「ダイレクトメールを作りたいけれど、どんなデザインがいいだろう?」
「効果のあるDMデザインって、どうすればできるんだろう?」
そんな悩みを持っている経営者の方や店長さんも多いことでしょう。
実はDMには、簡単に実践できて効果が上がるデザインのコツがあるのです!
例えば、
- 同業他社のDMを参考にする
- メインになる写真を大きくする
- 季節に合った色使いをする
など、誰でもすぐにできるコツばかりです。
そこでこの記事では、
◾️誰でもできるDMデザインの10のコツ
を中心に、他にも
◾️DMデザインで重視すべきポイント
◾️商品やサービスの種類別に効果的なデザイン
なども解説していきます。
この記事を読めば、あなたのDMもぐっと効果の上がるデザインにできるはずです!
1. DMデザインで重視すべきポイントとは
ダイレクトメールを作る場合にもっとも重視すべきなのは、コンセプトを明確にすることです。
「誰に」「何を」伝える広告なのかを具体的に突き詰めることが必要なのです。
◾️「誰に」=ターゲットの年齢、性別、居住地、年収、嗜好などを詳しく掘り下げて絞り込みましょう。
◾️「何を」=「新規開店なので、まずは知ってもらえればよい」のか、「お得意様向けのセールのお知らせをしたい」のかなど、知らせたいことをひとつに絞って決めましょう。
例えば、「ちょっと客単価の高い和食店だけれど、ランチは品数が多くてリーズナブルなので、若い人にももっと来てほしい」という場合は、ターゲットは「若い人」で、伝えたいのは「ランチのボリュームと安さ」ですよね。
その場合、若い人の目を惹くデザインにする必要がありますし、ランチメニューのおいしそうな写真を大きく使い、価格も大きく書くなどアピールする必要があるでしょう。
これらをはっきり決めずに、「老若男女すべての人にアピールしたい」「ランチのお得感だけでなく、高価なディナーメニューやコースメニューなども知ってほしい」などと、いろいろ詰め込んでしまうと、ダイレクトメールの意図がぼやけてしまい、結局は相手の心を捉えることはできません。
まず最初に、コンセプトを決めることから始めましょう。
2. 誰でも今すぐ実践できる!DMデザイン10つのコツ
「誰に」「何を」伝えるかというコンセプトが決まったら、いよいよそれに合ったデザインを考えます。
ターゲットの心を捉えて、アピールしたいことが伝わるダイレクトメールを作るには、デザインにもコツがあります。
この章では、10のコツをご紹介していきましょう。
2-1. 同業他社のDMを参考にする
まず最初に、ターゲット層が重なっている同業他社5社以上のDMを集めて比較してみましょう。
色やフォント(字体)、写真や全体の雰囲気などに共通点があれば、それはターゲットに訴求するデザインである可能性が高いといえます。
というのも、他社もまたターゲットに対して効果の高いDMデザインを研究しているからです。
特に、何回もDMを出していて効果を上げている企業のものは参考になるでしょう。
例えば、
- 色:寒色系が多い、ピンクを多用している、ビビッドな色より落ち着いた色が使われている、など
- フォント:太くて硬い、細くて女性的、丸くてかわいい、手書き風、など
- 写真やイラスト:店員の写真がある、料理写真が大きい、美しい風景のイメージ写真がある、など
- サイズや紙質、形:高級感ある紙で招待状型、圧着式ではがして読む形、など
など、いろいろなポイントをチェックしてみてください。
共通点が見つかれば、それをベースにして、さらにアピールできる工夫を加えるとよいでしょう。
2-2. 視線の流れに合わせてZ型またはN型にレイアウトする
人が印刷物を見るときの視線の流れには法則があるので、それにしたがってレイアウトしましょう。
その法則とは横書きのものであれば、左上から右下へと「Z型」に読んでいき、縦書きなら右上から左下へと「N型」に読む、というものです。
以下の図を見てください。
この矢印の流れで視線が動くということです。
この法則にしたがうと、最初に目につくオレンジ色の丸の部分に、もっとも伝えたいことや写真を配置すれば、相手の目を惹くことができます。
文字の大きさも、視線の動きの始まりは大きくし、流れにしたがって小さくなるようにすると読みやすくなります。
2-3. キャッチコピーは紙面の約3分の1のスペースをとる
もっとも伝えたいことを端的に表わすためには、ターゲットの興味を一瞬で惹きつけるようなキャッチコピーが必要です。
よいキャッチコピーの作り方は、デザインとはまた別のテーマになりますのでここでは割愛しますが、広告デザインにおいては、キャッチコピーは紙面の4分の1〜3分の1のスペースをとって大きく掲載するのが効果的とされています。
企業や店舗の側からすれば、DMに書きたいことはたくさんあるでしょうが、細かい字で書き込まれてもなかなかすべてを読んでもらうことはできません。
むしろ、ひと目見ただけで読むのが面倒と感じられて、見てももらえないかもしれません。
それよりも、「おや? 何だろう?」と思わず引き込まれる1フレーズを大きく配置した方が、相手の興味を惹きつけて、内容を読んでみたい気持ちにさせるのです。
ですから、スペースがもったいないと思わずに、思い切って3分の1をキャッチコピーに割きましょう。
2-4. メインになる写真を大きくする
写真は、1枚でイメージやコンセプトを相手に伝えて印象づけることができる重要なものです。
メインとなる1枚を決めて、できるだけ大きく使って目を惹きましょう。
例えば、
- そのお店や企業で働く人の写真
- 飲食店の料理など、商品の写真
- その商品やサービスのおかげでベネフィット(よい効果)を得られた顧客のイメージ写真→「不動産」なら幸せそうに暮らす家族写真、「美容」なら美しくなった女性など
- 美しい風景などのイメージ写真
などを大きく使うとよいでしょう。
「商品の写真、店内の写真、スタッフの笑顔の写真、どれも大きくしたい」と思うかもしれませんが、メリハリがなく写真を並べると、結局はどの写真もあまり印象に残りません。
一番伝えたいことがもっとも表現されている写真1枚だけを大きく使ってください。
2-5. イメージに合ったフォントを使う
フォント(字体)によっても相手に与えるイメージは大きく左右されますので、ターゲットやコンセプトにぴったり合ったフォントを選びましょう。
例えば、よく使われるフォントを比較してみましょう。
【明朝体】まじめ・知的・繊細・和風・女性的
【ゴシック体】力強い・安定感・楽しい・わかりやすい・男性的
他にもさまざまなフォントがあり、同じ言葉でもまったく違う印象になります。
注意したいのは、ひとつのDMの中で使うフォントの種類は3種類程度に抑えることです。
あまり多くのフォントを使うと、全体の印象が散漫になってしまうからです。
フォントの印象を効果的に利用するためには、種類を絞ってください。
2-6. 訴求したいことを一番目立つ場所に書く
「2-2 視線の流れに合わせてZ型またはN型にレイアウトする」でも触れましたが、もっとも伝えたいことはもっとも目を惹く位置に配置しましょう。
DMには、最低限でも以下の4つの要素が必要です。
- キャッチコピー
- ターゲットへのアピール文
- 写真やイラスト
- 問い合わせ先
多くの場合、キャッチコピーをもっとも目立つ場所に大きく配置するでしょう。
または、店名やサービス名と電話番号や、イメージを伝える写真を大きく掲載するパターンもあります。
横書き=Z型レイアウトの場合は左上、縦書き=N型の場合は右上がもっとも目立つ場所ですので、そのスペースを有効に活用しましょう。
2-7. 文字を詰め込みすぎない
DMは、まず目を通してもらうことが大切です。
そのためには、長い文章や商品説明など、文字を詰め込みすぎないようにしましょう。
人は毎日のように、DMやチラシを目にします。
そのすべてをていねいに読む人は少ないでしょう。
目を惹いたもの、関心を持ったものだけを手に取るはずです。
そこで、文字がぎっしり書き込まれたDMだと、読むのが面倒だと感じて目を通してもらえない可能性が高いのです。
それよりも、気になるキャッチコピーや写真が大きく掲載されているほうが、おのずと目に飛び込んできて「これは何だろう?」と興味を引くことができます。
DMに掲載する内容は極力少なく絞って、メリハリをつけてデザインしましょう。
2-8. アイキャッチとなるデザイン要素を取り入れる
「アイキャッチ」とは、「見る人の目を惹きつけるもの・こと」という意味です。
DMにもアイキャッチとなる写真やイラスト、ロゴやキャラクターなどを取り入れて、ターゲットの興味を引きましょう。
キャッチコピーも、すべての文字を同じフォント・大きさにせず、強調したい部分だけフォントを変えて大きくするとアイキャッチ効果がアップします。
オリジナルのロゴやキャラクターなどを使うのもいいでしょう。
注目してほしい部分を指差しマークや矢印などで示すのもアイキャッチになります。
伝えたい内容にメリハリをつけて、ターゲットの印象に残すために、ぜひアイキャッチ要素を取り入れてください。
2-9. 季節に合った色使いをする
色が与えるイメージも、広告では重要です。
DMの場合は、季節に合った色を選ぶとよいでしょう。
というのも、季節感を抱かせるDMは、受け取った人の興味を引いて開封されやすい傾向があるからです。
季節に合った色とは、
- 春:桜のような淡いピンク、新緑の若草色などのパステルカラー
- 夏:夏空や海のような鮮やかなブルー、太陽のオレンジや赤、ひまわりの黄色などビビッドカラー
- 秋:紅葉を連想する深い赤や濃い黄色、木の実や草木のような茶色、ベージュなどウォームカラー
- 冬:雪景色の白、氷をイメージさせる銀色、冬空のグレーなどグレイッシュカラーやペールカラー
などです。
また、季節のイベントにちなんだ色も効果的です。
例えば、
- お正月:おめでたい金色や赤
- ハロウィン:かぼちゃのオレンジ、黒
- クリスマス:キリストの血の赤と、もみの木の緑
などが代表的です。
このような色が使われたDMが届くと、「何のお知らせかな?」と興味を引かれますよね。
特に、1年を通じて数回DMを出す場合は、季節ごとにベースとなる色を変えることで変化をつけられるので、「また同じDMか」と捨てられてしまう確率が下がるでしょう。
ぜひ季節に合った色を使ってみてください。
2-10. テンプレートを利用する
自分で一からデザインを考えるのが難しければ、既存のテンプレートを利用するという手もあります。
インターネット上にはDMやチラシのテンプレートをダウンロードして使えるサイトがたくさんあり、業種や内容別に適したものを選部ことができます。
中にはプロのデザイナーが作ったものを無料で利用できるサイトもありますので、気に入ったデザインが見つかれば、文字を入力するだけでDMを作ることができます。
おしゃれなデザインが知りたい方はこちら
3. 商品やサービスの種類別・効果的なデザイン
DMのデザインは、広告したい商品やサービスによっても変わってきます。
この章では、どんな商品・サービスにはどんなデザインが効果的かを解説していきましょう。
3-1. 購入価格が高額な商品・サービスの場合
不動産、自動車、宝飾品などの高額な商品・サービスのDMに重要なのは、
- 高級感、上質感
- 信頼感
です。
デザインとしては、
- 高画質・高精細の写真を入れる
- 黒と金色など、高級感を感じさせる色使いにする
- 紙質も高級感のある上質なものを使う
- 商品説明や料金表などの情報を細かく書くよりも、商品イメージを伝えることを重視する
などに留意するといいでしょう。
3-2. 他社との比較検討に時間がかかる商品・サービスの場合
電化製品、旅行など、他社商品と比較検討されがちなものの場合は、
- 詳しい商品情報
- DM送付のタイミング
が重要です。
他社DMと比べて記載されているスペックなどの情報が不足していると、購入候補から脱落してしまう可能性があります。
また、電化製品のリニューアルや、新年度の引っ越し時期、夏休みや連休の旅行シーズンなど、商品の購入意欲が高まる時期の直前に送付すると、効果もアップするでしょう。
デザインとしては、
- 他社DMと比較して、十分な商品情報を掲載する
- 商品情報のひとつとして、スペックやメリットを伝える写真も必須
- イメージよりも内容に重きをおく
ことが大切です。
3-3. 「お得意様」中心の商品・サービスの場合
美容室や美容サロン、化粧品ブランドやファッションブランドなどでは、
- おしゃれ感、高級感
- 「お得意様」としてのコミュニケーション
- 他店との違い、オリジナル性
が必要です。
デザインとしては、
- 女性向けの色、フォント、デザインを意識する
- おしゃれ感、高級感を出す
- 顧客の名前や手書きメッセージなど、「あなただけ」を感じられる工夫をする
といったポイントを押さえましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
効果の上がるDMデザインとはどんなものか、イメージできたかと思います。
では最後にこの記事の要点をまとめてみましょう。
◾️DMデザイン10つのコツ
- 同業他社のDMを参考にする
- 視線の流れに合わせてZ型またはN型にレイアウトする
- キャッチコピーは紙面の約3分の1のスペースをとる
- メインになる写真を大きくする
- イメージに合ったフォントを使う
- 訴求したいことを一番目立つ場所に書く
- 文字を詰め込みすぎない
- アイキャッチとなるデザイン要素を取り入れる
- 季節に合った色使いをする
- テンプレートを利用する
これらのコツを抑えて、あなたのDMが集客効果をぐんとアップできることを願っています!