自治体広告のメリットとデメリット!掲載媒体16選と広告掲載の方法

MUNICIPALITYと3Dのアルファベット

「自治体広告というのがあると聞いたけれど、どんなものだろう?」

「自治体の広報誌やホームページに広告を出せるらしいけれど、利用するメリットはある?」

いまこの記事を読み始めたあなたは、そんな疑問を抱いているのではないでしょうか?

「自治体広告」をひとことで説明すると、「自治体のもつ媒体に掲載される広告」のことです。

例えば定期的に住民に配られる広報誌、公式ホームページ、役所の窓口にある案内モニター、コミュニティバスの車内広告など、さまざまなところに民間企業の広告が掲載されているのを目にするでしょう。

自治体広告は、自治体側が新たな財源確保のために始めた事業ですが、利用する企業側にももちろんメリットはあります。

行政に認められた広告ということで、信用度やイメージがアップしますし、掲載費用も民間の媒体に掲載するより比較的安く抑えられます。

また、広告料が自治体の財源になるので、地域振興に貢献できるという側面も重要です。

一方で、すべての自治体が広告事業に取り組んでいるわけではなく、利用したくてもできない地域があるなどデメリットもあり、今後の課題となっています。

そこでこの記事ではまず、

  • 自治体広告とはどんなものか
  • 掲載基準

といった基本的な知識を解説します。

その上で、

  • 自治体広告のメリット・デメリット
  • 自治体広告を掲載できる媒体

についても説明します。

さらに、

  • 自治体広告を掲載する方法と流れ

も紹介しますので、実際に利用する際には参照してください。

この記事を最後まで読んで、あなたが自治体広告を上手に利用できることを願っています!

1. 「自治体広告」とは?

道にあるデジタル広告そもそも「自治体広告」とはどんなものでしょうか?

まずはその定義や規定から考えてみましょう。

1-1. 「自治体広告」は自治体のもつ媒体に掲載される広告

「自治体広告」と聞くと、「自治体が地元の魅力を宣伝して、人や企業を呼び込むための広告」とも思えますが、そうではありません。

「自治体が持っている媒体やスペースなどに、民間企業が有料で掲載する広告」を指します。

例えば、住民向けに定期的に発行される自治体広報誌の空きスペースに地元企業の広告を掲載したり、自治体ホームページにバナー広告が掲載されているのを見たことがありませんか?

それが「自治体広告」なのです。

また、無料で配布されるゴミ回収日カレンダーや、役所の窓口で住民票などを持ち帰るための封筒などにも広告が記載されていることがありますし、役所内の案内モニターに広告映像が流されているのも見かけます。

コミュニティバスには中吊り広告、道路の街灯には広告フラッグ、自治体職員の給与明細の裏面を広告スペースとして活用するケースも増えているようです。

一時期話題になった、施設などに企業名を冠する「ネーミングライツ」を自治体広告として導入することもあるのです。

これらの自治体広告は、近年になって急速に広まりつつあります。

その目的は主に以下の3つです。

  1. 自治体の新たな財源確保
  2. 地域振興
  3. 住民への情報提供

中でも特に注目されているのが自治体の新たな財源確保です。

というのも、多くの自治体は財源不足に悩まされています。

そこで自治体がもつ空きスペースを有料で民間の広告に提供すれば、広告収入が得られます。

うまくいけば非常に大きな財源になるため、導入する自治体が増えているというわけです。

例えば、全国の政令指定都市の中でも広告事業による収入がトップクラスの大阪市では、毎年5億円ほどを広告で得ています。

また、財団法人地方自治研究機構がまとめた「自治体の収入増加に関する調査研究」によると、全国の自治体(都道府県・市区町村)でホームページにバナー広告を掲載しているところは80.3%、広報誌では75.5%にものぼるそうです。

今後はさらにさまざまな媒体が自治体広告に利用されるようになるでしょう。

1-2. 自治体広告は判例で認められた合法なもの

これほど広まっている自治体広告ですが、一方でその内外から地方公共団体が民間企業の広告を掲載することに問題はないのか」「自治体が特定の企業を支持しているように受け取られるのではないか」と疑問視する声もあります。

実際、法的な問題はないのでしょうか?

結論からいえば、現在は以下の判例にもとづいて合法で問題ないとされています。

【地方自治関係実例判例】(概略)

1)市広報に掲載する広告料は私法上の契約であって、それによって広告の掲載を禁止するものではない

(1958(昭和33)年8月21日 茨城県総務部長宛行政課長回答)

2)行政財産への広告掲載は目的外使用の許可があれば可能で、掲載料は地方自治法上の使用料として処理する

(1964(昭和39)年7月1日 広島県総務部長宛行政課長回答)

1)は広報誌などの紙媒体、2)は庁舎や図書館、公園などへの広告掲載について「問題ない」と判断できるので、安心して利用してください。

1-3. 自治体広告の掲載基準

自治体は公共団体なので、どんな広告でも自由に掲載できるわけではありません。

各自治体ごとに掲載基準を定め、それに合致する広告のみを掲載しています。

例えば、自治体広告に積極的に取り組んでいる横浜市の場合、「横浜市広告掲載基準 」で以下のように定めています。

【横浜市広告掲載基準】 (抜粋・要約)

第5条 次の各号に定める業種又は事業者の広告は掲載しない。 

(1)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で、風俗営業と規定される業種

(2)風俗営業類似の業種

(3)消費者金融

(4)たばこ(たばこ製造・販売事業者の「喫煙マナー向上のための広告」等は除く)

(5)ギャンブルにかかるもの

(6)規制対象となっていない業種においても、社会問題を起こしている業種や事業者

(7)法律の定めのない医業類似行為を行う施設

(8)占い、運勢判断に関するもの

(9)興信所・探偵事務所等

(10)特定商取引に関する法律で、連鎖販売取引と規定される業種

(11)債権取立て、示談引受けなどをうたったもの

(12)法令等に基づく必要な許可等を受けることなく業を行うもの

(13)民事再生法及び会社更生法による再生・更生手続中の事業者

(14)各種法令に違反しているもの

(15)行政機関からの行政指導を受け、改善が見込まれないもの

(16)不当景品類及び不当表示防止法に違反しているもの

(17)インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律第2条第2号に規定するインターネット異性紹介事業に該当するもの

(18)横浜市暴力団排除条例第2条第2号に規定する暴力団及び同条第5号に規定する暴力団経営支配法人等並びに暴力団若しくは暴力団員の威圧を利用し、又は暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与している事業者

(19)市税を滞納している事業者

第6条 次の各号に定めるものは、広告媒体に掲載しない。

(1)次のいずれかに該当するもの

ア)人権侵害、差別、名誉毀損のおそれがあるもの

イ)法律で禁止されている商品、無認可商品及び粗悪品などの不適切な商品又はサービスを提供するもの

ウ)他をひぼう、中傷又は排斥するもの

エ)市が実施する事業の円滑な運営に支障をきたすもの

オ)公の選挙又は投票の事前運動に該当するもの

カ)宗教団体による布教推進を主目的とするもの

キ)非科学的又は迷信に類するもので、利用者を惑わせたり、不安を与えるおそれのあるもの

ク)社会的に不適切なもの

ケ)国内世論が大きく分かれているもの

(2)消費者被害の未然予防及ひび拡大防止の観点から適切でないものとして、次のいずれか に該当するもの

ア)誇大な表現(誇大広告)及び根拠のない表示や誤認を招くような表現

  例:「世界一」「一番安い」等

イ)射幸心を著しくあおる表現

  例:「今が・これが最後のチャンス」等

ウ)虚偽の内容を表示するもの

エ)法令等で認められていない業種・商法・商品

オ)国家資格等に基づかない者が行う療法等

カ)責任の所在が明確でないもの

キ)広告の内容が明確でないもの

ク)国、地方公共団体、その他公共の機関が、広告主又はその商品やサービスなどを推奨、保証、指定等をしているかのような表現のもの

(3)青少年保護及び健全育成の観点から適切でないものとして、次のいずれかに該当するもの

ア)水着姿及び裸体姿等で広告内容に無関係で必然性のないもの。ただし、出品作品の一例または広告内容に関連する等、表示する必然性がある場合は、その都度適否を検討するものとする。

イ)暴力や犯罪を肯定し助長するような表現

ウ)残酷な描写など、善良な風俗に反するような表現

エ)暴力又はわいせつ性を連想・想起させるもの

オ)ギャンブル等を肯定するもの

カ)青少年の人体・精神・教育に有害なもの

その他、屋外広告に関して景観や安全を守るための規制基準や、広告主の業種ごとの細かい基準なども定められています。

広告を出したい企業は、これらの基準をクリアしているかを自治体に審査され、問題がない場合のみ掲載することができるのです。

横浜市に限らず、広告事業に取り組んでいる各自治体はホームページなどで掲載基準を明示していますので、掲載を考えている人は、まずそれを確認してみてください。

2. 自治体広告 5つのメリット

メリットとデメリットの比較表

ところで自治体広告は、民間の広告と比べて何か違いがあるのでしょうか?

もちろん、自治体広告ならではのメリットやデメリットというものがあります。

この章ではまず、メリットに注目してみましょう。

2-1. 企業の信頼性、ブランド力が上がる

自治体広告の大きな魅力のひとつが、見る人に信頼性やブランド力を感じさせることができるという点です。

「お役所が広告を載せているんだから、優良な企業・商品なのだろう」「普通の雑誌などに掲載するよりチェックも厳しそう」といったイメージを抱かせるのです。

民間の媒体に広告を掲載する場合は、媒体によって掲載基準がまちまちです。

非常に厳しい媒体もあれば、ゆるいところもあります。

それに対して自治体はどこも厳しい基準を設けていますので、それを通過して広告掲載できるということは、ある程度の信頼感につながるでしょう。

実際は、広告を掲載したからといって自治体がその企業や商品を保証してくれるわけではありません。

それでも優良企業という印象を与えることができるのは、大きなアドバンテージだと言えます。

2-2. ターゲットに届きやすい

広報誌に広告を出した場合、自治体内の全世帯に配布されるため、多くの人の目にとまることが期待できます。

地元密着型で地域住民をターゲットとしている企業にとっては、これは大きなメリットです。

もし新聞広告や折込を利用した場合、新聞を購読していない世帯には届きません。

ポスティングで全世帯に配ろうとするとかなりコストがかかりますし、ターゲットを絞って配布しようとすれば、どのエリアにどんな人が住んでいるのかリサーチと分析が必要です。

その点、広告を掲載するだけで全世帯に配布される自治体広告は、ターゲットに届きやすいと言えるでしょう。

2-3. 掲載費用が比較的安い

自治体広告の掲載費用は各自治体によってまちまちですが、一般的に民間の広告掲載料よりは安めだと言われています。

例えば、自治体広告に積極的に取り組んでいる横浜市の例を、民間の相場と比べてみましょう。

横浜市

民間の例

ウェブサイト
バナー

横浜市トップページ
880,000円
※月間 74PV
※1年間掲載

1PVあたり1.0円前後
※媒体力によって異なる

広報誌・雑誌

「広報よこはま」
53,000円〜
※発行部数 1,588,300部
※月1回発行

「週刊文春」
45,000円(活版・豆雑報)〜2,400,000円(オフセット・表四4色1P)
※発行部数 60万部程度
※週1回発行

地下鉄
中吊りポスター

横浜市営地下鉄
180,000円〜
※上記金額はシングル・500枚・平日2日間または週末3日間の場合

東京メトロ
400,000円〜
※上記金額は有楽町線または副都心線系・シングル・1000枚・2〜3日間の場合

特に横浜市の広報誌は、発行部数が160万部弱と、日本の一般雑誌でもっとも売れている「週刊文春」の倍以上もありながら、53,000円から掲載できるのは魅力と言えそうです。

2-4. 保管率が高い

自治体から配布される印刷物には、住民の生活に必要な情報が掲載されているため、長期間保管しておく人が多いという特徴があります。

例えば、ゴミ収集日カレンダーを壁に貼って毎日確認したり、地域ごとのガイドブックや生活マップを電話のそばに置いて公共施設の連絡先を調べたり、子育て情報などのパンフレットを夫婦でじっくり読み込んだりするでしょう。

そのたびに紙面に掲載された広告を目にするわけで、住民の印象に残りやすくなるのです。

民間のチラシや冊子の場合、目を通した後は捨てられてしまうことも多いので、その点でも自治体広告には利があるでしょう。

2-5. 地域に貢献できる

さらに自治体広告には、地域振興につながるという意義もあります。

広告主側からすれば、広告料を支払うことで自治体の財源を提供することができますし、地元の産業を盛り立てる役にも立ちます。

また、自治体側としては、例えば商工会のイベントや祭りなどの広告を掲載することで、民間と力を合わせて地域振興をはかれるのです。

官民双方が地域に貢献できる有効な手段として、自治体広告は今後ますます活用されていくことが予想されます。

3. 自治体広告 2つのデメリット

木製ブロックでノートにデメリットの単語

とはいえ自治体広告には、メリットだけがあるわけではありません。
当然デメリットもありますので、以下に挙げていきましょう。

3-1. 広告事業に取り組んでいない自治体もある

そもそも「自治体広告を利用したい」と思っても、すべての自治体が導入しているわけではありません。

まだ導入していない自治体では、利用したくてもできないという弱みがあります。

以下のグラフを見てください。

財団法人地方自治研究機構による「自治体の収入増加に関する調査研究」で「自治体における広告事業の実施状況 」を調べたデータです。

【自治体における広告事業の実施状況】

自治体における広告事業の実施状況

自治体における広告事業の実施状況2

これを見ると、都道府県レベルではほとんどの自治体が広告事業に取り組んでいますが、市区町村は人口の少ないところほど実施率が下がることがわかります。

これには、「広告主を募集しても集まらない」「公共物に企業広告を掲載するのは相応しくないと考えている」などの理由があり、今後の自治体広告を考える上での課題となっています。

3-2. 掲載基準により掲載が許可されない企業・団体がある

各自治体は掲載する広告に厳しい基準を設けて審査しています。

そのため、

◾️業種・業者
→風俗、消費者金融、ギャンブル、占い、税金を滞納している企業など

◾️広告内容
→誇大広告、差別的表現、暴力的・わいせつな表現、宗教の布教など

◾️デザイン
→景観にそぐわないもの、不快感を抱かせるものなど

◾️安全性
→信号や道路標識と紛らわしいものなど

といった面で基準に合わず、掲載が認められないケースが出てしまうのです。

民間では媒体によって掲載を許可された広告も、自治体では掲載不可とされる可能性もあるので注意が必要です。

4. 自治体広告を掲載できる主な媒体16選

いろんな媒体のイラストを描く男性では、メリットとデメリットを踏まえた上で「自治体広告を利用したい」となった場合、掲載できる媒体にはどんなものがあるのでしょうか?

各自治体によってどんな媒体に広告を掲載できるかは異なりますが、ここでは実際に利用されている主なものを挙げてみました。

さらに参考として、財団法人地方自治研究機構「自治体の収入増加に関する調査研究」の「広告媒体ごとの実施状況」から、各媒体を広告提供している自治体の割合も記載しています。

掲載を希望する自治体ではどんな媒体を提供しているのか、ホームページなどで確認してください。

4-1. 広報誌・広報紙

市区町村などが、地域の情報を住民に周知するため、定期的に全世帯に配布するものです。

イベント告知から生活情報、防災などの重要なお知らせまでさまざまな情報が掲載されているため、多くの人が目にするものです。

75.5%の自治体が、広報誌への広告掲載を行なっています。

4-2. ホームページ(バナー)

自治体の公式ホームページにバナー広告を掲載します。

多くの場合はトップページに掲載されるため、地域住民の目につきやすく広告効果が期待できる媒体です。

自治体広告としてはもっとも広く導入されていて、80.3%もの自治体が実施しています。

4-3. 窓口用封筒

自治体の住民が役所の窓口で住民票や各種証明書などを発行してもらう際、持ち帰り用に無料の封筒が置かれていることがあります。

この窓口用封筒にも広告を掲載する例が増えています。

  • 封筒表面を何枠かに分けて、複数の企業が枠を購入する形式
  • 広告主となった企業自身が自社広告を掲載した封筒を作成し、完成品を自治体に無償提供する形式

などがあり、42.3の自治体が導入しています。

4-4. 送付用封筒

自治体が住民や企業などに文書を郵送する際に使用する封筒にも、広告掲載できます。導入している自治体は31.1%です。

4-5. 冊子・パンフレット

子育てや防災、介護などに関して、必要な情報や公共サービスの紹介などを掲載した冊子やパンフレットを自治体が製作するケースがあり、その空きスペースを広告利用します。

全住民が手にするものではありませんが、逆に「主婦向け」「高齢者のいる家庭向け」などターゲットを絞った広告を打つことができるというメリットがあります。

実施している自治体は、

  • 窓口配布の各種パンフレット 19.2%
  • 転入者向けガイド冊子 11.5%
  • 印刷物(その他) 14.6%

などとなっています。

4-6. カレンダー

自治体が、ゴミ収集日やイベントなどを記載したカレンダーを独自に作成・住民に配布している場合、各ページに広告掲載枠を設けることができます。

これは壁に貼って毎日目にしたりするものなので、高い広告効果が期待できるでしょう。

導入している自治体については、カレンダー単体でのデータはありませんが、前項の「印刷物(その他)」の14.6%に含まれるものと考えられます。

4-7. 給食献立表

ユニークなところでは、公立学校の給食の献立表に広告枠を設けているケースがあります。

配布されると子どもが家庭に持ち帰り、1ヶ月間保管されるので、子育て中のファミリー層をターゲットとした広告に効果が期待できそうです。

ただ、利用している自治体はまだ0.7%にとどまっています。

4-8. 図書貸出票(裏面)

図書館で本を借りる際に、本のタイトルや貸出期間などが印字されたレシート状の貸出票をもらいますよね。

その裏面を広告に利用するというニッチな方法です。

図書館の利用者には30〜50代の女性が多いとされますので、その層をターゲットとする広告に向いていそうです。

これもまだ統計データはありませんが、「図書館貸し出し手提げ袋」への広告掲載は0.9%の自治体で導入されているので、そちらとともに自治体に確認してみるといいでしょう。

4-9. ゴミ袋

自治体指定のゴミ袋に、広告枠を設けている自治体もあります。

燃えるゴミ、燃えないゴミなどを分別して週に2〜3回は各家庭で使用されるものなので、住民の目に触れる機会は多いでしょう。

導入している自治体は4.7です。

4-10. 給与明細(裏面)

変わったところでは、自治体職員の給与明細の裏面に掲載する広告というものもあります。

これは住民向けではなく、安定収入のある公務員向けなので、不動産や住宅ローンを扱う金融機関などから注目を集めている手法です。

実際に導入している自治体も5.9にのぼります。

4-11. 案内パネル

自治体広告は、紙媒体だけではありません。

役所の入り口などに設置されている、施設案内や地域案内の大型パネルにも、広告を掲載できます。

来庁した人の目に留まりやすいという利点があるので、地元の企業や飲食店などには活用しやすい媒体と言えます。

パネルのみの導入割合は出ていませんが、

  • 公共施設等(その他) 6.8%
  • 公共施設内でのポスター掲示 6.9%
  • 公共施設内に設けた展示スペース 5.1%

というデータがあるので参考にしてください。

4-12. 案内用モニター

役所の窓口まわりに設置されている案内用モニターは、受付番号を表示して呼び出しに利用されることが多いものですが、その間に広告画像を挟んで表示することもあります。

自治体によっては動画を流すこともできるので、具体的なイメージを伝えたい場合に有効です。

ただ、利用している自治体はまだ1.4%と少ないのが難点です。

4-13. エレベーター

役所の施設自体にも空きスペースはたくさんあるので、広告に利用しない手はありません。

例えばエレベーターの扉です。

広告を掲載できる面が広いのでインパクトが大きく、エレベーターを待っている人の目にかならずとまるのが利点と言えます。

1.2%の自治体が導入しています。

4-14. コミュニティバス

自治体内を走行するコミュニティバスにも、広告スペースはさまざまあります。

統計では利用している自治体は、

  • 電車やバスの車内でのポスター掲示 10.1%
  • 電車やバスの車体のラッピング広告 6.7%

となっています。

4-15.ゴミ収集車・公用車の車体

地域内を走り回る車両として、ゴミ収集車や公用車の車体も広告になります。

9.9%の自治体が広告掲載をしているので、効果が期待できる手法だと言えそうです。

4-16. ネーミングライツ

自治体広告の中でも、1契約で大きな収入を生むのがネーミングライツです。

公共の会館や娯楽施設、スポーツ施設、道路や公園などの命名権を自治体が販売し、企業が買い取って名前をつける広告手法で、企業名を冠するケースが多いようです。

特に、スタジアムの場合はスポーツ中継やニュースなどで名前を取り上げられるため、知名度をアップしたい企業には非常に人気があり、広告料も高額です。

一方で、自治体によっては公共トイレや歩道橋などのネーミングライツを販売するケースもあります。

それらも含めて、ネーミングライツ事業を行なっている自治体は、

  • 公共施設のネーミングライツ 6.0%
  • 電停やバス停のネーミングライツ 1.2%
  • ネーミングライツ(その他) 0.5%

といった割合を占めています。

これら以外にも、

  • イベントへの協賛・タイアップ
  • 電子媒体
  • 自治体職員のパソコンのディスプレイ画面
  • 玄関マット
  • 母子健康手帳
  • トイレットペーパー

など、さまざまな広告形態が提供されていますので、自分の自治体ではどんな広告があるのか確認してみてください。

5. 自治体広告を掲載する方法と流れ

How to?と書かれた黒板

自治体広告にはさまざまな種類があることがわかりました。

では、「うちの会社も広報誌に広告を出したい」と考えた場合、どうすればいいのでしょうか?

最後に自治体広告を掲載する方法について、解説しておきましょう。

まずは公式ホームページを開いて、「広告掲載」「広告募集」などのページを確認してください。そこに申し込み方法が書かれています。

大きく分けて、

  • 自治体に直接申し込む場合
  • 広告代理店を通して申し込む場合

があり、ひとつの自治体でもこの両方を媒体別で使い分けているケースもあります。

5-1. 直接自治体に申し込む場合

自治体に直接申し込むように定められている場合は、広報課など担当部署に申し込みをします。

ちなみに、

  • 規定の広告料を支払って掲載する場合
  • 広告料が決まっておらず、競争入札する場合
  • 広告入りの封筒や冊子などを広告主が製作して、自治体に物納する場合

など、自治体や媒体によってさまざまなパターンがありますので、くわしくは担当部署に確認してください。

申し込みの流れも自治体によって異なりますが、おおむね以下のようになるでしょう。

1)規定の申込書に記入、広告のサンプルを添付して自治体の担当部署に申し込む
2)自治体による審査
3)審査を通過したら、広告料を払込
4)広告データや広告物を自治体に納品
5)掲載開始

5-2. 広告代理店を通して申し込む場合

中には、広告代理店を間に挟んで手続きなどを代行させている自治体もあります。

広報課などの担当部署に問い合わせて、代理店を通すように指示された場合も、流れは前項とほぼ同様です。

ただ、最近では自治体広告を積極的に扱う広告代理店が増えてきて、その中には

  • 全国の自治体の広告募集を請け負い、広告主とマッチングさせる
  • 代理店の方から自治体に「こんな広告を募集しませんか?」と新しい広告事業を提案する

といったビジネスを展開しているものもあるのです。

そこでまず、代理店に「どの自治体のどんな媒体を扱っているか」を問い合わせて、自分の出したい広告にターゲットや予算が合致するものを探すという方法もあります。

自治体広告を取り扱う代理店の例を以下に挙げておきますので、参考にしてください。

◾️株式会社郵宣協会
→郵便局の備品や消耗品に掲載する広告業からスタートし、1995年から自治体広告を手がける代理店です。

◾️株式会社ホープ
→一般的な自治体広告はもちろん、公務員の給与明細の裏面や「婚姻届の書き方」冊子など、ユニークな広告を扱っている代理店です。

まとめ

いかがでしょうか?

自治体広告について、知りたいことが理解できたかと思います。

では最後にこの記事の内容を振り返ってみましょう。

◎「自治体広告」とは「自治体のもつ媒体に掲載される広告」

◎自治体広告 5つのメリット

  • 企業の信頼性、ブランド力が上がる
  • ターゲットに届きやすい
  • 掲載費用が比較的安い
  • 保管率が高い
  • 地域に貢献できる

◎自治体広告 2つのデメリット

  • 広告事業に取り組んでいない自治体もある
  • 掲載基準により掲載が許可されない企業・団体がある

以上を参考に、あなたが必要に応じて上手に自治体広告を利用できるよう願っています!

DEALは、全戸配布スペシャリストです。
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