「広報誌にピッタリの紙質ってどんなものがあるのだろう?」
「失敗せずに良い紙質を選びたいけど、たくさんあって違いが分からない……」
広報誌の原稿が整っていざ印刷!となった時に、直面するのが用紙の問題!
業者の印刷発注画面には用紙の種類だけがズラッと並んでいて、『選べない…』と、戸惑われる方は意外に多いと思います。
そこで本記事では、広報誌に適した用紙の「種類」と「紙質」を価格を含めた見やすい一覧にして説明します。
印刷用紙は数多くありますが、一般に広報誌に適する用紙は4種類です。
- コート紙
- マット紙
- 上質紙
- 特殊紙
記事では、それぞれの紙質と、どんな広報誌にオススメかをわかりやすく解説します。
特徴や相性がわかるので、ご自身の広報誌に使用する用紙が選びやすくなるでしょう。
また、用紙選びには厚さも重要なポイントになりますので、その点についても詳しく説明していきます。
さらに最終章では、条件別に「〇〇紙の〇kgを使用すると良い」という具体的なご提案をしますので、作成する広報誌にピッタリの用紙がわかります。
記事を参考に、失敗のない紙質を選んで、イメージに合う広報誌を作って頂ければと思います。
目次
1.広報誌の紙質は4種類!特徴一覧とオススメのポイント
それではまず、広報誌に適した用紙の種類と特徴について解説していきましょう。
一般的に広報誌に使用される4種類の用紙それぞれの「紙質」と「特徴」「価格の目安」を示した一覧表をご覧ください。
種類 |
光沢 |
手触り |
特徴 |
価格の目安(A4/90kg)※ |
コート紙 |
あり |
ツルツル |
艶がある |
2,000枚:5,000円位〜 |
マット紙 |
少しあり |
しっとり滑らか |
落ち着いた風合い |
2,000枚:6,000円位〜 |
上質紙 |
なし |
さらさら |
ナチュラル |
2,000枚:4,000円位〜 |
特殊紙 |
種類によって違う |
種類によって違う |
プレミア感がある |
50枚:1,500円位〜 |
※A4は大きさ、90kgは厚さを表します。用紙の厚さについては2章で解説します。
※価格に印刷代金は含まれていません。
価格は業者によって違いがあるので、あくまでも目安ですが、特殊紙が飛び抜けて高価であることは間違いありません。
その他にも各々違いがありますので、以下の項でひとつひとつの用紙について「特徴」と、どんな広報誌に向いているのか「オススメのポイント」を詳しく説明します。
「この用紙、この紙質で広報誌を使ったら…? 」と、イメージしながら読んでいってくださいね。
1-1.「コート紙」は高発色で色がキレイ
コート紙は、特殊な薬品が表面に塗ってあって、光沢(艶)があり、ツルツルしてコシのある紙質です。
<コート紙を使用した広報誌の特徴>
- インクの乾きが早く、裏写りしない
- 発色が良く、写真や画像が色鮮やか
- 表面に鉛筆で書き込みはできない
<こんな広報誌作成者におすすめ>
- (一般に広報誌によく使われている用紙なので)失敗はしたくないが紙質に特にこだわりのない方
- コストを抑えてそれなりの見栄えのものを作りたい方
コート紙は、彩度の高いフルカラー印刷に向いており、高画質な広報誌を作ることができます。
ただし、よく使用される紙質である分、ありきたりな印象になる恐れもあるので、その場合は、レイアウトに凝ったり、厚手のコート紙を使うなど工夫を加えると良いでしょう。
1-2.「マット紙」は上品で本格的なイメージ
マット紙は別名「半光沢紙」と呼ばれ、光沢が出ないように艶消しが施してある紙質です。
手触りはしっとりしていて、滑らかな質感です。
<マット紙を使用した広報誌の特徴>
- 品のある雰囲気を演出できる
- 少しくすんだトーンの仕上がりになる
- 指紋が目立たず反射やテカリがない
- 文字が読みやすく書き込みが可能
<こんな広報誌作成者におすすめ!>
- 落ち着いた大人っぽい雰囲気の広報誌を作りたい方
- 本格的な印象にしたい方
マット紙は色彩はコート紙に比べるとややくすんで表現されますが、安っぽさがなく、上品な印象の広報誌を作ることができます。
1-3.「上質紙」は手作りのやさしい印象
上質紙は一般的にコピー等で使用されている、表面加工のないナチュラルな質感の紙です。
手触りはサラサラしています。
<上質紙を使用した広報誌の特徴>
- 文字が読みやすくキレイに印刷できる
- 画像等の色彩はマット紙よりもかなりくすんだ印象になる
- 鉛筆で書き込みができ、印鑑も押せる
- 手作り感が醸し出せる
<こんな広報誌作成者におすすめ!>
- アンケートや申し込み用紙入りなど、書き込みが必要な広報誌を作る方
- 手作りの感じを出したい方
- ナチュラルな印象の広報誌を作りたい方
上質紙を使用すると、良くいえば手作りの優しい印象、悪くいうとチープな印象の広報誌に仕上がります。
ご家庭のプリンターでも印刷が可能なので、部数が少ない場合や、紙の素材を生かした冊子作りを嗜好される方に向いています。
1-4.「特殊紙」はプレミアム感のある仕上がり
特殊紙とは、その名の通り特殊な加工をしてある紙のことです。
特殊紙には多くの種類があり、それぞれ普通の紙にはない特殊な特徴があります。
※特殊紙の例:耐水性や通電性を持たせた紙、電子情報を記録できる紙、用紙自体に色が入ったもの、ボコボコした風合いの紙、キラキラした加工が施された紙 など
<特殊紙を使用した広報誌の特徴>
- 他にはないプレミアム感がある
- 高級感を感じさせる
<こんな広報誌作成者におすすめ!>
- 唯一無二の他にはない広報誌が作りたい方
- コストが掛かっても、競合との差別化を図りたい方
特殊紙の中から好みのもの、イメージに合うものを選んで使用すると、他にはない特別な印象の広報誌が作れます。
ただし、印刷を依頼する業者により扱っている用紙の種類が異なること、他の3つの用紙に比べてかなり高額の費用が掛かることも覚えておきましょう。
2.紙質選びは用紙の種類だけでなく「厚さ」も重要
広報誌にどの種類の用紙を使うかイメージできたでしょうか。
実は、広報誌の紙質を選ぶ時、種類だけでなく考慮しなくてはいけないポイントがもう1つあります。
それは「用紙の厚さ」です。厚さによって広報誌の雰囲気は変わってきます。
この章では、用紙の厚さを決めるときに知っておくべき以下の3つについて解説します。
- 紙の厚さはkgで表される
- 広報誌の紙の厚さに迷ったら「73kg」か「90kg」を選ぼう
- 紙の厚さでコストやイメージが変わる
用紙の種類を決めても、次にまだ、53kg、58kg、65kg、70kg、73kg、90kg、110kg…というように、たくさんある厚さからひとつを選ばねばなりません。
イメージする広報誌はどの厚さにすればよいのか、よく読んで参考にして頂けたらと思います。
2-1.紙の厚さはkgで表される
紙の厚さは、kgという単位で表されます。
なぜkgかというと、この単位はその用紙を1,000枚積んだときの重さを表しているからです。
たとえば、90kgと表示されていたら1,000枚で90kg、110kgであれば1,000枚積んだら110kgになるという意味です。
つまり、同じ種類の紙なら数字が大きいほど厚くなるということです。
【印刷用紙の厚さの目安】 【70〜73 kg】 【90kg】 【105kg〜110kg】 |
ただし、同じkgでも用紙の種類によって実際の厚みは異なる場合があるので注意してくださいね。
2-2.広報誌の紙の厚さに迷ったら「73kg」か「90kg」を選ぼう
紙の厚さの目安がわかっても、印刷会社のサイト等を見ると厚さの種類がたくさんあるので、どれを選べばいいか迷ってしまう方がいらっしゃると思います。
そんな時は、一般的に冊子で使用されている70kg〜110kgくらいの範囲の中から選ぶと良いでしょう。
中でも広報誌によく使われているのが、「73kg」と「90kg」です。
コストを抑えたい場合は少し薄めの「73kg」、それよりしっかりした厚みが欲しければ「90kg」をおすすめします。
「110kg」を使うと立派な雰囲気になりますが、その分重くなるので枚数の多い広報誌を作る場合は注意してください。
2-3.紙の厚さでコストやイメージが変わる
用紙は厚いものほど、価格が高くなります。
したがって、コストダウンしたい場合は、なるべく薄い用紙を選ぶと良いでしょう。
広報誌に使われる4種類の紙質を安い順に並べると、①上質紙、②コート紙、③マット紙、④特殊紙、となるので、上質紙やコート紙の薄い用紙を選ぶと費用が抑えられます。
一方、同じ種類の紙でも、その厚さによってイメージを変えることができます。
たとえば、広報誌として一般的なコート紙を選んだとして、他の広報誌に差をつけるひとつの工夫として、厚めの90kgや、さらに厚い110kgを選ぶ方法があります。
厚手の用紙を選ぶとプレミアム感が出るので、価格の低い用紙でも安っぽくなる心配がありません。
【表紙や裏表紙は本文より厚めの用紙を選びましょう】 一般的に広報誌では、表紙や裏表紙は本文より厚めの用紙を使用します。 たとえば本文が「73kg」であれば「110kg」、「90kg」であれば「135kg」くらいを目安にすると良いでしょう。 |
3.【条件別】あなたの広報誌にはこの紙質がピッタリ!
あなたの広報誌のイメージに合う紙質が見つかりましたでしょうか?
いろいろ分かったけれどやっぱり迷ってしまう…という方のために、条件別に「これがピッタリ!」というおすすめの紙質をご提案します。
必ずしもその紙を選ばなければいけないということはありませんが、なかなか決められないという時には、ぜひ参考にして頂けたらと思います。
【条件別:おすすめする紙質】
コストを抑え、光沢感のある紙質の広報誌にしたい |
コート紙の90kgがおすすめ (表紙のおすすめはコート紙の135kg) |
落ち着いた本格的なイメージの広報誌にしたい |
マット紙の73kgか90kgがおすすめ (表紙のおすすめはマット紙の110kgか135kg) |
手作り風でナチュラルな広報誌を作りたい 自分たちで印刷したい |
上質紙の73kgか90kg (表紙は同じ厚さでも良い) |
他にはないプレミアム感のある広報誌を作りたい ある程度予算に余裕がある |
特殊紙の73kg〜90kg (表紙は本文より厚めで、紙質は同種にするかどうか業者に相談すると良いでしょう) |
いかがでしょうか。
業者によって取り扱っている用紙の種類が決まっている場合もありますので、実際にどのような用紙が使えるかについては、業者の担当者に問い合わせてみてください。
広報誌の目的について知りたい方はこちらを参考にしてください。
まとめ
広報誌の用紙は、以下の4種類のどれかから選ぶのが一般的です。
- 高発色で色がキレイな「コート紙」
- 上品で本格的なイメージの「マット紙」
- 手作りっぽくナチュラルな印象の「上質紙」
- プレミアム感のある仕上がりの「特殊紙」
また、広報誌の紙質を選ぶ時は、種類だけでなく用紙の厚さも考慮しなくてはなりません。
なぜなら紙の厚さでコストやイメージがガラリと変わってくるからです。
広報誌の用紙の厚さに迷ってしまった時は、「73kg」か「90kg」を選べば間違いないでしょう。
ある程度本格的な広報誌の場合は、表紙(裏表紙)は本文より厚めの用紙を選ぶことをおすすめします。
広報誌にピッタリ合う紙質を選んで、イメージ通りの素敵な一冊を作ってください。