顧客単価が高い不動産業界では、1通のダイレクトメールが数千万円以上の売上につながることもあり、DMにかけた費用以上の大きなリターンを期待できます。
1件取れれば大きな契約につながるからこそ、できるだけ反響率の高いダイレクトメールを作成して、費用対効果を最大化してしまいましょう。
「200通ダイレクトメールを送ったのに、反響0件だった…」では、費用が無駄になるだけです。
この記事では、まず、ダイレクトメールを送る上でもっとも大事な「文章」の例文を8パターン紹介します。
不動産を 買いたい お客様向け | 潜在顧客 | まだ自社を知らない新規のお客様 | ➡文例1-1 |
---|---|---|---|
見込み客 | 一度問い合わせがあったお客様 | ➡文例1-2 | |
休眠顧客 | 問い合わせ後にやりとりが途絶えているお客様 | ➡文例1-3 | |
優良顧客 | 一度購入していただいたお客様 | ➡文例1-4 | |
不動産を 売りたい お客様向け | 潜在顧客 | まだ自社を知らない新規のお客様 | ➡文例2-1 |
見込み客 | 一度問い合わせがあったお客様 | ➡文例2-2 | |
休眠顧客 | 問い合わせ後にやりとりが途絶えているお客様 | ➡文例2-3 | |
優良顧客 | 一度売却していただいたお客様 | ➡文例2-4 |
表を見てもらうと分かりますが、顧客のニーズ(買いたいのか売りたいのか)・顧客の状況に応じて、最適なダイレクトメール文例が変わります。
最近問い合わせがあったお客様に「こんなお買い得な物件が出ました!」とお知らせするのは喜ばれますが、最近既に不動産購入したお客様に送ってしまえば、信頼関係を壊してしまいかねません。
どの文例も、アレンジして使えばそのままダイレクトメールに使えるテンプレートとしてご利用いただけます。
顧客ターゲットごとの文例について理解したあとは、
◎DMの反響率を上げるための5つのポイント
◎DMに書くと逆効果になってしまうNG文面
◎DM効果を最大化するための重要な3つの準備
についても解説します。この記事を読めば、初めてDMを送る方でも効果の高いダイレクトメールを作ることができるはずです。
目次
1. 不動産を買いたいお客様に送るダイレクトメールの例文
1-1. 【潜在顧客】不動産購入のお客様向けのDMテンプレート
不動産購入における「潜在顧客」とは、まだ一度も問い合わせなどを受けていない(自社のことを知らない)ものの、不動産の購入に興味がある層のお客様のことです。
例えば、マンションに住んでいるファミリー世帯は、「そろそろ手狭になってきたから…」と、一戸建ての購入を検討している可能性がありますよね。
こうした顧客にも、「配達地域指定郵便」などのサービスを使ってダイレクトメールを送ることが可能です。この層には、受け手のニーズを想定し、ストーリーに沿って文章を展開するのが効果的です。
タイトル例
- 「一戸建てなんて買えない」とお思いの方に朗報です!
- そろそろ一戸建てが欲しい…と思ったら
- リビング学習が学力アップに効果的な5つの理由
- マンション価格で戸建てが買える!今がチャンス
- 人気の◯◯エリアに念願の新築戸建て物件が出ました
ダイレクトメールの例文(宛名無しのDMハガキを想定)
「新築一戸建てなんて買えない」とお思いの方に朗報です!
人気の◯◯エリアに、念願の新築一戸建てが登場しました。
しかも、なんと月々の返済額は8万円~【頭金0円】
今の家賃と比べてみてください!
★◯月◯日申込受付開始
★お急ぎください!土地ゾーンは全区画 完売御礼
★広いリビングで家族の会話が弾みます
★見学会ご参加でQUOカードを進呈
【住所】◯◯県◯◯市◯丁目◯◯◯
【土地面積】◯平米
【建物面積】◯平米
【間取り】4LDK
【交通】◯◯線「◯◯」から徒歩◯分
http://www.xxfudosan.com/abc/
1-2. 【見込み客】不動産購入のお客様向けのDMテンプレート
過去に問い合わせや資料請求はしてくれたものの購入まで至っていない「見込み客」のお客様は、不動産購入に興味があるポテンシャルの高いお客様といえます。特に、一度でもお店に来て相談しているのであれば、購入の意思が高く成約につながりやすい顧客といえます。
問い合わせの時点で、そのお客様の家族構成や希望条件、エリアの希望などの情報を入手しているはずなので、積極的にそうした情報をダイレクトメールに盛り込みましょう。
こうした特定の情報を基に実際にお客様の希望にあった家をご案内していくことは勿論ですが、タイトルや本文にお客様の希望にあった条件を一目でわかるように書いておくことで、目をひきやすくなります。
タイトル例
- 〇〇地域で3LDKの中古マンションを検討されている〇〇様へ
- 小学生のお子様をお持ちの◯◯様へ
- 新婚の◯◯様に3LDKがオススメな理由
- 「新築なんて買えない」とお思いの◯◯様へ提案があります
- マンションへの転居を検討している◯◯様へ
ダイレクトメールの例文
先日は弊社にお問い合わせいただき、ありがとうございました。
◯◯不動産の◯◯です。
◯◯様が希望されていた◯◯エリアで、まさに◯◯様にピッタリの物件が出ましたので、いち早くお知らせしたいと思い、お手紙を送らせていただきました。
物件名 :◯◯マンション
所在地 :◯◯県◯◯市◯丁目
価格 :◯◯万円
築年数 :◯年
土地面積:◯平米
建物面積:◯平米
間取り :3LDK
沿線駅 :◯◯線「◯◯」
徒歩 :10分
URL :http://www.xxfudosan.com/abc/
◯◯駅から徒歩10分という立地で、更に周辺には徒歩10分圏内にスーパー、小学校、中学校、病院、大きな公園などがあります。◯◯様のように小学生のお子様のいるご家庭にとっても、安心して暮らせる環境が整っております。
築年数もまだ9年と新しく、外観もきれいです。価格も〇〇様が希望されていた条件内ですし、住宅ローン減税の対象となる物件です。
ご関心ございましたら、◯◯までお気軽にお申し付けください。さらに詳しい情報をお送りいたします。
追伸
◯◯様にとってベストな選択肢を選ぶための情報提供をさせていただければと考えております。ご不明な点・疑問点などございましたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。
1-3. 【休眠顧客】不動産購入のお客様向けのDMテンプレート
不動産購入までは至らなかったものの個人情報を取得できている休眠顧客は、優良顧客と同じように関係性を経たないことを目標にしたダイレクトメールを送る必要があります。
成約しなかったのには何か理由があり、それ以降問い合わせが継続していないということは、何かしら自社に対して不満を感じている可能性があります。そんなお客様に売り込みをしてしまうと、成約に繋げることは難しいでしょう。
それでもせっかく個人情報を入手できているならば、関係性を持続していけば、何かの折にまた顧客として戻ってきてくれるかもしれません。
こうした休眠顧客には、お客様にとって有益な情報を提供するダイレクトメールが効果的です。例えば、不動産の業界動向や生活の知恵などをまとめた情報誌(ニュースペーパー)が最適です。
タイトル例
- 自分でできる!DIYリフォームテクニック
- 失敗しない!住宅ローン減税の効果的な使い方
- 真似したくなる!〇〇家の子ども部屋
- 東京の地価が高騰中!今年の人気エリアは〇〇
ダイレクトメールの例文
◯◯様
先日は弊社に物件のお問い合わせをいただき、ありがとうございました。
その後、住宅購入の状況はいかがでしょうか?
さて、弊社にお問い合わせいただいた御礼として、
暮らしにまつわるさまざまな情報を掲載したニュースペーパーを
お送りさせていただきました。
◯◯様の生活のお役に少しでも立てれば幸いです。
今後とも◯◯不動産をよろしくお願いいたします。
1-4. 【優良顧客】不動産購入のお客様向けのDMテンプレート
すでに不動産をご購入いただいたことがある優良顧客のお客様には、今後も良い関係を継続させ、長きにわたりお付き合いしていただけるようなダイレクトメールが効果的です。定期的にDMをお送りして関係を維持することで、不動産について何かあったときに頼りにしていただけるような信頼関係を構築できるでしょう。
例えば自宅をご購入いただいた後、ご家族のお誕生日や家族のお祝いごと、購入してから何年経ちましたというようなDMも、ずっと大切なお客様であるということが伝わるとその会社の印象が良くなります。
特に一生に一度の大きな買い物となる不動産においては、購入したお客様にとっても思い入れが強いはずで、関わった不動産会社、担当者というのもそのご家族にとっては対応次第で長く頼りになる存在と思っていただけます。
不動産売買はどうしても信用されるまでに時間がかかりますが、一度おまかせいただいたチャンスを活かせばその先のチャンスにもつながっていきます。優良顧客との関係はそうした時間を加味して継続していくことが大切です。
ここでは一般的な優良顧客へのDMの例文のみをご紹介しますが、情報誌タイプ(不動産に関することや、読み手が興味を引くような身近な情報など)を一緒に送付するのも効果的です。
【注意】不動産は一生のうちに何度も買うものではないため、売り込みのようなメールはNGです。あくまで友好な関係性を持続し、また不動産を売却する時などに思い出してもらうのが目的です。
タイトル例
- 今月、お誕生日を迎えられる◯◯様へ
- ご自宅を購入されて20年経つ◯◯様へ
- 今年、還暦を迎える◯◯様へ
ダイレクトメールの例文
◯◯様
いつも◯◯不動産をお引き立ていただきありがとうございます。
この度は数ある分譲住宅の中から私どもの物件をお選びいただき誠にありがとうございました。
新たな住まいに移られてからまもなく1か月が経とうとしております。
その後、住み心地はいかがでしょうか。
徐々に◯◯様らしいお宅になり始めているのではないかと思います。
さて、1カ月を迎えられ、お住まいになられてからご不便を感じられる点、その他、お気付きの点などはございますでしょうか。
ご都合よろしければ来月中に当店担当者が定期点検にお伺いさせていただきます。
その際にどんな点でも構いませんので、ご意見お聞かせください。即座に対応してまいります。
なお、点検日につきましては後日お電話で確認させていただきたく、その際ご都合のよい日時をお知らせいただけましたら幸いです。
今後とも◯◯不動産との末長いお付き合いをお願い申し上げます。
今回紹介した文例とは方向性が少し違いますが、以下のようなお伺いのお手紙も効果的です。
タイトル例
-
- この一年で何か気になった点などございましたか?
- 現在お住まいのことでお困りのことはございませんか?
- よりよい資産にするためにご検討されていること、相談されたいことなどございませんか?
2. 不動産を売りたいお客様に送るダイレクトメールの例文
2-1.【潜在顧客】不動産売却のお客様向けのDMテンプレート
不動産売却における「潜在顧客」とは、まだ自社に問い合わせはしていない(会社の存在も知らない)が、物件の売却を検討している層のことをいいます。
売却検討者は、登記簿の情報をもとに見つけることができます。こうした潜在顧客には、「知らない会社からいきなりダイレクトメールが来た!」「個人情報はどこで知ったんだ!?」と警戒されないよう、丁寧なダイレクトメールの文面を心がける必要があります。
タイトル例
- ◯◯地区で不動産を所有されている◯◯様へ
- 実家を相続され売却を検討されている◯◯様へ
- 転勤により自宅を売却する必要がある◯◯様へ
- 子供の成長に合わせてもっと広い家に住み替えたいとお考えの◯◯様へ
- 自宅の価値を知りたいとお考えの◯◯様へ
- 空き家になった家の売却を検討している◯◯様へ
ダイレクトメールの例文
◯◯地区で不動産を所有されている◯◯様へ
はじめまして。◯◯不動産の◯◯と申します。
弊社は◯◯県内を中心に不動産売買仲介業を行っている地域密着型の不動産会社です。
◯◯地区を中心に、これまでも多くの売買仲介を承っております。
この度お手紙を差し上げましたのは、◯◯様が所有をされております◯◯地区の不動産につきまして、売却を検討して頂けないか伺いたく、お便りをお送りさせて頂いた次第です。
◯◯様が所有をされております◯◯地区は、このところ人気が高まっており、現在弊社では◯◯地区で不動産を購入したいというご夫婦がいらっしゃいます。
こちらのご夫婦は現在マンションにお住まいで、お子様がすでに◯◯小学校に通われていますので、校区を変えずに賃貸から戸建へのお引越しされたいとのことで、出来れば半年以内に新居を決めたいとのことです。
希望の物件は以下のとおりです。
- ◯◯小学校区の戸建(築10年以内)または土地
- ご予算おおよそ3000万円
- 希望は角地、戸建であれば3LDK以上で収納豊富な家
- 60~70坪ほどの広さ
- 駐車場1台分
- 前の道路は4m以上
弊社が今年の3月・4月に契約させて頂いた売買事例で申し上げますと、◯◯地区の土地相場は坪単価◯◯万円と高い状況ですので、この機会に売却をご検討いただけませんでしょうか。
弊社はこれまでも◯◯地区にお住まいの多くの方の不動産仲介をお手伝いをさせていただきご縁をつないで参りました。
ご不明な点や疑問点などございましたら、下記の電話番号にお電話頂くか、直接店舗までお越しください。
◯◯様にとってベストなご提案をさせていただければと存じますので、いつでもお気軽にご相談いただけましたら幸いです。
追伸
私たちは◯◯様のご要望に合わせ、売却の場合でしたら◯◯様の希望価格に合わせた提案をさせていただきますし、まだ売却まで検討されていない場合であっても、不動産の見積もり査定や、将来何らかの理由で不動産を手放すことになった時に慌てないためのアドバイスなどもさせて頂いております。
いつでも安心してご利用ください。
2-2. 【見込み客】不動産売却のお客様向けのDMテンプレート
不動産売却の問い合わせを受けたものの成約に至らなかった「見込み客」は、売却したい物件をすでに抱えているという点で、かなり成約に近い顧客といえます。
ただし、物件を今すぐ売りたい層、売ろうか迷っている層、まずは価格だけ知っておきたい層に分かれるため、ターゲット層の緊急度に応じたダイレクトメールを作成する必要があります。
最優先すべきは「物件を今すぐ売りたい層」ですので、ここではこの層に向けたDMテンプレートの例文を紹介します。
問い合わせの時点で、物件の場所や間取り、希望売却価格、売却の理由などをある程度入手できているはずです。こうした具体的な情報をダイレクトメールに盛り込むことで、反響率アップが期待できます。
タイトル例
- ◯◯地区で不動産を所有されている◯◯様へ
- 実家を相続され売却を検討されている◯◯様へ
- 転勤により自宅を売却する必要がある◯◯様へ
- 子供の成長に合わせてもっと広い家に住み替えたいとお考えの◯◯様へ
- 自宅の価値を知りたいとお考えの◯◯様へ
- 空き家になった家の売却を検討している◯◯様へ
ダイレクトメールの例文
実家を相続され売却を検討されている◯◯様へ
◯◯不動産の◯◯でございます。
先日は相続されたご実家の売却についてご相談をいただき、ありがとうございました。
この度お手紙を差し上げましたのは、まさに◯◯様が売却を検討されている◯◯地区で戸建を購入したいというご夫婦がいらっしゃるためです。
こちらのご夫婦は現在マンションにお住まいで、お子様がすでに◯◯小学校に通われていますので、学区を変えずに賃貸から戸建へのお引越しされたいとのことで、できれば半年以内に新居を決めたいと真剣にお探しです。
希望の物件は以下のとおりで、◯◯様が所有されている不動産とかなり条件が似ております。
- ◯◯小学校区の戸建または土地
- 希望は角地、戸建であれば3LDK以上で収納豊富な家
- 60~70坪ほどの広さ
- 駐車場1台分
- 前の道路は4m以上
弊社が今年の3月・4月に契約させて頂いた売買事例で申し上げますと、◯◯地区の土地相場は坪単価◯◯万円と高い状況ですので、この機会に売却をご検討いただけませんでしょうか。
弊社はこれまでも◯◯地区にお住まいの多くの方の不動産仲介をお手伝いをさせていただきご縁をつないで参りました。
ご不明な点や疑問点などございましたら、下記の電話番号にお電話頂くか、直接店舗までお越しください。
◯◯様にとってベストなご提案となるよう、全力でサポートさせていただきます。いつでもお気軽にご相談いただけましたら幸いです。
2-3. 【休眠顧客】不動産売却のお客様向けのDMテンプレート
不動産売却における「休眠顧客」とは、問い合わせを頂いたものの売却まで至らず、その後も一定以上の期間やりとりのないお客様のことです。
この層に効果的なダイレクトメールは、売り込まないダイレクトメールです。
成約に至らなかったのには何か理由がある(他社で売却した、担当者と合わなかった等)と考えられるため、売り込み要素の多いダイレクトメールにしてしまうと、「断ったのにしつこいなあ」と思われてしまいます。
また、長らくコンタクトを取っていない顧客の場合、会社のことを忘れている可能性もあります。そこで、会社や担当者の存在を思い出してもらい、改めて信頼関係を構築していく目的でダイレクトメールを作成するのがコツです。
そのためには、顧客の為になる情報を提供すること。例えば、不動産業界の最新動向や、不動産オーナー向けのノウハウなどをまとめた情報誌(ニュースペーパー)が最適です。
タイトル例
- 20XX年最新!今熱いエリアはここだ!
- 勝ち組大家への道!空室対策どうしてる?
- 相続した物件を高く売る方法、知っていますか?
ダイレクトメールの例文
◯◯様
先日は弊社に物件のお問い合わせをいただき、ありがとうございました。
その後、不動産売却の状況はいかがでしょうか?
さて、弊社にお問い合わせいただいた御礼として、不動産経営や売却についての情報を掲載したニュースペーパーをお送りさせていただきました。
◯◯様にとって役に立つ情報があれば幸いです。
今後とも◯◯不動産をよろしくお願いいたします。
2-4.【優良顧客】不動産売却のお客様向けのDMテンプレート
不動産売却における「優良顧客」とは、すでに自社で売却が成立したお客様をいいます。
個人のお客様の場合だとそう何度も不動産を売却する機会はないですが、不動産は単価が大きいため、確率が悪くてもどこかで成約につながれば、コストを回収できるのです。一度つかんだ顧客にいつまでも覚えていてもらうことが重要となります。
そのため、こうした優良顧客には、今後も良い関係を継続させていくためのダイレクトメールを送ると良いでしょう。定期的にDMをお送りして関係を維持することで、不動産について何かあったときに頼りにしていただけるような信頼関係が構築できます。
ここではダイレクトメールの一例として、時候の挨拶から始まる丁寧な感謝状の文面を紹介しますが、休眠顧客で紹介したような情報誌を送付するアプローチも効果的です。
ダイレクトメールの例文
拝啓
寒さも一段と厳しくなってまいりましたが、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
このたびは格別のお取引を賜り、誠にありがとうございました。
弊社をご利用いただけましたことを心より嬉しく思っております。
また、同時に担当者としての責任を強く感じております。
微力ではございますが、今後も◯◯様のお役に立てますよう誠心誠意尽くして参りますので、末長くお付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
まずは、略儀ながら書中をもってお礼申し上げます。
敬具
その他の時候の挨拶はこちら!
- さわやかな新年をお迎えのことと存じます。
- 少しずつ春めいてまいりました。
- 桜の開花が待ち遠しいこのごろですが・・
- 風薫るさわやかな季節となりました・・
- 夏空がまぶしい季節となりました。
- 虫の音に秋の訪れを感じるころとなりました。
- 木枯らしに冬の訪れを感じる季節となりました。
3. 反響率を上げる!効果的な不動産ダイレクトメールを作る5つのポイント
1章と2章では具体的なダイレクトメールの例文を紹介しました。ここからはさらに踏み込んで、不動産購入や売却を検討されているお客様に読んでいただくためにおさえておきたいポイント5つについて詳しく説明していきます。
お客様への文章に工夫を加えることによって、反響率は大きく変わります。
効果を最大化するためにも、これからお伝えする5つのポイントを一つ一つチェックしてみてくださいね。
3-1. 信頼できると思ってもらえる文章にする
DMを送る際に最も重要な点の一つ、それは自信をもって信頼いただける会社、または担当だということが伝わる文面にすることです。
一生に一度の買い物と言われる不動産業界において、まずは信頼されなければどんなによい内容だったとしても反響につながるのは難しいでしょう。信頼される会社はそれだけお客様のお役に立てるという自信が必要です。
送る側が「お客様に喜んでいただける自信がある、お役に立ちたいのでこのDMを送っている」という気持ちで自信を持って作成すると、自然とそれが文章に現れます。
どんな選択をお客様がされたとしても、あなたの味方であるという点を強調してください。
売るにしても買うにしても大きな金額をお預かりすることになる業界だからこそ、信頼されるかどうかは特に大切なポイントです。
3-2. お客様が知りたい不動産情報を出し惜しみしない
文面はお客様が一番知りたいと思っているであろう内容に終始して下さい。こちらが提供したいかどうかといった視点ではなく、お客様に喜ばれそうか、興味を持っていただけそうか、という視点が大切になります。
誰でも興味がないものが届けば、不要と感じて捨ててしまうのは当然のことです。
逆に、いつかこの情報は使えそうだ、この会社は念のためとっておこうと思われるような、お客様にとって有益な内容であれば、DMを捨てずに取っておき後から問い合わせがくる可能性は十分ありえます。
なるべく保存される、またはすぐに問い合わせしたいと思っていただけるよう、情報は出し惜しみせずに記載するようにしましょう。
ステップをふませるようなやり方はNG!お客様に不信感を与えるだけです!
興味がある内容だと感じて一瞬心惹かれたとしても、その情報を得るまでにお店に行かなければいけない、アンケートに回答しないと分からないなど、ステップを踏むような作戦はおススメできません。
こうした内容は興味を持っていただけたとしても、行動するのが面倒だと感じてやめてしまったり、「釣ろう」とする内容にお客様からあまり良い印象を持たれず、逆にチャンスを逃してしまいかねないからです。
情報を小出しにすると、言われた通りにした後の結果が見えないためにお客様に不信感を与えやすいということを覚えておきましょう。
3-3. シンプルで端的なわかりやすい内容にする
物件をお知らせするDMや不動産を所有されている方宛のDMは、以下の2点を重視した文面にするよう心掛けましょう。
- なるべく専門用語などは使わない
- 時候の挨拶などもあえて省き、シンプルで分かりやすい文面にする
要点が一目でわかるような内容にすると、さっと目を通してもらえ、一番読んでもらいたいと思っていたところだけをみていただけます。
DMを目にした時に、これは読むと時間がかかりそうだと感じたり、それが良い情報なのかすぐには分からない、と思われてしまうと、そのまま捨てられてしまう可能性があります。
わかりにくい内容では読んでもらうことができませんし、一度この会社からのものは不要だと判断されてしまった場合、その後DMを送ったとしても、開封されないまま毎回捨てられてしまうのはあまりにももったいないケースです。
伝えたいことを明確にし、誰が読んでも分かりやすいと感じる文章にすることで、丁寧さは伝わりますし、印象が良ければその後も手に取ってもらいやすくなります。
4-4. 興味をひくタイトル(キャッチコピー)をつける
タイトルは、内容が一目で理解でき、開封したいと思わせるようなタイトル(キャッチコピー)であることが重要です。そのため、宛名に添える副題には工夫が必要です。
手にした際に、開封するとメリットがありそう、特別なことが書かれているかも、と感じてもらえる。またいかにもターゲットにむけた一言であることも重要な要素になります。
例えば土地を所有しているお客様へ送る場合、一目で気になるタイトルとは、以下のような希望が叶いそうと感じるタイトルです。
例1 「オリンピック需要で今が最も高く売れるベストタイミングです!」(旬の内容で信憑性がある)
例2 「相続してから3年以内に売ると大幅な減税になることをご存知ですか?」(ニュース性がある)
特に旬の情報やニュース性のある内容はそれだけで信憑性が高くなるので、自分が知らないお得な情報が得られるのではないかという気持ちになりやすいです。開けたらどんなメリットがあるか分かるようにタイトルを付けることで、開封率はかなり変わります。
3-5. お客様が特別感を感じられる内容にする
お客様が常に特別感を感じられるよう、文章中は基本的に個人名や「あなた」という呼びかけで統一しましょう。特に「お客様にだけ特別に対応している」という態度で文章を書くことで、その気がなくとも読んでみようという気持ちになります。
「あなただけのお得な情報」、「他では出していない特典」と言われると、誰でも気になりますよね。こうした特別感は信頼関係があってこそ信用されます。
また、アフターサービスやフォローなどは丁寧に説明し、分かりやすく一覧にしておくなども小さなことですが効果的です。まずは信頼されることを徹底した文章にした上でこうした特典も合わせて追加すると良いでしょう。
4. こんな文面は逆効果!DMで書いてはいけないこと
DMで加えるべきポイントがある一方で、文章に入れたためにお客様に悪い印象を与えてしまうポイントも存在します。
4章では、DMで書いてはいけないことをターゲット別にNGポイントを分かりやすくご紹介していきます。
自分は当てはまらないと思っても、意外に文章に入れてしまっていることがありますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
4-1. 「◯◯のご案内」といったタイトルは使わない
「◯◯のご案内」と言ったタイトルは使わないようにしましょう。
そのDMを手にしたお客様に「またいつもの売り込みDMだ」と思われてしまい、手にとってもらってもそのまま捨てられてしまう可能性が高いです。
タイトルは最初に目にするため、ありきたりのものではインパクトもなく、また一度不要なものを送ってくる会社だというレッテル貼られてしまうとその後のDMにも影響が出てきてしまいます。
「自分だけに送られてきた」と思わせる特別感のあるタイトルをつけることで、読んでもらえる可能性がより高まりますよ。
4-2. 冒頭で謝らない
手紙の冒頭で、謝るのはNGです。失礼にあたらないようにと「急にこのような手紙をお送りして申し訳ございません」と書く方が多いようですが、急にDMを送りつけている時点でこのような謝罪の言葉は火に油を注ぐような気がしないでしょうか。
DMは基本的にお客様に有益な情報を知っていただきたいからお送りするのであって、謝る必要はないはずです。
4-3. 売り込まない
DMの目的は不動産購入や売却ですが、「買ってほしい」「売却してほしい」という気持ちが前面に出過ぎてしまわないよう注意しましょう。
DMで買ってほしい、売却してほしいという気持ちが強く伝わらない文面になるよう心掛けましょう。
例えばお店に入ったときに、店員が近寄ってくると売り込まれないだろうかと身構えて落ち着かないという経験はないでしょうか。
本当はゆっくり店内を見たかったのに、思わずお店を出てしまう方もいるかもしれません。多くの人は基本的に売り込まれることを嫌います。DMでも同様です。
売り込まずに内容を伝えるためには、お客様がほしいと感じる情報を記載することが大事です。
では売り込まずに内容をお伝えするとはどうゆうことかというと、お客様がほしいと感じる情報を記載するということです。
売り込みはこちら側の一方的な側面が強いため、いらないものを売り込まれるのではと不安になります。まずはお客様が手に取った時に有益な情報が届いた、と思って安心して読める内容にすることを心掛けましょう。
4-4. 不吉な文面を入れない
不動産購入を検討されている方にも売却を検討されている方にも、不吉な内容の文面は入れないようにしましょう。
例えそれが事実だとしても、「このような不況の中」「不透明で先が見えない経済情勢」などのマイナス面を煽るような一文をあえて文章に入れる必要はありません。
こうしたことは言われなくても多くのお客様は理解しています。不安や心配を煽るようなDMに対して、お客様が良い印象を持てなくなるのは当然ではないでしょうか。
4-5. 不動産以外の内容を加えない
不動産購入または売却の話をしてる中で、他のサービス提供の話を入れ込むのはやめましょう。
例えば、お客様のためにと「他のサービス(弁護士・司法書士・税理士など)も提供しています」という一文を加えてしまいがちですが、これは逆効果です。
こうしたあれもこれも請け負いますというスタンスは、元々の目的である不動産購入や不動産売却から話がそれてしまいます。目的はシンプルでわかりやすい方がDMを受け取った側にも伝わりやすいです。
5. ダイレクトメールは準備が重要!やるべき3つのこと
ここからは、郵送で送る不動産DMを送る前の基本的な準備についてご紹介していきます。不動産業界のDMの多くは今でも郵送で送られていますが、その理由は大きく分けて2つあります。
一つ目は、高額な物に対してはインターネットが普及した現代においても、やはり紙で情報を得たいと感じる方が多く郵送DMのほうが効果が出やすいといわれているからです。不動産売買で動くお金は高額なので、きちんとした情報を受け取りたい方がほとんどでしょう
二つ目は、不動産の購入や売買は、長く検討したあとに決定するお客様が多いからです。
これからご紹介する点を一つ一つ準備いただくことで、費用対効果の上がるDMを作っていけるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
5-1. 誰にどんなDMを送るべきかを明確化したリストを作成する
まずはターゲットが明確になるよう、例えば「見込み顧客」「優良顧客」「休眠顧客」など、なるべく詳細に分けたオリジナルのリストを作成しましょう。
<リストの例>
不動産を買いたいお客様向け |
潜在顧客 |
まだ自社を知らない新規のお客様 |
見込み客 |
一度問い合わせがあったお客様 |
|
休眠顧客 |
問い合わせ後にやりとりが途絶えているお客様 |
|
優良顧客 |
一度購入していただいたお客様 |
|
不動産を売りたいお客様向け |
潜在顧客 |
まだ自社を知らない新規のお客様 |
見込み客 |
一度問い合わせがあったお客様 |
|
休眠顧客 |
問い合わせ後にやりとりが途絶えているお客様 |
|
優良顧客 |
一度売却していただいたお客様 |
また、宛先不明で戻ってきたDMの顧客はリストから削除するなど、定期的にリストのクリーニングを行うと、コスト削減につながります。
5-2. DMを送る際に目標(ゴール)は何かを決める
ターゲットを分類したら、DMを送るにあたってどうなると良いという目標を設定しておきましょう。
目標が決まると、どうすればその目標を達成できるか?という考えになり、DMを作成する際に内容がぶれずに「あたるDM」を作ることができるようになります。
目標をうやむやにしたまま実施すると、せっかく手間暇かけて制作したDMが成功したのかどうかも分かりにくくなってしまいます。そのため、次回に活かすことができずになかなか成果がでないという悪循環に陥りがちです。一般的には、DMの目標はレスポンス数やレスポンス率などで測ることが多いです。
また、費用対効果を考えてトータルコストからDM1通あたりの金額を算出し、そこからレスポンス数によってどのくらいの反響があったのか判断することもできます。
目標を明確にしてDMを出す度にその成果を目標と比較し改善点を修正していくと、効果が出てくるようになりますよ。
5-3. 効果が出るタイミングを見極める
DMを送る上で、タイミングも非常に大事な要素の一つになります。不動産でいうと、不動産取引が活発なのは春と秋だと言われていますが、これは年明けの1月から動き出した人が購入する時期が3月が最も多いこと、また、暑さ寒さのない秋も物件探しにいい時期とされるためです。
売るにしても買い取るにしても、こうした時期を計算して定期的にダイレクトメールを送ることで、反響率を上げられる可能性があります。
時期をより正確に知りたいという方は、Googleが提供しているGoogle Trendsがおススメです。
こちらはGoogleでどれだけ検索されているか、というトレンドをグラフで見ることができる無料のツールです。
例えば以下のように「中古マンション」「新築マンション」とキーワードを入れると、それぞれのキーワードがいつどのくらい検索されているかが示され、グラフで比較することができます。
下記の表では一番右でぐんと上に上がっていますが、これは1月から検索数が一気に増え始めていることを示しています。
不動産のポスティングについて知りたい方はこちら
まとめ
不動産DMを作る際に効果的な8つの文例と、反響率を上げるためのポイント、NG文例、準備についてご紹介しました。
最後に、不動産ダイレクトメールの反響率を上げる5つのポイントをおさらいしておきます。
1.信頼できると思ってもらえる文章にする
2.お客様が知りたい不動産情報を出し惜しみしない
3.シンプルで端的なわかりやすい内容にする
4.興味をひくタイトルにする(キャッチコピー)をつける
5.お客様が特別感を感じられる内容にする
この記事が不動産DMを作る際に少しでもお役に立つことができましたら嬉しく思います。