「DMにはどんな効果があるのか」
「DMは自社の広告手法として効果があるか」
とお悩みではありませんか?
DMの効果はいくつかありますが、その1つに「受け取り手の行動を促す」ことがあります。
日本ダイレクトメール協会の調査によると、DMを受け取った人が何らかの行動を起こした割合は24%です。
DMをきっかけに、1/5もの人が「人との話題にする」「SNSに書きこむ」「問い合わせを行う」「店舗に出かける」などの行動を起こしています。
他の広告手法に取り組んでいる人であれば、DMが非常に効果的であることがおわかりいただけるでしょう。
この記事では、DMの具体的な効果として
- DMの受け取り手がとる行動(開封率・行動喚起率)
- DMを打つことで得られる3つのメリット
- 他の広告手法との違い
を紹介します。
この記事をお読みいただくことでDMを効果を具体的に把握し、適切に運用できるようになります。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
目次
1.DMの効果一覧
DM(ダイレクトメール)とは、カタログや広告などを主に郵送で、顧客に直接情報を届ける手法です。
郵送でのDMの効果は「開封率」と「行動喚起率」から把握できます。
開封率はDMによって受け取り手に情報が届けられた割合、行動喚起率とはDMを読んだ後に受け取り手が行動をとった割合のことです。
行動喚起率からは、DMに「受け取り手の行動を促す効果」がどれくらいあるのかがわかります。
1-1.開封率79.4%・行動喚起率24%
一般社団法人日本ダイレクトメール協会が2018年に行なった調査によると、全DM2,432通のうち自分宛に届いたDMは79.4%が開封されたことがわかりました。
DMは費用がかかるものの、8割近い人に情報を届けられると考えば非常にコストパフォーマンスの良い広告手法と言えます。
また、行動喚起率は全体の24.0%にも上りました。
「購入・利用した」人だけを見るとそれほど多くありませんが、「問い合わせた」や「ネットで調べた」など、購買につながるステップを踏んでいる人は多くなっています。
DMは「何らかの行動を促す効果がある」というよりも「購買につながる行動を促す効果がある」と言えるのではないでしょうか。
1-2.「お得な情報」ほど開封率が高い
DMの開封率は、内容と商品・サービスの購入経験によって異なる結果となりました。
DMの開封率はすべて同じではなく、受け取り手にとって「開封するメリットがわかりやすい」ものほど開封されているのです。
下記の表では「役所や行政からの案内」「明細・請求書」を除くと、「セール」や「クーポン」など、お得な情報の開封率が高いことがわかります。
【DMの内容別開封率(%)】
購入・利用経験のある受け取り手、ない受け取り手に共通して最も開封率が高かったのは「特売・セール・キャンペーンの案内」です。
ハガキDMで情報をオープンにする、封筒デザインに「セール」の文字を入れるなど、「お得な情報が入っている」とわかりやすく伝えることが開封率アップのカギと言えます。
また、購入・利用経験のある受け取り手では次点が「イベントの案内」「保険などの更新・見直しの案内」と続くのに対し、購入・利用経験のない受け取り手は「クーポンの案内・プレゼント」「試供品の案内・プレゼント」と続きます。
購入・利用経験のない受け取り手ほど自分にメリットがあるかを重視しているのです。
1-3.若年層ほどDMによる行動喚起率が高い
受け取り手の性別・年齢別調査では、若い世代ほどDMによる行動喚起効果が高いことがわかりました。
アナログな広告であるDMが若い世代に効果的なことを意外に感じる方も多いかもしれません。
しかし、DMを受け取った後に行動を起こした人の割合のデータでは、20代が最も行動しているという結果が出ているのです。
下記の表は、本人宛に届いたDMを受け取った後に行動した割合と、行動の内容をまとめたものです。
「商品・サービスを購入・利用した」と答えた20代男性は10.3%で、これは他の世代と比べて非常に高い割合です。
その背景には、若い世代がDMをポジティブに捉えていることがあります。
20代男性の個別回答では、DMが自分宛に届くことを「顧客として認められたと感じる」、「一人前として見られていると感じる」などの意見が上がりました。
DMは社会から大人と認識されたと実感するイベントとなっているのです。
また、デジタルネイティブ世代である20代にとってはDMが目新しく感じることも行動喚起率が高い理由と言えるでしょう。
20〜30代の女性では「内容をネットで調べた」、「家族や友人との話題にした」の項目で行動喚起率が他世代よりも高くなっています。
直接の購入・利用には至らなくても、WEBサイトへの誘導や口コミの発生、商品PRの一部分としての効果があり、いわゆるクロスメディア効果が出ていると言えます。
2.DMを打つことで得られる5つのメリット
DMの効果は開封率と行動喚起率だけではありません。
ここでは、DMがもたらしてくれる5つのメリットについてそれぞれ詳しく解説します。
- 顧客とのつながりが強くなる
- 受け取り手の行動を促せる
- 多くの情報を伝えられる
- リマインド効果がある
- 顧客の反応からより効果的な戦略を立てられる
2-1.顧客とのつながりを強める
DMには、顧客に直接アプローチしてつながりを強められるメリットがあります。
これはDMが顧客に1対1で呼びかける広告手法だからこそです。
大勢に向かって呼びかけるマス広告は、顧客に「自分に話しかけられている」「自分のこと」と意識してもらうのは難しいもの。
DMは顧客の性質に合わせてメッセージを送れるため、たとえば特定の商品を購入した顧客に向けてリピート購入の割引を実施したり、関心が落ちてきた顧客に新商品に使えるクーポンを送ったりといった効果的なアプローチを行うことができます。
2-2.受け取り手の行動を促せる
DMには受け取り手に行動を促す効果があります。
「◯◯なあなたに」「◯◯を購入したあなたにぴったりの〜」「◯◯の保証期限が近づいています」など、顧客の状況や性質に合わせたメッセージを送ることで、顧客が行動する「理由」を提示できるからです。
想像してみてください。あなたが何か行動しようとするとき、そこには必ず理由があるはずです。
人は「自分にとって必要である」「自分に関係がある」と感じなければ、行動を起こすことはないでしょう。
ニーズに合わせて適切なタイミングでDMを発送することで、受け取り手が行動する理由やきっかけを作れるのです。
2-3.多くの情報を伝えられる
A4サイズ1枚のDMには、非常にたくさんの情報を詰め込むことができます。
WEBページでは顧客自身の手でスクロールしなければならない情報量でも、紙のDMなら一目で伝えることが可能です。
開封してもらえさえすれば情報が視界に入るため、「途中離脱してまったく目に入らない」ことがありません。
2-4.リマインド効果がある
DMは顧客に存在を思い出してもらえるメリットもあります。
継続的なサービスでは、商品がなくなりそうなタイミングや契約期間が満了する少し前にDMを送れば、離脱客を減らせます。
その際、顧客にとって興味がありそうな関連商品をおすすめしたり、グレードの高い商品のクーポンを提供したりして、再び顧客の愛着を高める施策をとることがおすすめです。
2-5.顧客の反応からより効果的な戦略を立てられる
顧客のDMに対する反応がどれくらいあるのかを知るには、下記のような方法があります。
- DMだけのクーポンをつける
- DMからの問い合わせ先を別にする
- DMからのみアクセスできるWEBページを作成する
これら方法でDMの効果を測定し、顧客の反応を見ながら企画・文章・デザインの改善を繰り返すことで、効果を高めていくことができます。
3.DM以外の販促方法と効果を比較
ここまでお読みいただき、DMが顧客に直接アプローチできる効果的な広告であることをおわかりいただけたかと思います。
しかし、他の広告と比較してみるとより実感的にDMの効果を掴むことができます。
DMの効果を他の広告手法と比較してみましょう。
3-1.メールマガジンとの比較
米国Mailchimpが2018年に行った調査によると、メールマガジン全体の開封率は平均20.81%、平均クリック率は2.43%でした。
この数字と比較してDMの開封率は高く、クリック率を反響率とすると全体の平均で約10倍の差となっています。
メールマガジンはどんどん届くメールに流されて見直されることが少ないのに比べ、DMは読まれるチャンスが多くあります。
ポストから家へ運ぶ途中、机の上に置いたとき、郵便物を仕分けるときなど、破棄する瞬間まで複数のタイミングで受け取り手に情報を伝えてくれるのです。
メールマガジンは送る側とって時間やコストが少なく手軽に送れますが、効果の面でDMに及びません。
3-2.ポスティングとの比較
一般的にポスティングの効果は行動喚起率が0.02〜0.1%とされています。
DMより低い数字ですが、ポスティングは国勢調査のデータや各ポスティング会社の持つ地域データなどを基に、地域ごとに大量配布するのが特徴の広告手法であり、ターゲットを絞って送る顧客向けDM・代行DMとは目的が似て非なるものです。
地域に特化した業種や地域密着型のサービスでは反応が得やすいため、特定の地域に絞ってアピールしたい場合にはポスティングの方が適している場合もあります。
また、DMを効果的に送るには顧客との関係性が必要となりますが、ポスティングはターゲットが不特定多数で絞り込みできていない場合にも利用できます。
目的に合わせて使い分けるようにしましょう。
4.DMはこんな人におすすめ
DMを「かつての広告手法」と思っている人は多いかもしれません。
しかし、現在でも充分効果的であり、人によってはさらに高い効果を得ることが可能です。
特にDMの効果を強く感じられる人は以下のような人です。
- 顧客リストを持っている人
-
比較的高価格かつリピート性のある商品、サービスを取り扱う人
-
顧客の関心、反応を具体的に知りたい人
-
若年層向けの商品、サービスを取り扱う人
まずDMをおすすめするのは顧客リストを持っている人です。
すでに顧客リストがあればセグメントに合わせたDMを迅速に発送でき、商品の購入後や顧客の誕生日前など、アプローチしたいタイミングで送ることができます。
DMの発送には費用がかかるため、低価格の商品やサービスではコストの負担が大きくなっていまいます。高価格かつリピート性のある商品やサービスを扱っている人なら、費用対効果は充分に感じられるでしょう。
また、DMは送って終わりではありません。効果測定を行うことで顧客の関心や反応が得られる企画・文章・デザインなどを知ることができます。
「同じセグメントの半分にAの内容で送り、半分をBの内容で送る」といったABテストも行いやすいため、反応から改善を繰り返しより良いアプローチができるようになります。
さらにDMは若年層に効果が高いことから、若年層向けの商品やサービスを取り扱う人にもおすすめです。DMのアナログ感や存在感、限定感を活かしつつ、WEBと連携することで高い広告効果を得られます。
DMの料金について知りたい方におすすめ
まとめ
今回はDMの効果について詳しく解説しました。
ポイントは以下のとおりです。
- DMの開封率は約8割と非常に高い
- DMの行動喚起率は24%で、5人に1人が行動する
- DMは20代に効果が高い
- 他の広告手法と比べると費用はかかるが効果は高い
DMの広告効果は高いことがおわかりいただけたかと思いますが、DMはQRコードやARを用いてWEBと連携することでクロスメディア効果を発揮します。
デジタル化する現代では、誘導先に動画やSNSでシェアしたくなる魅力的なコンテンツを用意するなど、DMと他の広告手法を組み合わせて運用していくことでより効果を高めることが可能です。
手軽にWEBにアクセスする人が増えていることからも、今後WEBとDMを連携する重要度は上がっていくことが予想されます。
DMの効果を最大限に活かすために、公式サイトやキャンペーンページにスムーズに誘導できるようにしましょう。