ダイレクトメール送付で守るべき法律とは?内容から送り方まで全解説

手と法律に関するイラスト

「ダイレクトメールを出したいけれど、何か法律で決まっていることはあるのかな?」
「うちのダイレクトメール、ひょっとして法律に違反していない?」

そんな風に不安を抱いている経営者の方や店長さんはいないでしょうか?

「ダイレクトメールを送ること」自体は、法律で禁じられていないので問題はありません。
ですが、ダイレクトメールの内容や送り方については、法律で定められていることがいろいろとあります。

例えば、

  • 他人の写真を許可なくダイレクトメールに掲載すること→肖像権の侵害!
  • 名簿業者から個人情報のリストを買って、無許可でダイレクトメールを送ること→個人情報保護法違反!

など、ダイレクトメールが法律違反になってしまう危険性はあちこちに潜んでいるのです。

そこでこの記事では、

◾️ダイレクトメールに関して知っておくべき法律
をわかりやすく詳しく解説していきます。

さらに、

◾️あなたのダイレクトメールが違法にならないように、事前に何をすべきか
という危機回避の方法もお知らせします。

この記事を読めば、法律違反を恐れることなく、堂々と清く正しいダイレクトメールを送れるようになるはずです!

1. ダイレクトメール自体は合法!

ポストに入った手紙まず前提として、ダイレクトメールを送ること自体は違法ではありません。
郵便物を送付することを禁ずる法律はないからです。

ただし、ダイレクトメールの内容や送り方などについては法律で定められていることもあり、送付する際には注意が必要です。

例えば、

  • 違法に入手した住所リストを使って送付してはいけない
  • 「送らないで」と言われた相手に送ってはいけない

などです。

中には、誰もがうっかりやってしまいそうなこともあって、「知らなかったばっかりに違法行為をしてしまった」という結果を招きかねません。

法律を守って正しくダイレクトメールを送るために、次章以降でそれらの法律をわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください。

2. ダイレクトメールに関して知っておくべき法律

箱にKnow the rules の文字ダイレクトメールに関係する法律はいろいろありますが、大きくは以下の4つのカテゴリーに分けられます。

  • ダイレクトメールの内容に関わる法律
  • 送付先に関わる法律
  • 送り方に関わる法律
  • 電子メールでのDMやメールマガジンに関する法律

この章ではそれぞれの法律を、詳しくわかりやすく説明していきましょう。

2-1. 内容に関する法律=著作権法、肖像権など

まず、ダイレクトメールの内容に関わる法律について説明しましょう。

「ダイレクトメールでこういう内容を送ってはいけない」という法律はありませんが、一般的にどんな文書でも禁じられている行為があり、それは守られければいけません。

具体的には、

  • 著作権法
  • 肖像権

がこれにあたります。
詳しく説明していきましょう。

【著作権法】
著作権法は、「人が思想や感情を表現したもの=著作物」についての権利を守る法律です。
他人の著作物を無断で利用することは許されず、もし無断で文書などに掲載した場合には、著作権法違反となります。

「著作物」には、

  • 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
  • 音楽の著作物
  • 舞踊又は無言劇の著作物
  • 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
  • 建築の著作物
  • 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
  • 映画の著作物
  • 写真の著作物
  • プログラムの著作物

が含まれ、これらの権利は作った人のものです。

著作者以外の人がこれらの著作物を借用したり使用したりする場合は、原則として著作者の許可が必要で、無許可で利用した場合は著作権法違反として、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金に処せられる可能性があるのです。

また、著作権者から民事で損害賠償請求をされるかもしれません。
ですからダイレクトメールの場合も、著作権を守って作成しましょう。

ダイレクトメールで利用する可能性のある著作物は、文章、イラスト、写真、地図などですよね。
もしインターネットや本の中に気に入った写真や文章などがあっても、無断で転載してはいけません。

また、うっかりしがちなのは地図です。
ネットで「この地図がわかりやすい」と思っても、地図にも著作権があるので勝手にコピーして使ってはいけないのです。

いずれも必ず許可を取るか、オリジナルで撮影した写真・書いた文章などを掲載するようにしてください。

◾️ただし、「引用」は許されます!

著作物であっても、「転載」ではなく「引用」であれば許可を得ず使用することが法的にも認められています。

引用の定義はいろいろありますが、ダイレクトメールに関係するものとしては、

 

1)主従関係:オリジナルの文章が、分量・内容ともに「主」になっていて、人の文章は「従」である場合

2)区別:オリジナルの文章に対して、引用した文章がそれとはっきり分かるよう区別されている場合

 →カギカッコでくくる、枠で囲む、文字の色を変えるなど

3)無改変:引用した文章を改変せずそのまま掲載する場合

4)必然性:オリジナルの文章を成立させるためには、「この文章を引用することが必要だ」と言える場合

5)出典:引用した文章の著作者、書名、出版社名などの出典を明記する場合

 

の5つの条件を満たしていれば、「引用」と認められ、許可なく記載することができます。

【肖像権】
肖像権とは、人が自分の顔や姿について有している人権です。
この権利をおかして、他人の容姿を勝手に撮影したり、写真や映像などを公開したりすることは、「肖像権の侵害」とされます。

といっても、肖像権についての法律はありません。
ですから肖像権侵害についての罰則規定もありません。

が、憲法で認められている幸福追求権や人格権の一環と考えられていて、これを侵害すれば、民事上で訴えられて損害賠償請求や差し止め請求をされることがあるのです。

ダイレクトメールでいえば、人の写真を許可なく掲載することが肖像権の侵害にあたります。
また、自分で撮影した写真でも、写り込んでしまった人がいれば、その人たちにも肖像権がありますので、無許可で掲載することはできません。

人物写真を撮影したり掲載したりする場合は、必ず事前に許可をとってください。
または、著作権フリーで使用できるフリー素材を利用するのもよいでしょう。

2-2. 送付先に関する法律=個人情報保護法

ダイレクトメールを送る際には、送付先リストを利用しますよね。
そこに書かれている住所や名前などの取り扱いについて定めているのが個人情報保護法です。

個人情報を、本人の許可なく勝手に人に漏らしたり、本人の望まない使い方をしたりすれば、個人情報保護法違反になります。

この法律の要点は以下です。

【個人情報保護法】

  • 個人情報を取り扱う者(企業など)は、その使用目的をあらかじめ本人に通知するか、本人が知ることができる形で公表し、本人の了承を得なければならない
  • もし利用目的を変更する場合は、本人に通知して了承を得なければならない

つまり、ダイレクトメールに関しては、

あらかじめ相手に対して「あなたの個人情報を、ダイレクトメール送付に使わせてください」と知らせて、「送付してもいい」という意思を確認すること

もし、別の目的で入手した個人情報を、ダイレクトメール送付に使いたい場合は、「ダイレクトメールを送るのに使ってもよいですか?」と確認して、「送付してもいい」という意思を確認すること

が必要になるのです。

例えば、あなたの家にも知らない企業や店舗からダイレクトメールが届くことがありませんか?
それらは、あなたが「送っていいですよ」と承諾していないのに送られているので、個人情報保護法に違反しているわけです。

もし、名簿業者から購入した個人情報リストをもとに、勝手にダイレクトメールを送ったり、親会社が持っているダイレクトメール送付リストを、相手の承諾なしに子会社が受け継いだりすれば、個人情報保護法違反になりますので、注意してください。

ちなみに、この法律における「個人情報」の定義は、「生存中の個人」についての

  • 氏名
  • 性別
  • 住所
  • 生年月日
  • メールアドレス

など、単独もしくは組み合わせて個人を特定できる情報を指します。

ただし、メールアドレスの中でも、メーラーから無作為に割り当てられたランダムな文字列のものは個人特定につながらないので個人情報には含まれません。

また、法人の場合は、法人名や法人の住所は公開されているものであり、そもそも「個人」ではないのでこの法律は適用されません。
つまり、法人宛のダイレクトメールであれば、事前の合意なしに送付することも合法です。

2-3. 送り方に関する法律=郵便法、信書便法など

ダイレクトメールは郵便などで送付しますが、この送付のしかたについても法律があります。

文面の中に「◯◯様へ」など誰宛かが明記されているダイレクトメールは、普通郵便など決められた送付方法でしか送ってはいけないという決まりがあるのです。

それを定めているのは、

  • 郵便法
  • 信書便法

です。

このふたつの法律は密接に関係しているので、まとめて説明しましょう。

この法律の中には、

◎「信書」を送ることができるのは、以下の方法のみ

  • 日本郵便のサービスのうち、ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポスト以外→普通郵便、レターパックなどなら送ることができる
  • 信書便法にもとづいて総務省の許可を得た「信書便事業者」のサービス→佐川急便の「飛脚特定信書便」など※ヤマト運輸には信書便サービスはありません

という条項があります。

これがダイレクトメールにも関係しているのです。

というのも、ダイレクトメールの中には「信書」に該当するものとしないものがあり、該当するものは、郵便や「信書便事業者」のサービスを使って送らなければならないからです。

もし郵便や「信書便事業者」以外のサービス、例えばヤマト運輸の宅配サービスなどを使って「信書」であるダイレクトメールを送ってしまうと、郵便法と信書便法に違反してしまうのです。

では、どんなダイレクトメールが「信書」にあたるのでしょうか?

ここでいう「信書」の定義とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」を指します。

つまり、誰か特定の人に宛てた文書のことで、例えば手紙、請求書や領収書、免許証などの許可書類など、宛名がはっきりしているものが該当します。

ダイレクトメールの場合で言えば、

  • 送付する文書自体に受取人(=誰宛か)が記載されている文書は「信書」
  • 特に宛名のない、チラシやパンフレットなどは「信書」ではない

とされています。

つまり、ダイレクトメールの文章の中に、『◯◯様』と受け取る相手の名前が書かれている場合は、

  • 日本郵便の普通郵便やレターパックなど
  • 佐川急便の「飛脚特定信書便」などの「信書便事業者」

で送らなければならなず、

  • 日本郵便のゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポスト
  • 「信書便事業者」として認められていない宅配業者の宅配サービス

を利用してはいけない、ということです。

ダイレクトメールを送るときは、内容によって送り方に注意してください。

2-4. 電子メールでのDMやメールマガジンに関する法律=特定電子メール法

最近では、郵送のダイレクトメールではなく電子メールでのDMやメールマガジンを送る企業も増えていますが、その場合にも法律があります。

それが特定電子メール法で、要点は以下です。

1)広告宣伝のためのメール=特定電子メールは、相手の同意なしに送信してはいけない
2)送信する特定電子メールには、以下のことを必ず表示しなければならない

  • 本文内に、送信者などの氏名または名称
  • 本文内に、受信拒否(=オプトアウト)ができる旨とその際の連絡先(メールアドレスなど)
  • 任意の場所(リンク先ページなど)に、送信者の住所
  • 任意の場所(リンク先ページなど)に、苦情・問合せなどを受け付ける電話番号やメールアドレスなど

つまり、電子メールでのDMやメールマガジンは、事前に相手が送信に同意している場合のみ送ることができ、「送らないで欲しい」と言われたらすぐに送信を停止する義務があるのです。

ちなみに同意を取るには、自社サイトの問い合わせフォームや申し込みページなどに、「メール送信に同意する・しない」という質問を設けておくのが一般的です。

電子メールDMやメールマガジンを送りたい場合は、まず事前に了承を取れるような手段を用意してからにしましょう。

3. ダイレクトメールが「違法」にならないためにすべきこと

ガーベルとタブレットやメモ帳いざダイレクトメールを送ろうとする際には、前述のすべての法律を守らなければなりません。が、うっかり忘れてしまって、思いがけず違法行為になってしまう可能性もあります。

そこで、「違法なダイレクトメールを送ってしまわないために、これだけは必ずすべき」ということを挙げてみました。

以下の4項目は絶対に守ってください。

3-1. 人の写真や文章などを掲載したい場合は許可を取る

送付するパンフレットやリリースなどに、個人の写真や誰かが書いた文章など「著作権」があるものを掲載したい場合は、必ず事前に相手の許可を取りましょう。

間違ってもインターネットで拾った写真を勝手に使ったり、人の文章を無許可でコピー&ペーストしたりしないでください。

著作権というのは、非常にデリケートで重要な権利です。
作家やカメラマンなどは、自分の作品の著作権から収入を得ていますので、それを侵害するのは、相手の財産や人権を侵害することとイコールなのです。

「この写真、この文章はいいな、DMに使いたいな」と思ったなら、それを生み出した人に連絡を取って、「こういう目的で使用したいので、許可をお願いします」と依頼してください。

ちなみにその際には、メールや書面などで許可を取ったエビデンスを残すのがベストです。
もしかしたら後日に、「許可した・していない」で揉めることがないとは言えないからです。

また、もし著作権者が誰なのか、誰に連絡すればいいのかわからない場合は、残念ですが掲載は諦めて、別の写真や文章を探しましょう。

3-2. 送付する前に相手の了承を取る

個人宛にダイレクトメールを送付する前には、必ず相手に「送付してもいいでしょうか」と了承を取りましょう。

顧客リストを作成するためには、顧客それぞれにお客様カードやアンケートなどに記入してもらって住所氏名などの情報を集めることが多いと思います。

その際に、質問項目の中に「ダイレクトメールを送付してもよい/送付しない」といった内容を入れておきましょう。
「送付してもよい」にチェックをしてもらえば、それで了承されたことになります。

注意して欲しいのは、以下のような場合です。

▼名簿業者や同業他社などからDM送付先リストを入手したので、自社のDMも送付したい→違法です!

もしその名簿を作成した他社が、DM送付の了承を取っていたとしても、それはその会社のDMに関してだけ有効です。

あなたの会社のDMを送りたい場合は、また改めてすべての人に了承を取らなければなりません。

▼親会社Aが持っている名簿を利用して、子会社BがDMを送付したい→違法です!

親会社Aが個人情報を集めるときに、「A社での利用」についてだけ了承を取っていたなら、そのままB社で個人情報をスライドして利用することはできません。
事前に「この個人情報をB社に引き継ぎます」と知らせて改めて了承を取る必要があります。

要は、「相手に利用目的を伝えていない用途には使わないこと」が肝心なのです。

3-3. 「信書」に該当するDMは、宅配便で送らないようにする

文章の中に「◯◯様へ」という宛名や呼びかけがあるなど、特定の個人宛の内容を含むダイレクトメールを出す場合は、宅配便ではなく普通郵便やレターパック、佐川急便の「飛脚特定信書便」など、郵便法・信書便法で認められたサービスを利用しましょう。

どのサービスなら信書が送れるかは、総務省のホームページの「信書便事業のページ」に詳しいので参照してください。

3-4. 「送付や送信をやめてほしい」と言われたら絶対に送らない

一度はダイレクトメール送付を了承した人でも、途中で「送らないで欲しい」と断わってくることがよくあります。

その場合は、すぐに送付や送信を停止しましょう。
送付リストにも「送付禁止」を明記し、メーリングリストや一斉配信リストからも外してください。

特に電子メールでのDMやメールマガジンの場合は特定電子メール法で、相手が希望すればすぐ送信停止することが義務付けられています。

違法行為にならないためにも、顧客からのクレームを避けるためにも、送付・送信停止は素早く確実に行ないましょう。

ポスティングの違法になるケースについて知りたい方はこちら

正しいポスティングは違法ではない!違法になるケースと対処法を解説

まとめ

いかがでしたか?
ダイレクトメールに関わる法律について、よく理解してもらえたかと思います。

では最後に、この記事の内容を振り返ってみましょう。

  • ダイレクトメール自体は合法
  • ダイレクトメールに関して知っておくべき法律は以下

1)内容に関する法律=著作権法、肖像権など
2)送付先に関する法律=個人情報保護法
3)送り方に関する法律=郵便法、信書便法など
4)電子メールでのDMやメールマガジンに関する法律=特定電子メール法

◎ダイレクトメールが「違法」にならないためには、

  • 人の写真や文章などを掲載したい場合は許可を取る
  • 送付する前に相手の了承を取る
  • 「信書」に該当するDMは、宅配便で送らないようにする
  • 「送付や送信をやめてほしい」と言われたら絶対に送らない

以上を守れば、法律に触れることなく胸を張ってダイレクトメールを送ることができます!

この記事をもとにダイレクトメールを送って、あなたのお店や会社にたくさんの集客があることを願っています。

DEALは、全戸配布スペシャリストです。
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