「営業活動において、ダイレクトメール(DM)って効果はあるの?」
「DMを送ってもなかなか成果に結びつかないけれど、効果的なDMってどんなもの?」
そんな疑問や悩みを感じていませんか?
DMは、上手に使えば1万人の営業部隊に匹敵するほど営業効果があるものです。
例えばDMを他の営業手法と比較した際に、以下のような特徴があります。
- 情報量が多くて正確
- 視覚に訴えることができる
- 反応率がわかりやすい
などです。
また、DMの営業効果を上げるには、抑えるべきポイントや注意点もあるのです。
そこでこの記事では、
◾️DMの特徴や効果とは
→電話営業、訪問営業、メール営業との比較を詳しく解説していきます。
さらに、
- DMの営業効果を最大化するための5つのポイント
- DM営業の注意点
についてもお知らせします。
この記事を最後まで読めば、あなたのDMに何が足りないのかに気づき、営業効果をアップすることができるはずです。
1. DMはタフで優秀な「紙のセールスマン」
DM(ダイレクトメール)は、「紙のセールスマン」とも言われます。
効果的に利用すれば、優秀な営業マン同様かそれ以上の営業力を発揮してくれるからです。
というのも、人が営業するのと比べてDMは、
- 一度に数多くの見込み客にアプローチできる
- アポを断わられることなく、相手の会社や自宅に入れる
- アポがなくても、相手の都合のよい時に開いて読んでもらえる
- セールストークを間違えたり抜け漏れすることなく、正しく伝えられる
- 断わられる(=見てもらえない、見ても捨てられる)ことでのダメージを受けない
- 人件費よりもコストが安価
といったメリットがあるからです。
ひとりの営業マンが1日にアプローチできる顧客数は限られていますが、DMなら一度に1,000件でも1万件でもアプローチでき、門前払いされることなく顧客にセールスメッセージを伝えることができます。
いわば1,000人、1万人の優秀なセールス部隊を抱えているのと同じです。
多くの顧客に確実に接触できるという点で、DMは営業ツールとしてとても効果的だと言えるでしょう。
2. DMの特徴、効果を他の営業方法と徹底比較!
営業には、DM以外にも電話、訪問、メールなどさまざまな手法があります。
この章では、DMとその他の営業方法の特徴を比較して、そのメリットを浮き彫りにしていきたいと思います。
2-1. DMの特徴
まずは、DMならではの特徴を以下に挙げていきましょう。
情報量が多く正確
DMは、情報量をいくらでも多く伝えることができます。
電話で短時間にセールスメッセージを伝え切るのは難しいですし、メールで長々と文章を書いてもすべて読んでもらえる可能性は低いでしょう。
それに比べてDMであれば、パンフレットやカタログなどの冊子を送って詳細な情報を伝えることもできます。しかも印刷物なので、口頭で伝えるよりもはるかに正確で、抜け漏れもありません。
また、情報量のコントロールもできます。
新商品発売などの際には、パンフレットとサンプルを封書で送ることもできますし、既存顧客にキャンペーンの告知などシンプルなお知らせをする場合は、はがきDMを送ればコストも抑えられます。
盛り込む情報量が自在に変えられるのもDMの特徴です。
視覚に訴えることができる
DMは印刷物なので、受け取った相手の視覚に訴えることができます。
電話では言葉だけで伝えなければいけませんが、DMなら写真をふんだんに掲載して商品の魅力をビジュアルで伝えることも、デザインで「高級感」「信頼感」などのイメージを感じさせることもできます。
ただ、他の営業手法にはない「デザインコスト」がかかってしまうという注意点もあります。
ビジュアルイメージが訴求力を持つような場合には、コストをかけてでもDMが効果を発揮すると言えるでしょう。
アポ獲得率、接触率が上がる
DMは、電話営業や訪問営業と組み合わせると、アポ獲得率や接触率がぐんと上がります。
既存顧客ではない見込み客に対していきなり電話や訪問をすると、警戒されて話を聞いてもらえない場合も多いでしょう。
そんな時は、まずDMを送るのが効果的です。
事前にDMを送っておいて、電話や訪問で「先日◯◯のお知らせをお送りしましたが……」と切り出せば、「ああ、見たような気がするな」と、警戒心をといてくれる可能性が高まるのです。
特に、はがきDMの場合は開封する手間がなく、内容がすぐに目に触れるので、さらに相手の興味を引きやすく、アクションにもつながりやすいと言えます。
法人客、既存顧客に適している
DMは、法人客や既存顧客に適していて、新規の個人客開拓には向かないという特徴もあります。
新規の個人客の場合、今まで付き合いのなかった会社からいきなりDMが送られてくれば、「どうして住所を知ったのだろう?」と警戒心が先に立ってしまい、第一印象がマイナスイメージになってしまいます。
そのため、なかなか購入や利用などのアクションにはつながりません。
一方で法人客の場合は、新規であっても警戒心はもたれません。
自社の住所や事業内容などの情報は公開されているため、誰でも郵便物を送ることができるからです。知らない企業からのDMであっても、「何か自社にとって利益のある情報かもしれない」という意識から、開封して目を通してもらうことができます。
また、以前に取引があったが途絶えてしまった顧客に、再アプローチをかけるのにも適しています。
「ご無沙汰していますが、今度このようなキャンペーンを行いますのでお知らせします」といったように、挨拶を兼ねてDMを送れば、あらためて興味を持ってもらえる可能性が生まれます。
もちろん、お得意様となっている既存顧客には、なじみを持って開封してもらえるので有効です。
まとめると、DMが適しているのは新規の法人客、既存顧客、以前に取引があった顧客で、新規の個人客には適さない、ということになります。
反応率がわかりやすい
DMは、反応率を測る仕掛けもしやすいものです。
例えば、資料請求用の返信はがき、展示会の招待状などを同封すれば、回収された数で反応率が算出できます。
アンケートを送付すれば、どんな商品・サービスが望まれているか、お客様のリアルな意見を知ることもできて、営業戦略に役立ちます。
ちなみに一般的にはDMの反応率は0.5〜1.0%と言われていますので、それを超える成果を目指すとよいでしょう。
反応率を明確にし、営業戦略の改善に活かしたいならば、DMは大変有効と言えます。
2-2. 電話営業の特徴
電話での営業には、以下のような特徴があります。
- 反応率がDMよりも高く、初心者で0.3〜0.5%、中級で0.5〜2.0%、上級者は2.0〜5.0%
- 一人あたり1時間で20件程度の架電ができ、訪問よりも効率的
- 結果がその場ですぐわかる
- 架電リストの質やトークスクリプトの質によって、成果が大きく変わる →的確な見込み客のリスト、相手の興味を引きつけるトークスクリプトであれば反応率がアップする
- 上司が近くにいて営業トークをチェックできるので、適切な指導育成が可能
DMと比べると、
- 反応率が高く効率的
- たくさんの情報を多くの顧客に一斉に伝えたり、ビジュアルで訴求したりすることはできない
と言えるでしょう。
2-3. 訪問、飛び込みの特徴
実際に営業マンが客先を訪れる訪問営業、飛び込み営業の特徴は以下です。
◾️既存顧客へのフォローには、電話やDMなどより有効
→信頼関係があるため簡単に接触でき、興味を喚起しやすい
◾️訪問時間、移動時間がかかるため、一人あたりのアプローチ件数は少ない
→ただし、直接接触できれば成約率はぐっと上がる
◾️アプローチ1件あたりにコスト(人件費など)がかかる
→電話などのインサイドセールスは、訪問などフィールドセールスと比べて40〜90%コスト削減が可能
DMと比較するなら、
- 既存顧客に強い訪問、新規の法人客獲得にも適するDM
- コストと時間がかかるが、接触できれば成果につながりやすい
という違いがあります。
2-4. メール、FAXの特徴
メールDMやFAXDMも非常によく利用されますが、こんな特徴があります。
- 一括配信の機能やツールを利用して、一度に膨大な数のアプローチができる
→見込み度の高い顧客に絞るより、潜在顧客が幅広く存在しそうな場合に適している - ただ、アプローチ数に対してアポにつながる確率は低い
- 大量に届き、DMと比較すると他社と差別化しにくいため、開封されない率も高い
- コストが安価でできる
つまり、DMと比べると、
- 低コストで膨大な数のアプローチができるが、反応率は低い
- 潜在顧客の掘り起こしを期待して大量にアプローチしたい場合に適する
と言えそうです。
3. DMでの営業効果を最大化するための5つのポイント
DMに営業効果が期待できることは、理解してもらえたかと思います。
では、どうすればその効果を最大化できるのでしょうか?
この章では、DMの効果を最大限に引き出すポイントを5つ紹介しましょう。
3-1. ターゲットを限定する
まず、もっとも重要なのはターゲットを限定することです。
通常は、専門業者などから入手した見込み客リストをもとに営業をかけますが、すべてにDMを送付するのは効率的ではありません。
DMにはコストがかかりますから、可能な限りムダは少なく費用対効果を上げるために、送付先を絞り込んでください。
絞り込みの条件は、以下です。
1)新規開拓よりも、既存顧客の方が有効
→取引がある、または資料請求や名刺交換などをしたことがある相手に送る
2)商材を必要としそうな相手をピックアップする
→ターゲットが法人であれば地域、業種、企業規模などを精査、個人であれば年齢性別、居住地、嗜好などを分析して、商材に合ったペルソナに向けて送付する
以上の条件でリストから抽出された相手にのみDMを送付するとよいでしょう。
3-2. 1商品・1サービスだけに絞る
1回のDMでは、複数の商品やサービスの情報を盛り込まず、1アイテムに絞りましょう。
「せっかく送るのだから、あれもこれも売り込みたい」と考えるかもしれませんが、受け取った側の気持ちになってみてください。
情報が多すぎると興味が分散してしまい、結局どれも印象に残らない、という結果になりかねません。
営業効果を高めるためには、もっともセールスしたいものだけを売り込んでください。
3-3. タイミングを考える
DMには、送付タイミングも重要です。
じっくり目を通してもらうためには、ターゲットが忙しい時期は避けてください。
法人向けなら、多くの場合は月末月初のそれぞれ数日は忙しいものですから送付のタイミングではありません。
月半ばは忙しくはなくても、受け取ったDMの内容を精査・検討しているうちに月末になり、結局「返事は月があけてから」となってしまう可能性があります。
もっともDM送信に適したタイミングは、月初の5営業日前後です。
その頃であれば時間に余裕があり、反応も期待できるでしょう。
個人向けであれば、給料日直後やボーナス時期の前など、懐が潤う時期を狙うのがおすすめです。
また、業種や商材によっては、繁忙期に合わせるのも効果的です。
- 不動産:引っ越しが多い3〜4月を控えた1〜3月ごろ
- 塾や習い事の教室:子どもが進学・進級する4月前後や、夏休み前など
など、需要が増える時期より少し前に送付しましょう。
3-4. 送付前後にフォロー電話を入れる
DMの送付前と送付後に、フォロー電話を入れるのも反応率を高める助けになります。
まず送付前に、「◯◯のお知らせをお送りしたいのですが、よろしいですか?」と許可をとる電話を入れます。
その際には、「どなた様宛にお送りすればよろしいでしょうか?」と、担当者の個人名を聞くことができればさらによいでしょう。
そうすれば、DMを担当者に確実に届けることができますし、届いた時に「ああ、あの電話のDMだな」と認知してもらい、開封率が上がります。
また、送付後にも「先日◯◯についてのお知らせをお送りいたしましたが……」と電話をしてください。
ただそこで、「もうご覧いただけたでしょうか?」と聞いてしまうと、「忙しくてまだ見ていないので、見たら連絡します」などと話を切り上げられてしまう恐れがあります。
それを避けるには、「お忙しくてまだご覧になってはいないかと思いますが、御社のお役に立てる情報をぜひお知らせしたいと思いましてお電話しました」というように、相手の興味を引きつけるトークをしてください。
このフォローによって、DMが読まれる確率が上がり、反応率や成約率につながるのです。
3-5. 何度も送付する
もし送付したDMに反応がなければ、何度も繰り返し送付してみてください。
というのも、反応がない理由として、
- 単に忙しくてDMを見ていない
- 同じく忙しくて、DMを見たけれど反応を返す時間がなかった
などといったタイミングの問題かもしれないからです。
タイミングを変えて何度か送付するうちに、興味を持ってもらえたり、その商材が必要になったりすることもあるでしょう。
それを狙って、何度も送付することが大切です。
ただ、同じDMを再度送る際には、送付状の内容だけは変更しましょう。
「以前にも同じDMをお送りしましたが、ご記憶でしょうか?ご多忙でまだご覧いただけていないかもしれないと思い、再度お送りいたしました。」
といった文面を加えて、相手に「何度も送ってもらって申し訳ない、ちょっと見てみようか」と思わせるのです。
「何度も送るのはしつこいと感じさせて、逆効果になるのでは…」
としりごみするかもしれませんが、特に相手が法人である場合は、無反応の理由が単なる「忙しさ」である可能性が考えられますので、臆せず何度も送ってみましょう。
DMの効果について知りたい方におすすめ
4. DM営業の注意点
もちろんDMによる営業活動は、メリットばかりではありません。
注意しなければ失敗につながる場合もあります。
この章では、DM営業の際の注意点を5つお知らせしていきましょう。
4-1. 情報を盛り込みすぎない
封書のDMでは、必要な要素は以下の4つです。
これ以外のものをあまり盛り込みすぎると、「目を通すのが面倒」と感じさせてしまう恐れがありますので、あまり盛り込みすぎないようにしましょう。
【DMの必須要素】
1)セールスレター
単なる挨拶状ではなく、手紙形式の中にも商材のアピールポイントを簡潔に伝える文書を作って、相手に「これは気になる、パンフレットを見てみよう」と思わせるようにしましょう。
2)パンフレット
DMの特徴を生かして、視覚に訴えるわかりやすいパンフレットを作ってください。
3)申込書
相手のアクションを促すために、申込書などすぐ購入につながる書類を同封しましょう。
4)お客様の声
実際にその商材を購入した企業や、サービスを体験した人のコメントがあると、相手に信頼感と期待感を持たせることができます。
できれば顧客の実体験や事例を掲載してください。
4-2. 商品名やサービス名を見出しにしない
「(商品名)発売のお知らせ」「(サービス名)のご案内」など、商材名を見出しにしたDMは、相手に「また商品売り込みか…」と思わせてしまい、興味を持ってもらいにくいものです。
それよりも、「◯◯にお悩みの経営者の方へ」など、相手に対して
- 「自分のことだ」という当事者感を抱かせる
- 「自分にとって得になりそうだ」と期待させる
ような見出しや宛名を考えましょう。
4-3. 「突然のお便り失礼いたします」で書き出さない
新規顧客に対しては、ていねいさを心がけるあまりに「突然のお便り失礼いたします。」と書き出してしまうことがよくありますよね。
ですがこれは、逆に相手の興味や親近感を遠ざけ、警戒させてしまう可能性があるのでやめましょう。
というのも、この一文だけで、「私は突然で失礼なことをしています」「私はあなたの知り合いではありません」ということを宣言しているも同然だからです。
それよりも、例えば「最近◯◯でお悩みではありませんか?」といった、相手に当事者感や共感、期待を抱かせる書き出しが効果的なのです。
4-4. 無駄な挨拶文を入れない
「拝啓 新緑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」といった堅苦しい時候の挨拶なども、親近感を感じられないので逆効果です。
また、この書き出しだと、文章全体を堅苦しくしなければなりません。
DMの文章の役割は、礼儀正しさを伝えることではなく、こちらのメッセージに興味を持ってもらうことです。そのためには、無駄な挨拶文は省いて、本題から始めてもよいのです。
4-5. 売り込み感を前に出しすぎない
DMの目的は、もちろん商材の売り込みです。
が、それを前面に出しすぎると、相手はうんざりしてしまって購買意欲が削がれますので注意してください。
既存顧客向けであれば、売り込み色が強くても受け入れられる可能性はあるでしょう。
それは、お互いに信頼関係が築かれているからです。
「以前購入した商品もよかったので、この会社が勧めるものなら今度の商品もきっといいだろう」と好意的に見てもらえます。
そこで、新規顧客へのDMでは、売り込みよりも信頼関係を築くことを重視するといいでしょう。
そのためには、実際にその商材を購入・利用した顧客の感想や体験談などを盛り込むのが有効です。商材自体のよさを言葉を重ねて説明するよりも、リアルな「お客様の声」の方が反応率をぐんと上げてくれることもあるのです。
まとめ
いかがでしょうか?
DMには実際に営業効果があること、どうすれば効果を最大化できるかについて理解してもらえたかと思います。
では最後に、この記事の要点を振り返ってみましょう。
◾️DMの特徴、効果
- 情報量が多く正確
- 視覚に訴えることができる
- アポ獲得率、接触率が上がる
- 法人客、既存顧客に適している
- 反応率がわかりやすい
◾️DMでの営業効果を最大化するためのポイント
- ターゲットを限定する
- 1商品・1サービスだけに絞る
- タイミングを考える
- 送付前後にフォロー電話を入れる
- 何度も送付する
◾️DM営業の注意点
- 情報を盛り込みすぎない
- 商品名やサービス名を見出しにしない
- 「突然のお便り失礼いたします」で書き出さない
- 無駄な挨拶文を入れない
- 売り込み感を前に出しすぎない
以上を踏まえて、あなたのお店や会社のDMが格段に効果的なものに生まれ変わることを祈っています!