひご加入ください。 |
他の保障サービスに加入しているので、必要ありません。 |
年齢やライフスタイルが変わってくると、リスクが増えることもあります。保障を少しでも手厚くしておけば、安心できますよ。 |
イベント参加を呼び掛ける
イベントを開催する予定があれば、未加入者にそのイベント参加を呼び掛けるのも良い方法です。
ただ、イベントを何でも案内するのではなく、未加入者がメリットを感じるようなイベントをお知らせするのがポイントです。
未加入者のメリットになるようなイベントを案内し、気軽に参加できることをアピールすれば、コミュニティーやサービスに対してポジティブなイメージを持ち、加入を前向きに検討してくれる可能性が高まります。
加入促進の対象者 | 案内するイベントの例 |
---|---|
子供がいる世帯 |
子供が喜ぶイベント
など |
高齢者世帯 |
高齢者が参加しやすいイベント
など |
コミュニティーやサービスへの加入の勧誘は、未加入者との交流が深まったら行いましょう。
未加入者がイベントに参加した時点で勧誘してしまうと、「勧誘のためにイベントを案内した」と思われかねません。
特に、過去に一度案内はしたものの加入には至らなかった方への加入促進は、タイミングが大切となることを押さえておきましょう。
2. 成功事例から見る加入促進で押さえておきたいポイント7つ
加入促進は、1章で紹介した流れに従えばうまくいくとは限りません。ターゲットの心を動かして加入につなげるには、実際に加入促進を成功させた事例を参考にすると良いです。
そこでここでは、加入促進を行うにあたって押さえておきたいポイントを7つ説明します。
- 定期的に未加入者へ訪問する
- 世帯に合った方法で勧誘する
- 事業・活動内容を見える化して不安解消に努める
- 地域住民と交流を持てるイベントを案内する
- 加入者しかもらえない特典を用意する
- 加入者の負担を軽減する対策を講じる
- 加入促進を集中的に行う組織を立ち上げる
ここで取り上げる加入促進のポイントは、加入につなげるのが難しい自治体・町内会の成功事例がもとになっていますが、他のコミュニティやサービスでも応用できるので参考にしてみてください。
2-1. 定期的に未加入者へ訪問する
ターゲット宅へ定期的に訪問することが加入促進につながります。定期的に訪問することで、徐々に人間関係を構築でき、信頼感を持ってもらいやすいからです。
ここで、定期的に未加入者宅へ訪問して、加入促進に成功した自治体・町内会の事例を紹介しましょう。
【加入促進の成功事例:栃木県宇都宮市豊郷地区 岩曽町中自治会】
加入促進の成果 |
自治会への加入率が96.6% |
---|---|
加入促進で行ったこと |
自治会長と役員が転入者宅へ数回訪問し、次の内容を説明
|
参考:宇都宮市 令和元年度「自治会活動事例集 地域まちづくりノート」(表彰自治会紹介)掲載の18年間続く芋煮会で親睦を深める(岩曽町中自治会)
岩曽町中自治会が加入促進を成功させた理由の1つに、「1回の訪問で勧誘せず、数回訪問して加入促進した」ことが挙げられます。
具体的には、次のようにアクションをすると、加入へつながる可能性が高まります。
【加入までの流れ】
①初回は、事業や活動案内などの資料を手渡して数分くらいの訪問にとどめる
②日を改めて、2回目以降の訪問時に詳しい事業や活動内容などを説明する
→未加入者との間で人間関係を構築でき、加入
2-2. 世帯に合った方法で勧誘する
ターゲットの世帯に合った方法で勧誘するのも、加入促進の成功のポイントです。
世帯に合った方法で勧誘することで、ターゲットに自分事と思ってもらいやすく、関心を寄せてもらいやすくなります。
【加入促進の成功事例①:栃木県栃木市のある自治会】
加入促進の成果 |
自治会内の全世帯が加入 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
子供が参加する行事の案内 |
参考:栃木市自治会連合会 2019 自治会活動の手引き
こちらの栃木県のとある自治会の場合、その自治会がある地域には多くの世帯に子供がいたそうです。地域の子供が参加するイベントの案内をターゲットに案内したところ、加入者が増加して結果的に自治会内の全世帯が加入しました。
この自治会が加入促進に成功した理由は、
- 子供にとっては身近に友達を作れる
- 親にとっては、親同士でコミュニケーションが取れて頼れる存在を作れる
というように、子供がいる世帯にとってメリットとなることを考えた加入促進をしたからといえます。
【加入促進の成功事例②:福岡県北九州市第7区自治会(若松区)】
加入促進の成果 | 自治会加入率約93%を達成 |
---|---|
加入促進で行ったこと | 毎週火曜日に開催している「ふれあい朝市」の開催と案内 |
参考:北九州市 平成30年3月 自治会加入促進・脱会防止活動事例集
北九州市第7区自治会は、地域の高齢率が50%を超えたこと、地域にスーパーがなくなったことで、住民とコミュニケーションを作る場として「ふれあい朝市」を開催しました。その案内を地域住民にしたところ、自治会加入率を約9割まで達成することができたそうです。
高齢者世帯の場合は、特に1人暮らしの場合だと、地域の人とつながらなければ孤独になりがちです。北九州市第7区自治会の事例は、そんな高齢者が安心して生活し、地域の人と交流を持てるようなイベントを案内したことで、ターゲットの高齢者の心を動かす加入促進に成功した例といえます。
【加入までの流れ】
①ターゲットとなる世帯にとってメリットとなるイベントを案内する
②初めてイベントに参加してもらい、コミュニティーの活動内容やサービスの事業内容を知ってもらう※いきなり勧誘しない
③2回目以降もイベントに参加してもらい、コミュニティーやサービスに親近感を持ってもらう
→コミュニティーやサービスにポジティブな印象を持ち、加入
2-3. 事業・活動内容を見える化して不安解消に努める
サービスの事業内容やコミュニティーの活動内容を「見える化」して、加入促進のターゲットの不安解消に努めることもポイントです。事業・活動の内容が不透明だと、不信感が生まれやすくなるからです。
活動内容を「見える化」したことで、発足以来、加入率100%を維持している自治会があります。
【加入促進の成功事例:栃木県宇都宮市築瀬地区 築瀬10丁目自治会】
加入促進の成果 |
自治会加入率100%を達成 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
会長自ら新入居者宅へ訪問し、会報をもとに自治会の様子を説明 |
参考:宇都宮市 平成30年度「自治会活動事例集 地域まちづくりノート」(表彰自治会紹介)掲載の発足以来、自治会加入100%を維持(簗瀬10丁目自治会)
【加入してもらうまでの流れ】
①サービスの事業内容・コミュニティーの活動内容の説明を具体的にする
※特に、会費や利用料金などお金のことは明確に説明する。
例)コミュニティーの場合:会費はいくらで、いつどのようなときに使われるか
保障サービスの場合:月々の掛け金はいくらで、いつどのようなときに降りるのか
②事業内容や活動内容が明確になることで、未加入者の不安や疑問を解消
→コミュニティーやサービスにポジティブな印象を持ち、未加入者との間で信頼関係も生まれて加入
未加入者に信頼してもらうことが、加入者増のポイントになりそうですね。
2-4. 地域住民と交流を持てるイベントを開催する
未加入の地域住民と交流を持てるイベントを開催するのも、加入促進で押さえておきたいポイントの1つです。イベントを通して未加入の地域住民と交流を持てば、人間関係や信頼関係を構築でき、事業や活動内容に関心を寄せてもらいやすくなります。
【加入促進の成功事例:神奈川県横浜市瀬谷区 アーバンドエル瀬谷自治会】
加入促進の成果 |
自治会内の加入者9割を維持 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
|
参考:横浜市町内会連合会 自治会町内会活動の実践事例
地域住民と交流を持てるイベントを開催し、未加入者に加入してもらうまでの流れは次の通りです。
【加入までの流れ】
①未加入者も含めた地域住民と触れ合えるイベントを開催する
②未加入者にイベント参加を呼び掛ける
③未加入者がイベントの参加を通して、コミュニティーやサービスを身近に感じてもらう
※コミュニティーの場合は、地域の人と顔見知りになって、孤独ではなくなることを知ってもらう
→未加入者にコミュニティーやサービスにポジティブな印象を持ち、加入
地域住民を巻き込んだイベントは、数回、定期的に開催するのがポイントです。
定期的にイベントを開催し、未加入者へ都度参加を呼びかけて、時間をかけて人間関係を築き、加入促進へとつなげていきましょう。
2-5. 加入者しかもらえない特典を用意する
加入者しかもらえない特典を用意すれば、人は「限定」や「特典」といった特別なものに弱いため、ターゲットの心動かしやすくなります。
【加入促進の成功事例:東京都東村山市晴美自治会 栄町1丁目自治会】
加入促進の成果 |
自治会加入者増加 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
自治会加入者全員に防災グッズを配布 |
参考:東村山市 自治会加入マニュアル制作委員会 自治会マニュアル
【加入までの流れ】
①未加入者のメリットとなるものや喜びそうなものを特典として用意する
②加入するともらえる特典をアピールして、未加入者へ加入の勧誘をする
→特典を知った未加入者がコミュニティーやサービスに入るメリットを感じて加入
自治会・町内会の場合は、地域との結束がメリットとなる防災・防犯関連の特典を付けると加入してもらいやすくなるようです。
その他の事業でも、ターゲットがメリットと感じるものや喜びそうなものを加入者特典として用意すれば、興味を持ってくれる可能性が高まります。
【加入者特典の例】
企業名 | 加入者特典 |
---|---|
J:COM(ジェイコム) ※ケーブルテレビやインターネットなどの通信事業 |
など |
Y!mobile ※格安スマホ事業 |
PayPayモールやYahoo!ショッピングで500円クーポンが使える など |
広島県民共済 |
など |
埼玉県民共済 |
など |
2-6. 加入者の負担を軽減する対策を講じる
ターゲットの負担を軽減する対策を講じて、加入促進に成功した事例もあります。
【加入促進の成功事例①:鹿児島県鹿児島市 自由ケ丘一区町内会】
加入促進の成果 |
加入率60%から100%へ |
---|---|
加入促進で行ったこと |
加入促進活動をする中で訊いた住民の声から、以下の対策を実行
|
【加入促進の成功事例②:栃木県栃木市のとある自治会】
加入促進の成果 |
自治会内の全世帯で加入 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
会費を半額にした(1期限り) |
参考:栃木市自治会連合会 2019 自治会活動の手引き
自治会・町内会の場合は、役員の業務やイベントの準備、会費の面が負担に感じることがあるようです。
この負担を解消し、地域の人全員が気持ちよく暮らせるようにするために対策をして加入促進に成功した事例が、上記2つの自治会・町内会になります。
【加入までの流れ】
①未加入者が負担に思っていることをヒアリングする
②ヒアリング内容を解消する対策を講じる
③未加入者が抱く負担を軽減できることをアピールする
→コミュニティーやサービスにポジティブな印象を持ち、加入
ターゲットがデメリットと思うことやターゲットが加入しない理由をヒアリング・分析して、そのデメリットを解消する対策を実行すれば、加入してもらいやすくなるといえますね。
2-7. 加入促進を集中的に行う組織を立ち上げる
加入促進を集中的に行う組織を立ち上げるのも有効です。専門的な組織を作ることで、効率よく加入促進活動を行えるようになります。
【加入促進の成功事例:北海道札幌市 白石地区連合町内会】
加入促進の成果 |
加入率の増加 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
「町内会加入促進委員会」を設置し、以下の活動を実施
|
加入促進を集中的に行う組織を作って活動すれば、短期間で加入促進でき、ターゲットに早めにアプローチできて加入につながる可能性が高まります。
加入時期を逃さないためにも、加入促進を集中的に行う組織を立ち上げるのがポイントです。
3. 【コミュニティ・サービス別】加入促進のポイント
2章で説明した、成功事例から見る加入促進のポイントを踏まえれば、加入促進が成功する可能性が高まります。ただ、ターゲットに合った加入促進のポイントを知ることも大切です。
ターゲットに合った加入促進のポイントを押さえることで、より効果的な加入促進を行えます。
加入促進は色々な事業・活動で行われることですが、ここでは①自治会・町内会、②県民共済の、地域密着型コミュニティと保険サービスの2つの加入促進のポイントを解説します。
3-1. 【自治会・町内会】加入促進のポイント3つ
自治会・町内会の加入促進のポイントは、次の3つです。
- 早めに開発業者や管理会社と人間関係を構築する
- 2~3名で訪問する
- 加入のメリット・未加入のデメリットを粘り強く説明する
では、1つずつ見ていきましょう。
早めに開発業者や管理会社と人間関係を構築する
早めに開発業者や管理会社と人間関係を築きましょう。特に、新築集合住宅(マンションや一軒家の集合住宅)の入居者へ加入を勧めるときに有効です。
【加入促進の成功事例①福岡県北九州市第7区自治会(若松区)】
加入促進の成果 |
自治会内の新築マンション全戸の加入成功 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
|
参考:北九州市 平成30年 自治会加入促進・脱会防止活動事例集
【加入促進の成功事例②福岡県北九州市高見自治区会(八幡東区)】
加入促進の成果 |
自治会内の新築マンション全戸の加入成功 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
|
参考:北九州市 平成30年 自治会加入促進・脱会防止活動事例集
この2つの自治会の行動で共通しているのは、集合住宅ができると聞いたら、すぐに開発業者との人間関係を構築しているところです。
開発業者へ早めに自治会のことを知ってもらい、案内と加入への取りまとめを交渉することで、入居者の加入のタイミングを逃すことを防げます。
新築の集合住宅ができると分かった時点で、1-1. 新築集合住宅の入居者へのアプローチを参考に開発業者へアポイントの交渉をしましょう。
開発業者が分からなかった場合、開発業者に加入促進の取りまとめをお願いしても全戸加入に至らなかった場合は、管理会社に働きかけましょう。
2~3名で訪問する
開発業者や管理会社、未加入者宅、いずれの方でもアポイントに成功したら、自治会役員2~3名で訪問するようにしましょう。
役員数名で訪問することで、警戒心が薄れ、「組織的に活動している」と信頼を得やすくなるからです。
2. 成功事例から見る加入促進でおさえておきたいポイント7つの2-1. 定期的に未加入者へ訪問するで取り上げた、加入率96.6%を誇る岩曽町中自治会は、役員1人でなく、自治会長も同伴してターゲット宅を訪問しています。
ターゲット宅を訪問するときは、自治会長と、少なくとも役員1名は必ず同伴させましょう。
また、毎回同じメンバーで訪問するのではなく、別の役員や訪問する世帯の年代に近い役員数名で訪問するのも有効です。
ターゲットの警戒心が解けて、自治会・町内会の活動に耳を傾けてもらいやすくなります。
加入のメリット・未加入のデメリットを粘り強く説明する
自治会・町内会への加入のメリット、未加入のデメリットを粘り強く説明しましょう。
特に、ターゲットに合った加入のメリットを説明すると、加入につながることがあります。
【加入促進の成功事例:福岡県北九州市 第19区自治会(若松区)】
加入促進の成果 |
自治会内のマンション全戸加入 |
---|---|
加入促進で行ったこと |
|
参考:北九州市 平成30年3月 自治会加入促進・脱会防止活動事例集
第19区自治会の場合、自治会が費用を負担している公民館などの施設を利用できるところが、ターゲットとなったマンション入居者にとってメリットが大きかったようです。公民館などの施設が利用できれば、マンションの総会で使えるからです。
また、1人暮らしの高齢者を訪問し、孤独にならないよう配慮しているところをアピールしたことも、ターゲットの高齢者にとって自治会加入のメリットと捉えられたようです。
子供のいる世帯が多い、高齢者が多いといった、地域の世帯の特性を踏まえて、自治会加入のメリット、未加入のデメリットを強調して説明すると、加入につながる可能性が高まります。
3-2. 【県民共済】加入促進のポイント2つ
県民共済の場合、加入促進のポイントは次の2つです。
- 気軽に相談できる印象を作る
- チラシを工夫する
1つずつ説明しましょう。
気軽に相談できる印象を作る
まず1つ目のポイントは、「気軽に相談できる印象作る」ことです。
「もしも」のときに地域の人で助け合うことのできる、地域密着型の県民共済だからこそ、地域住民の人が気軽に相談できるような県民共済であれば、心強く思い、加入につながることも考えられます。
奈良県で『ウーマンライフ』という女性向け定期刊行誌を発行している、株式会社ウーマンライフ新聞社が2018年3月29日に公開したニュースよると、奈良県では7人に1人が奈良県民共済に加入しているそうです。
県民共済への加入率が高い理由として、「親近感」と「信頼性」が挙げられています。
定期的に開催する相談会などで、県民共済への加入を検討していたり、興味を持っていたりする地域住民の質問に何でも答え、不安に思っていることを全て解消するような姿勢を持っていることが、加入者増につながったようです。
地域住民に寄り添うことが、加入促進のカギとなりそうですね。
チラシを工夫する
県民共済への加入促進の1つとして、県民共済の案内チラシの配布もあるでしょう。そのチラシを工夫することで、加入促進を成功できる可能性が高まります。県民共済の内容すべてをそのまま書いてもよいですが、ターゲットに突き刺さるチラシにするのも効果的です。
ターゲットを絞ったチラシにことで、自分事と思われやすく、「加入しようかな」と思ってもらいやすくなります。
目に留まるチラシ作成の方法については、弊社のホームページ掲載のコラム・目に留まる折込チラシをデザインできる!7つのポイントと実例9選でご紹介しています。
ぜひご覧いただき、加入促進にお役立てください。
また、DEALでは、ポスティングに車を使い、どのような場所でも確実にターゲット宅へチラシをお届けいたします。
詳しいサービスのご案内やお問い合わせは、弊社のホームページをご覧ください。
まとめ
加入促進は、ターゲットによって流れが変わってきます。
- 新築集合住宅の入居者へのアプローチ
1. 開発業者とアポイントの交渉をする
2. 開発業者と人間関係を構築できたら資料を渡す
- 既存住宅・新築戸建て入居者へのアプローチ
賃貸・分譲マンションの入居者 | 新築・中古戸建ての入居者 | |
---|---|---|
ステップ① | 家主や管理会社とアポイントの交渉をする | 個別にアポイントの交渉をする |
ステップ② | 担当者に、入居者に対するコミュニティーやサービスの案内や加入の取りまとめを交渉する | コミュニティーやサービスの案内や加入の勧誘をする |
- 転入して数年経つ未加入者へのアプローチ
1. 加入しない理由をヒアリングする
2. イベント参加を呼び掛ける
この流れに合わせて、成功事例から見る加入促進のポイントを踏まえて進めていくと、加入者増につながる可能性が高まります。
- 定期的に未加入者へ訪問する
- 世帯に合った方法で勧誘する
- 事業・活動内容を見える化して不安解消に努める
- 地域住民と交流を持てるイベントを開催する
- 加入者しかもらえない特典を用意する
- 加入者の負担を軽減する対策を講じる
- 加入促進を集中的に行う組織を立ち上げる
さらに、コミュニティー・サービスに特化したポイントも踏まえて加入促進すると、効果的です。
【自治会・町内会】加入促進のポイント3つ
- 早めに開発業者や管理会社と人間関係を構築する
- 2~3名で訪問する
- 加入のメリット・未加入のデメリットを粘り強く説明する
【県民共済】加入促進のポイント2つ
- 気軽に相談できる印象を作る
- チラシを工夫する
加入者増という目標を達成するには時間を要しますが、加入促進は地道に、粘り強く行いましょう!
この記事でご紹介したことが、加入促進の手助けとなれば幸いです。