「お得なキャンペーンのお知らせを送っているのに、お客様からの反応はイマイチ…もしかしたら開封されていないのではないか」
「お客様が読みたくなるDM封筒のデザインが知りたい」
DMの送り主であるあなたにとって「DMが開封されているか」、「開封されるにはどのようなデザインにしたら良いのか」は非常に気になるところではないでしょうか。
読まれずに捨てられているとしたら、時間やコストをかけて作ったDMもまったく意味のないものになってしまうのです。
しかし、もしも今あなたが慣習的に宛名だけを印字した封筒でDMを送っているとすれば、デザインを工夫することで、開封率を上げることができます。
この記事では、開封率を上げる優れた封筒デザインを作るコツをわかりやすく解説します。
記事を最後までお読みいただければ、開封される封筒デザインのDMを作り、顧客に届けたいメッセージを伝えられるようになります。
デザインに取り組む前の戦略から封筒DM作成に利用できるサービスまでご紹介しますので、ぜひお付き合いください。
目次
1. DM封筒のデザインはターゲット設定が重要
DM封筒のデザインはDMの内容と同様にターゲット設定が重要です。
誰にどんな情報を送るのかによって、反響率は大きく変わってくるからです。
人は、自分と関係のない情報を必要としません。たとえば、運転免許のない人に新車の案内を送っても意味がありませんし、既婚者に婚活サービスのPRを送っても効果は期待できないでしょう。
裏を返せば「自分に関係がある」、「自分のことだ」と感じる情報には興味を惹かれるということです。
また、興味がなくても情報が目に入ってくるハガキDMと違い、封筒DMは意思を持って開けてもらわなければ情報が届きません。そのため、封筒デザインで「自分に関係がある」と感じさせるキャッチコピーや画像などを使用し、「封を開けて中を見てみよう」という気持ちを高める必要があるのです。
1-1. 開封するのは「自分にとって」お得な情報が入っているから
受け取り手の立場に立って考えてみれば、DMを開封したいと思うのは「自分に関係のあるお得な情報が入っている」と感じたときです。市場価値の高い商品やサービスでも、「興味のないもの」や「自分に関係のないもの」に心を動かされることはないでしょう。
一般社団法人 日本ダイレクトメール協会が行った「DMメディア実態調査2018」でも、「開封する内容」の項目において「特売・セール・キャンペーンの案内」、「クーポンの案内・プレゼント」などの内容で開封率が高くなったことから、「受け取り手のメリットとなる情報が入っている」「自分のための情報である」と封筒のデザインで伝えることで開封率を上げられるとわかります。
そこで重要になるのが、ターゲットの好みや状況を想定してデザインすることです。
1-2. ターゲットの好みや状況を想定してデザインする
受け取り手に「自分にとってメリットがある」、「自分のための情報である」と認識してもらうには、受け取り手の人物像を明確にし、(ペルソナを設定)その人ならどんなアプローチが有効かを考えることが大切です。
ペルソナとは、ターゲットの中で最も理想的な顧客像のことです。ターゲットを深堀りし、職業や年収、居住地、家族構成、生活環境、価値観、好み、悩みなどを深く掘り下げた架空の人物像を指します。
ペルソナを設定することで、「この人にはどういったキャッチコピーが響くのか」、「AとBを手にとったとき、開けたくなるのはどちらか、それはなぜか」と顧客視点で封筒のデザインを行えるようになります。
2. 開封したくなるDM封筒は2種類ある
DM封筒のデザインは大きく分けて2種類があり、それぞれ受け取り手に与える印象が異なります。
2種類の特徴と違いを知り、ご自身の扱う商品やサービスに合うのはどちらかを考えてみてください。
2-1. 情報押し出し型
情報押し出し型はキャッチコピーや画像を多用したデザインです。
画像の封筒のように「冬の感謝市」、「今すぐ役立つモノが最大20%OFF」、「ご購入者・先着50,000名様にプレゼントも!」などベネフィットを提示しつつ、内容をチラ見せする「ティーザーコピー」も多用します。
画像の封筒は色使いも華やかで、全体的にワクワクするような、楽しそうな雰囲気を醸し出していますね。親しみやすい印象を与えるため、アパレルや飲食、日用品など、カジュアルなジャンルと相性が良いデザインです。
ティーザーコピーでターゲットの求める情報をチラ見せすると効果的 ティーザー(Teaser)とは「焦らす」こと。 たとえば「英語が苦手な私が1ヶ月でペラペラになった方法」、「ダイエットの新常識を知りたい方はすぐにご覧下さい」といった、中身に触れつつすべては伝えないコピーのことです。 ティーザーコピーを使って「あなたの求めている情報が入っています」とアピールすれば、開封率アップにつながります。 |
2-2. 情報控えめ型
情報押し出し型のDM封筒はベネフィットがわかりやすい反面広告色が強く出ます。
良く言えば親しみやすく、悪く言えば押し付けがましい印象を与えやすいのです。
そのため、単価・グレードの高い商品やサービスでは、キャッチコピーや煽り文句を最低限にし、シンプルで高級感のあるデザインがマッチします。
画像の封筒は案内状ですが、非常にシンプルで高級感があります。
ターゲットに商品やサービスに抱いて欲しい印象を基準に考えると、どちらが適しているのかわかりますね。
3. 読まれるDM封筒をデザインする際のポイント4つ
DM封筒をデザインする際には、いくつかのポイントを抑えることで開封率を上げることができます。
ここでは、DM封筒をデザインする際に大切なポイント4つをご紹介します。
3-1. 一瞬で魅力が伝わるキャッチコピーを入れる
前述したとおり、受け取り手は封筒を開ける前に「どこから何の情報が来たのか」を見て開封するしないを判断します。
そこで、封筒には中に入っている情報の魅力を一瞬で伝えるキャッチコピーを記載しましょう。
インパクトのある封筒デザインとキャッチコピーです。具体的な内容に触れていないイメージコピーを使い、興味を引いています。
こちらは商業的なDMではありませんが、具体的なキャッチコピーで中身が「健康関連」だとすぐにわかります。
3-2. 基本は3色で「70:25:5」の割合にする
封筒の色使いは受け取り手の印象を大きく左右します。
「受け取り手に興味を持って欲しい」という気持ちで派手な色使いを求めてしまいがちですが、原則として「ベースカラー」、「メインカラー」、「アクセントカラー」の3色を使ってデザインしましょう。
ベースカラーは背景や面積の広い部分に使い、70%程度の割合となるようにします。白や淡い色など読みやすい色を使うのが一般的です。
メインカラーは文章全体に使用する色で、商品や企業のイメージを表す色となります。
アクセントカラーはキャッチコピーなど強調したい部分に使用し、流し読みしていても目が止まるように配置します。
ベースカラー白、メインカラー黒、アクセントカラーは黄色です。
ベースカラーは赤、メインカラーは黄・白、アクセントカラーは紺です。
こちらは、チラシの例でしたが、封筒でも同様に色の割合を「70:25:5」にすることで、すっきりと見やすく、重要なポイントが伝わりやすくなります。
3-3. 素材やサイズで違いを感じさせる
封筒の素材やサイズを少し変わったものにすることで、違和感を抱かせて興味を持ってもらうのも1つの手法です。単純ですが他の封筒DMに埋もれず目立つため、開封率アップに効果的です。
加工コストは高くなりますが、そのぶん受け取り手にとって特別感が大きいため、大切な顧客へ重要なメッセージを送る際におすすめです。
おしゃれなクラフト紙の封筒。普通紙よりもざらっとした手触りで、たくさんのチラシの中でも違いを感じられます。
表面に切り抜きを使用し、手触りに違和感を出したデザインです。
物を入れて「何が入っているんだろう?」と思わせるのもアリ
封筒の中にDMと一緒にサンプル商品やノベルティなどを入れ、膨らみや異物感を出すのも効果的です。
これは「ドアオープナー」や「グラバー」と呼ばれ、「何が入っているんだろう?」と確かめたくなる気持ちに訴える定番の手法です。
ただ封筒に膨らみを持たせるだけではなく、メッセージや売りたい商品・サービスと関連した小物を使います。たとえば、住宅販売のDMなら「住まいの掃除に役立つ拭き取りクロス」、学習塾の案内なら「オリジナルの単語帳や暗記シート」などです。
封筒に膨らみや異物感があることで興味を持つと同時に、人は「親切を受けると返したくなる」ものです。心理学では「返報性の法則」と言われており、恩を受けて何もしないのは落ち着かないのです。
封筒DMで自分にとって「良い物」が送られてきた場合、返報性の法則が働いて行動を起こしたくなります。
3-4. 開封しやすいデザインにする
DMの封筒デザインでは、「開封しやすさ」も重要なポイントです。
興味を持っても封筒がなかなか開かなければ「そこまでして開けなくていい」という気持ちになってしまうこともあります。
開けやすい形状にする、ミシン目をつけるなど、スムーズに封筒を開封できるような工夫をしましょう。
4. 【避けるべき】印象が悪くなりやすいDM封筒のデザイン
ここまで、効果的なDM封筒のデザインについてお話ししてきましたが、「開封してもらいたい」、「行動を起こしてもらいたい」といった思いで工夫をこらしているのに、かえって受け取り手に悪い印象を与えてしまう場合もあります。
具体的にどんな封筒が悪印象となるのかを見ていきましょう。
4-1. 封筒と中身のギャップが大きい
デザインの凝った豪華な封筒なのに、中身の内容が薄い。
「特別な方法を教えます!」と封筒に書いてあるのに、中身を読んでも答えが書かれていない。
こうした悪い意味でのギャップは、「期待外れ」となり、受け取り手の期待を裏切ってしまいます。
「大事なお知らせみたいだから開封したのに」という気持ちを与えてしまうと、商品やサービスへのイメージも悪くなってしまう可能性があります。
封筒と中身は一貫性を持たせるようにし、ギャップを出すなら「思っていたより良い情報が入っていた」と良い意味でのギャップとなるようにしましょう。
4-2. 開封しにくい・捨てにくいDMは顧客にストレスを与える
開封しやすさはデザインのポイントでもお伝えしましたが、せっかく「開けよう」と思ったのになかなか開かないのは受け取り手にとってストレスとなってしまいます。
また、複数の素材を組み合わせた封筒でも、「捨てる際に分別する必要はあるか」「分別が必要なら、分解しやすい作りになっているか」といった点をチェックしましょう。
これらは受け取り手の目線に立たないと想像しにくい問題です。
しかし、自分の手をわずらわせるDMを送ってくる相手には好感を抱きにくくなりますから、受け取り手の視点で手に取る〜開封する〜捨てるといった流れをシミュレーションしてみることをおすすめします。
5. オリジナルデザインの封筒を作れるサービス4選
「封筒DMの開封率を上げるポイントはわかったけど、一からデザインするのは大変」と思ったら、テンプレートを利用しましょう。
多くの印刷会社のサイトには、デザインから印刷をスムーズにできるよう多彩なテンプレートを用意されています。
以下で紹介する4つのサイトは、簡単な操作で優れた封筒DM封筒を作成できるため、デザインや配色に自信ない方でも優れたDM封筒を作れます。
※使用には会員登録と印刷サービスを利用する必要があります。
5-1. ラクスル
ラクスルは豊富なテンプレートから簡単にDM封筒を作ることができ、印刷、発送までワンストップでオーダーできるネットサービスです。
テンプレートは全体で2,000点以上あり、業種別に分類されています。封筒テンプレートはシンプルで使いやすいものが多くあり、すぐにDMに活かすことができます。
プロの作成したイラストや図形などを自由に配置できるので、商品やサービスにあったDM封筒を簡単に作成できます。
料金:無料(印刷サービスの利用が必要) |
5-2. グラフィック
グラフィックはDM用封筒を始めとして名刺やチラシなど様々な印刷物を扱っています。
シンプルなテンプレートを使った自由度の高いデザインからができるほか、プロに依頼してハイクオリティなDM封筒を作成できます。
一度デザインデータを作成して印刷を注文すれば、バージョンを変更する際にも一部分だけを修正して時間とコストを削減できる「データ修正・複製」サービスが便利です。
また、糊つけオプション(1通2円)や封入封緘にも対応しているので、デザイン後の作業は極力少なくしたい方におすすめできます。「2,000円以上の注文で送料無料」は北海道や沖縄、離島も対象です。
料金:無料(印刷サービスの利用が必要) |
5-3. パプリ
パプリは、事務用品を扱うアスクルが運営する印刷サービスです。
テンプレートを選んでフォントを変更し、宛名を入力するという非常にシンプルな操作だけで封筒DMを作成できます。種類はさほど多くありませんが、各部分の変更がしやすく使いやすいツールです。
封筒は一般的な紙質のほか、開ける前から中身がわかるPP封筒(透明封筒)や封かん作業の手間を削減できる水のり付き封筒、個人情報や機密情報が入った重要な書類を郵送する際に便利な「透けない封筒」、「裏地紋入り封筒」など多くの種類があります。
料金:無料(印刷サービスの利用が必要) |
5-4. バンフー
バンフーもまた、封筒印刷を始めとしてチラシ、ノベルティ、ウェアプリントなど幅広い商品を手がける印刷会社です。
オンラインツールではなく、Illustrator、Word、PowerPointのいずれかにテンプレートをダウンロードして使用するため、自分の慣れたソフトで封筒作成ができます。
封筒は一般的な印刷の他、金銀・蛍光インクに対応するプレミアム封筒やベロや封筒の端まで印刷が可能な全面印刷封筒があり、オリジナリティのある封筒DMを作成することが可能です。
料金:無料(印刷サービスの利用が必要) |
DMデザインの料金について知りたい方におすすめ
まとめ
今回は、開封率の高いDM封筒のデザインについて、作り方のポイントをご紹介しました。
DM封筒デザインのポイントをまとめると以下のようになります。
- 開けたくなるDM封筒はターゲットによって違う
- 顧客の中で理想的な人物像をペルソナとし、具体的にイメージしてデザインする
- 内容を予想させるキャッチコピーを使う
- 受け取り手の目線に立って作成する
これらのポイントを意識し、効果的なDM封筒をデザインしてみてください。